イスラム都市・アル=フスタートの発掘調査

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ここにおさめられた文章は、早稲田大学エジプト学研究所が発行した「エジプト調査十年の歩み」(1982年)、「エジプト調査の歩み(II)」(1989年)などからの抜粋です。



 アル=フスタートは、イスラーム経済社会の中心地として、そして、東西交通の要所として7世紀から14世紀にかけて繁栄したカイロ市の南部に位置するイスラーム時代の遺跡である。

 アル=フスタートは、 642年にイスラーム教を奉じる人々によって現在のカイロ近郊にアレクサンドリアに代わるエジプトの新しい首都として建設され、カイロに首都が移った後もイスラーム世界の商工業・宗教・学問・教育の一大中心として繁栄した。1168年に十字軍の侵攻に伴って破壊された後も一時復興されたが、14世紀半ばに襲ったペストの大流行でほぼ完全に廃墟と化し、現在に至っている。したがって、この遺跡は中世イスラーム時代の都市をそのまま残しており、イスラーム考古学の宝庫であると言える。早稲田大学では1978年以降1984年までこの遺跡の発掘調査を行い(1980年以降は出光美術館と共同)、その後中近東文化センターに引き継がれた。この7回の調査によって約1760平方メートルが発掘され、多数の遺構と多量の遺物が発見された。中でも、東西交易の重要な中心地であったこの遺跡からは多量の中国陶磁器が出土し、当時の繁栄ぶりを示している。この他に、土器、フィルター付き水壷、イスラーム陶器、オイル・ランプ、ガラス器、装身具、道具類などのイスラーム時代の生活文化を知る上で貴重な遺物が出土した。これらの遺物については、最近中近東文化センターから発掘報告書が刊行された。


Excavation site of al-Fustat アル=フスタート発掘風景


Founded pottery 出土土器


Excavated glass bottle 出土ガラス壜



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(First drafted: 15 February 1996)
(Last revised: 25 January 2000)