原田 哲男

原田 哲男

HARADA Tetsuo

言語学 ―
応用言語学:第二言語習得、英語・日本語教育、バイリンガル教育、第二言語の音声・音韻

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ゼミ紹介

About my seminar

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16年度学部ゼミ紹介
応用言語学・言語教育の分野から毎年異なったトピックを選択します。来年度のゼミでは、「イマージョン教育と早期外国語教育」を扱います。イマージョン教育とは、幼稚園または小学校から教科学習と外国語学習を同時に行う教育形態です。母語だけでなく第二言語を使用して、算数、理科等の教科教育を行う教育形態は、50年前にカナダのケベック州でフランス語イマージョン教育として始まり、アメリカではスペイン語イマージョン・プログラムが主流ですが、90年代からは、日本語イマージョン教育も登場しました。その後、日本では英語イマージョン・プログラムとして導入されていますが、一部の私立学校で行われているのみです。また、アメリカでは、英語母語話者と日本語母語話者がほぼ半数ずつで構成されるクラスで、教師からのみでなく、他の児童からの英語または日本語のインプットが可能な日英語双方向イマージョン教育が、カリフォルニア州では実施されています。
このゼミでは、イマージョン教育の理論的背景、特徴、目標、カリキュラム、指導の実際、教材、児童の母語と目標言語の能力や算数や理科等の教科の能力について、文献、発表、討論、授業見学、インターシップを通して学びます。さらに、日本の公立学校で行われている英語活動を中心に、様々な形態の早期外国語教育を概観し、その効果や問題点を検討します。
国内の私立学校の英語イマージョン・プログラムや近隣の公立小学校の外国語活動を見学し、希望者には、アメリカの日本語イマージョン・プログラム(オレゴン州)や日英語双方向イマージョン・プログラム(カリフォルニア州)でのインターンシップを実施しています。
また、このゼミでは英語の文献を多読し(一年で400から500ページ)、春学期と秋学期にそれぞれ10ページ程度の英語でのレポートを課すので、英語が道具として使える学生を優先します。

自己紹介

About myself

さいたま市大宮区で生まれ、小学校の時に飛行機が大好きで、よく羽田空港に行き、そこで初めて英語に出会いました。いろいろな国の旅客機に書いてある英語の文字を読みたいと思い英和辞典を引き出しました。パイロットやディスパッチャーになりたいという夢を持っていましたが、気が付いたら応用言語学をやっていました!今でも、海外出張でいろいろな国の飛行機に乗るのが楽しみで、海外の空港に着くとテンションが上がります。そのためか、学生時代から合計15年以上、海外に住んでいました。2005年までは、オレゴン大学で応用言語学や日本語教育の科目を教えていました。

専門紹介

My academic field

言語によるコミュニケーションは、様々な能力を総動員して可能になります。そのため、言語研究は、言語そのものを研究する言語学の分野以外に、言語が関わる全ての分野(心理、社会、文化、教育等)と関係があります。応用言語学は、言語とそれを取り巻く広い分野を扱います。私は、とくに「言語と教育(英語教育と日本語教育)」と「言語と心理(外国語の音声習得過程等)」に興味があります。
皆さんは、今まで何らかの形で英語を学習してきたと思います。その中で、色々な教え方に接したり、自分なりに学習方法を考え出したり、また多様な英語教材を使い、入学試験を含め様々なテストを受けた経験があるはずです。このように今日まで行なわれてきた一連の言語学習・指導をもう一度いろいろな観点から見直して、それが言語習得にどのような影響を与えてきたのかを、また理論的に裏付けられた効果的な外国語学習とは何かを、第二言語習得(母語以外の言語の習得を研究する分野)の立場から考察しています。言語の学習と教育の研究は、他の分野と比べると、まだ日が浅く解らないことだらけです。その意味でも、知的好奇心を最も満足させる分野の一つかもしれません。
さらに、言語と心理の分野では、英語または日本語学習者が、母語と外国語の音声をどのように知覚し生成しているか、母語と第二言語の音声がどんなふうに影響し合っているかを研究しています。また、日本語や英語を外国語として早期学習するイマージョン教育(幼稚園や小学校から算数や理科等を外国語で行ない、外国語と教科内容を同時に学習させる教育形態)が、外国語の音声習得にどんな影響を及ぼすかもリサーチのテーマとしています。

私の学生時代

My school life

小学校の時は、学校も先生も嫌いで、「先生」だけにはならないと勝手に決めていました。中学校や高校の時も、航空ファンだったので、英語だけは勉強しましたが、その他の科目は全く勉強しませんでした。浪人して、早稲田大学教育学部英語英文学科に入学し、海外に行ってみたいという気持ちが強く、大学2年生の時にオレゴン州立大学に1年間交換留学しました。卒業後、埼玉県の高校の教師になり、その後イギリスのロンドン大学(UCL)で音声学を、ロンドン大学教育研究科(IOE)で英語教育を、学びました。それから、アメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で応用言語学、とくに第二言語習得を学びました。

学生の声

What the students say

2015年度学部原田ゼミ3年生(カリフォルニア州立大学ノースリッジ校留学中)
私は原田ゼミで学んでいる三年生の竹川香沙里と申します。
原田先生は応用言語学や英語教育など学問の指導範囲が非常に幅広いため、タームペーパーや卒業論文に関して相談した際は、特定の分野に関わらず多角的な観点から沢山のアドバイスを下さります。また、私達学生の研究分野について寛大であるため、私達のゼミでは、本当に自分の学びたい、研究したいことについて学ぶことができます。実際、「帰国子女の言語喪失」、「言語習得と家庭の社会・経済格差の相関性」「危機に瀕する言語」など皆、様々な分野の研究に日々取り組んでいます。
特に印象に残っているエピソードは私が二年次にどのゼミで学ぶかを決めかねていた際に一言「相談しにおいで」と声をかけて下さり、ゼミの事だけでなく留学の事や将来の卒業論文の事までアドバイスを下さったことです。そのおかげで、自分の学びたいことが明確になっただけではなく、現在カリフォルニアの大学で交換留学生として充実した生活を送っています。このように、ゼミ生一人一人を大切に生徒としてだけではなく、まるで我が子のように気にかけて下さる先生の人柄に関しては、ゼミ志願者が先生の人柄の良さを志願の理由にする程です。
また、先生は海外大学院の卒業経験や、海外の大学で教鞭を取っていたこともあり、授業中はまるで海外の授業を受けている様です。例えば、授業は100%英語で行われ、ディスカッションが盛んです。そのため、授業の前はリーディングを沢山行い、予習をしなければなりません。更に、授業で使うパワーポイントも全て生徒達で作成しています。大変に聞こえるかもしれませんが、これらをこなしていたお陰で、TOEICやTOEFLの点数が上がっただけではなく、海外の授業にもついていくことが出来ました。国内にいながら、このような授業を受けられるのはとてもうれしく思います。更に、小学校の早期英語教育のボランティアの機会や、カリフォルニア州、オレゴン州などでの日英イマージョン教育のインターンシップの機会を設けて下さり、原田先生のお力添えで私達は日々充実した学生生活を送っています。

2015年度大学院原田ゼミ修士課程1年生
私は原田先生の下で学ばせて頂いている教育学研究科修士課程一年の鈴木駿吾と申します。
原田先生の学部・大学院での授業に共通していることは、授業が講義形式ではなく学生によるプレゼンテーションが授業の主体となっていることです。教科書や論文などの教材を理解したところから更に一歩進んだ教室での深いディスカッションを通して、様々な角度から一つの事象に対して理解を深めることができるのが原田先生の授業の魅力の一つだと思います。そのため、プレゼンテーションを担当した際はそれなりに準備が大変ですが、逆を言えばそのトピックに対する知見を深める絶好の機会となります。また、ゼミの場合は先生が学期全体のテーマを学生の興味や関心を反映して決めて下さるので、プレゼンを担当する回だけでなく学期全体を通して自分の興味のある分野を究めることができます。
大学や大学院で学ぶことは、中学高校とは違いより専門的なものになります。原田先生は学生が自分の専門を、「これだけは誰にも負けない」と言えるような武器にまで昇華させる機会を十二分に下さる先生です。もし英語教育や応用言語学に関して何か一つしっかり勉強したいという方は、是非原田先生のゼミにいらしてください。きっととても充実した学生生活を送れることと思います。

担当科目

Classes

研究室・連絡先

Contact

担当科目:<2年必修>言語学入門(音韻論)[春学期]、応用言語学入門(第二言語習得)[秋学期]

     <ゼミ>英米文学語学演習I・II F(第一・第二言語習得)

     <4年以上選択>教職実践演習(中・高)[秋学期]

     <大学院(修士)>英語科教育特論III(第二言語習得)、英語科教育演習(1)(2)

     <大学院(博士)>英語科教育研究演習

【研究室】 16-910
【e-mail】 tharada#waseda.jp (replace # with @)
【電  話】 03-5286-9754
【H  P】 http://www.dept.edu.waseda.ac.jp/eng/professors/tharada/tharada.html

主要著作

Main Publications

Harada, T. (in press). Developing a content-based English as a foreign language program: Needs analysis and curriculum design at the university level in Japan. In M. A. Snow & D. M. Brinton, The content-based classroom.

Harada, T. (2015). Factors affecting successful late learners’ phonemic discrimination between /l/ and /r/ in English. Proceedings of the 18th International Congress of Phonetic Sciences (ICPhS). Glasgow, Scotland, UK.

Harada, T. (2014). Does early foreign language learning in school affect phonemic discrimination in adulthood? Journal of the Acoustical Society of America, 136, 4, 2108.

Harada, T. (2013). Effects of early language learning on speech perception: From an ELF perspective. In K. Murata (Ed.), Waseda Working Papers in ELF (English as a Lingua Franca), 2 (pp. 111-122).

Harada, T. (2011). Limited long-term effects of early immersion on L2 segmental timing in adulthood. In M. Wrembel, M. Kul, & K. Dziubalska-Ko?aczyk (Eds.), Achievements and perspectives in the acquisition of second language speech: New Sounds 2010 (pp. 103-115). Bern, Switzerland: Peter Lang.

原田 哲男(2011) 「早期外国語教育は音声習得に何をもたらすのか:イマージョン教育からの示唆」『早稲田教育評論』第25巻1号(pp. 1-14)早稲田大学教育総合研究所

Harada, T. (2009). Limited effects of early language learning in immersion education on L2 pronunciation in adulthood. In K. Namai & Y. Fukai, Toward the fusion of language, culture and education: From the perspectives of international and interdisciplinary research (pp. 208-221). Tokyo: Kaitakusha.

Harada, T. (2007). The production of voice onset time (VOT) by English-speaking children in a Japanese immersion program. International Review of Applied Linguistics in Language Teaching (IRAL), 45(4), 353-378.

Harada, T. (2006). The acquisition of single and geminate stops by English-speaking children in a Japanese immersion program. Studies in Second Language Acquisition, 28(4), 601-632.

Lee, B., & Guion, S. G., Harada, T. (2006). Acoustic analysis of the production of unstressed English vowels by early and late Korean and Japanese bilinguals. Studies in Second Language Acquisition, 28(3), 487-513.