アルブミン-ヘム

1. アルブミン-合成ヘム

合成ヘム(一例)の構造 ヒト血清アルブミン (Human Serum Albumin: HSA) に合成ヘム誘導体を包接させたアルブミン-ヘム (HSA-FeP) 複合体は、ヘモグロビン (Hb) を利用しない酸素輸液です。HSAは血液中ではコロイド浸透圧維持のほか、代謝産物や薬物を結合し運搬する役割を担っています。日本では逸早くピキア酵母を用いた遺伝子組換えHSAの産生技術が確立され、2008年から世界に先駆け臨床使用されるようになりました。さらに詳しく 1 >>

2. 組換えアルブミン-プロトヘム

組換えアルブミン-プロトヘムの構造 天然のプロトヘム (鉄(II)プロトポルフィリンIX) を用いた酸素輸液ができれば、より生体適合性に優れた製剤として提供することができます。実は血流中でHbから解離したプロトヘミン (鉄(III)プロトポルフィリンIX) はHSAに捕捉され肝臓へと運ばれます。我々はアルブミン-プロトヘミン錯体の結晶構造をもとに、遺伝子組換え技術を用いて、組換えHSA-プロトヘム錯体を合成し、これが酸素吸脱着できることを明らかにしました。さらに詳しく 2 >>

3. 蛋白質ナノチューブ

Protein nanotube 酸素輸液の開発研究からいくつかの新しい物質系が生まれています。例えば、HSAを用いて“中空シリンダー状の蛋白質ナノチューブ”を作ることができます。HSAの酸性水溶液を多孔性酸化アルミナ膜の細孔内へ通過させた後、続いてHSAの中性水溶液を通過させ、順次この操作を繰り返すと、細孔内壁にHSAの多重積層膜が得られます。充分に乾燥後、鋳型成分のみを除去すると、HSAからなるナノチューブが得られます。さらに詳しく 3 >>