研究概要PROJECT OUTLINE

全期間を通じた研究交流目標

1990年代以降、各国の企業統治制度は多元的な進化を遂げた。英米では株式所有に機関投資家の比重が一段と上昇する反面、上場企業の比重は急速に減少した。欧州やアジア新興国では、海外投資家が急速に増加し、企業統治改革が進展する一方、家族・事業法人を支配株主とする統治構造が維持されている。
しかし、このように多様化する統治構造を決定する要因は何か、各国の差は何によって規定されているのか、統治構造はパフォーマンス、経済成長に実質的な影響を与えているのか、そうであれば如何なるメカニズムを通じてか、企業統治に関する法・政治制度はいかに進化しているのかという問題に関しては、なお多くの研究課題が残されている。こうした課題の分析をより深化させるためには、従来の理論の抱える難点を克服した分析枠組みを開発し、国際比較の視点に立つ分析の導入が不可欠である。
本計画では、本学がこれまで研究交流・共同研究を進めてきたオックスフォード大学経営大学院(Oxford)、フランス社会科学高等研究院(EHESS)、ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)との間の研究ネットワークを強化し、分析手法の開発、多面的な国際比較の実施、基礎データの共同利用、共同研究の実施を通じて、企業統治に係る経済制度の実証分析の飛躍的前進を目指す。
実施にあたっては、企業統治構造、企業行動、パフォーマンス、法・政治制度の相互作用に関して、上図の枠組みに基づき、具体的な研究課題を設定する。比較対象としては、これまで注目されていた英・米のみでなく大陸欧州諸国やアジアの新興国を加え、また、分析期間は、動学的な分析に耐えうるように可能な限り長く設定し、日・欧は過去100年、アジア諸国は、自由化・規制緩和が始まる1980年以降を対象とする。こうした体系的な課題の設定と、若手研究者を加えた国際共同研究チームの組織化を通じて、本学の高等研究所を中心とした実証的な比較企業統治分析における国際拠点を形成する。

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年度別研究交流計画

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