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拠点概要

当研究拠点は,近年グローバルに研究が進んでいる実証政治経済学(Positive Political Economy)をテーマにして,2014年9月,早稲田大学政治経済学術院3号館12階のフロアに設けられました.同学術院の教員22名を中心に構成された研究拠点であり,文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(理論とエビデンスにもとづく実証政治経済学研究の拠点形成,研究代表者:小西秀樹)に採択されています.

当拠点は以下のような特徴を持っています.

  • 政治経済学の研究にフォーカスした,国内では希有な研究組織である
  • 分析ツールを共有する政治学者と経済学者によって構成され,同じ課題に異なる視点から活発な議論ができる
  • 統計的なデータ処理,実験,世論調査など多彩な実証分析の手法を取り入れている
  • 独自の大型計算機を導入し,ビッグデータの解析や高速並列分散処理によるシミュレーション分析に活用している

当研究拠点のメンバーは,理論分析グループとデータ分析グループから構成されています.両グループが,財政金融政策,外交政策,貿易政策など現代日本が直面する重要な政策課題に焦点を当てた研究を推進し,相互のフィードバックによって進化させ,政治経済学的な視点から新たな知見を創造することが狙いです.

具体的な研究内容は次の通りです.

理論分析グループ
一般均衡モデル,経済成長理論などの経済学的アプローチ,投票モデル,不完備情報下の交渉モデルといったゲーム理論的アプローチや政治的選択理論,そしてこれらを統合した政治経済モデルの開発による理論分析を行います.
データ分析グループ(計量分析班)
標準的な集計データだけではなく,個別主体ベースの大規模データセットを構築し,統計的なパターンの発見,仮説の検証,個別主体の行動パラメータの推計,政策効果の数量的把握を行います.データ解析には,構造推定法,ブートストラップ法,確率的マクロ動学モデル分析などの手法を用います.
データ分析グループ(実験・世論調査班)
理論分析では捨象・看過されやすい意思決定や行動の規定要因を様々なタイプの実験で検証したり,ウェブ上で収集した大規模データにもとづき,行動や選好形成の要因分析を行います.
データ分析グループ(事例研究班)
特定国の政治経済など標本サイズの限定される対象を定量的に研究するほか,歴史的な観点からも政治経済現象を数量的に分析します.

もちろん,当拠点での研究活動は拠点メンバーの中だけに限られたものではありません.政治経済学術院に所属する若手研究者,とくに助教,助手,大学院生をワークショップなどに取り込んで,互いに刺激を受けながら研究を進めています.さらに早稲田大学には,政治経済学術院以外にも,商学学術院,社会科学総合学術院,高等研究所といったところに優秀な政治学者,経済学者が所属しています.こういった早稲田の中の貴重なリソースを,学術院の垣根を越えて政治経済学の研究に結集させ,世界のフロンティアに躍り出て戦っていくのが当拠点の重要な目論見の1つでもあります.