ルクソール・マルカタ王宮の再発掘調査 UPDATED

Click here for English version
英語版は ここ をクリックしてください


マルカタ王宮

Painted mud fragments found at Room B B室出土彩画片

アメンヘテプ三世の造営による荒れ果てた王宮都市がマルカタには残存しています。砂漠には王族居住施設やアメン神殿、祝祭殿、高官たちのための施設、仕えるものたちの住まい、「魚の丘建築」と今では名付けられている祭壇など、すべて日乾煉瓦で作られたさまざまな建物が並んでいました。「ビルケット・ハブ」と呼ばれる巨大な人造湖の跡が、砂山の連なりとして現在でも王宮の南東に見ることができます。「魚の丘建築」を含めるならば3平方キロメートルにも及ぶこの広大な地における調査は、1888年にフランスのJ・ダレッシィによって部分的に始められ、その後にアメリカのR・タイトゥスにより発掘がなされて仮報告書が刊行されました。1910年から1920年にかけてはニューヨークのメトロポリタン美術館がほとんどの敷地を発掘し、また1970年代にはペンシルヴェニア大学博物館が調査を再開しました。
1985年から早稲田大学調査隊はこの地の発掘調査権を入手し、特に主王宮内の、タイトゥスによって「H室」と呼称された大列柱室や、そこに隣接して造られた一続きの部屋「K5室」、「L5室」、「N5室」、並びに「B5室」、そして「王の寝室」、及びもうひとつの寝室「B室」などの部屋の再発掘をおこないました。
各室からはおびただしい量の壁画片や天井画片が出土しました。ローゼット文様やスパイラル文様がそのうちの多くを占めていますが、その他にハゲワシの姿であらわされたネクベト女神像が天井に並べて描かれていたことも分かっており、アメンヘテプ3世の名前がそれぞれのネクベトの下に大書してありました。この連続したネクベトの周囲を幾何学文様が囲んでいます。このモティーフは「B室」、「G室」、「H室」、「王の寝室」から見つかりました。実際に出土した彩画片をもとにして、各室天井画の彩色された復原図が作成されています。

Plan of the Main Palace at Malqata主王宮平面図

Fragments of painted Nekhbet figure found at Room HH室出土、ネクベト画像片

Scroll pattern excavated at Room HH室出土、スクロール文様片

Room H, right wing-tip of Nekhbet and hieroglyphs 'djet'H室出土、ネクベト画像右翼端部と聖刻文字「ジェト」

Room H, detail of the above painted fragments, showing the traces of repainting同上詳細、描き直しの痕跡を示す

Room H, reconstruction of the ceiling painting, the first phaseH室、天井画全体復原図(一部省略)、第1期

Room H, reconstruction of the ceiling painting, the second phaseH室、天井画全体復原図(一部省略)、第2期

「K5室」、「L5室」、「N5室」、「B5室」といった部屋では、幾何学文様が描かれた天井画が復原されました。部屋ごとに少しずつモティーフが変えられている点が注目されます。

Room L5, reconstruction of the ceiling paintingL5室、天井画復原図

Room N5, reconstruction of the ceiling paintingN5室、天井画復原図

Room B5, reconstruction of the ceiling paintingB5室、天井画復原図

さて「王の寝室」の天井画では、寝台が置かれる奥の部分がより丁寧に仕上げられていることが判明しました。文字列が若干長い他、並んだネクベトを縁取るローゼット文様の中心の色も変えられています。

King's bedroom, general view「王の寝室」、全体を見る

King's bedroom, detail of mural painting「王の寝室」、壁画詳細

King's bedroom, reassembled ceiling fragments「王の寝室」、接合された天井画片

King's bedroom, rosettes and checker pattern「王の寝室」、ローゼット文様とチェッカー文様

King's bedroom, right leg of Nekhbet and hieroglyphic signs of mri.f with white border and rosettes「王の寝室」、ネクベト右脚と聖刻文字「メリ・エフ」、及びローゼット文様

King's bedroom, reconstruction of the ceiling painting「王の寝室」、天井全体復原図

 B室からは1988年の調査において約2,000点の彩画片が発掘されました。最近の研究は主にB室の建築装飾の復原に向けてなされており、ここでは36点の写真を紹介致します。このうちのいくつかは「マルカタ王宮の研究」(中央公論美術出版、1993年)に掲載されていますが、1995年12月から1996年1月にかけておこなわれた最新の調査で明らかとなった点についてはその都度、彩画片ごとに註記しました。研究成果の詳細は分冊される報告書(英文)で発表される予定で、その第1巻、"Painted Mud Fragments found at Room B"は2003年刊行の予定です。

B室:目次



ご意見・ご質問はエジプト学研究所(ecc@list.waseda.ac.jp)、もしくはこのページの保守管理者、西本真一 (nishimot@mn.waseda.ac.jp) 宛にお寄せください。


早稲田大学エジプト学研究所ホームページへ戻る


Made with Mac Logo

Copyright (C) Institute of Egyptology, Waseda Univeristy
All rights reserved.

(First drafted: 10 March 1996)
(Last revised: 17 February 2002)