日時

2007年3月11日(日) 13:00〜17:30

会場早稲田大学小野記念講堂
 

『映像のダンス、現前するダンス』

※参加無料・事前予約不要

古代、壁画に残された踊る姿は、中世以降、いろいろな画家、文学者によって絵画や文学に描かれてきた。やがて20世紀初頭、人気を博した映画に、踊る姿は頻繁に登場する。ダンス作品記録としての映像も、いまやビデオからDVDへと代わりながら、続々と残されている。
繰り返し鑑賞できる映像のダンスを、われわれはどのように見ているのだろうか。また、目の前に展開するパフォーマンスはどのように創作され、その中でダンサーと対峙しながら、われわれは何を見ているのだろうか。身体、テクニック、表現、ドラマ・・・・。
人々の記憶の中にその姿を留め、語り継がれる2次元映像のダンス、そしていま、ここに、現前する3次元のダンス。対極のダンスを取りあげ、ダンスを探る。

総合司会:片岡康子(お茶の水女子大学名誉教授・早稲田大学客員教授)
第一部:ダンスの映像をどうみるか/秘蔵の映像と解説  13:00〜15:00
・ダンスと映像/ダンスをライヴで見ることと、その映像を見ることとはどう違うのか
尼ヶ崎彬 (学習院女子大学教授・演劇博物館客員教授)

・映画と舞踏/映像作品のなかに登場した舞踏のイメージについて
國吉和子 (演劇博物館客員教授)

・DVDと歌舞伎舞踊/歌舞伎舞踊はどのように映像化されるのでしょうか、そこに現れる娘の姿とは・・・
古井戸秀夫(東京大学教授・早稲田大学客員教授)

・銀幕のバレエ/ハリウッド映画がバレエをどう取り入れ、どう扱い、どう排除していったか
鈴木 晶 (法政大学教授・演劇博物館客員教授)

第二部:ダンス創作の秘密/3人の振付家による競演   15:20〜17:30
  ―同一課題曲にもとづく創作―
  
・コンテンポラリー・ダンス   北村明子/解説:稲田奈緒美
・バレエ 篠原聖一/解説:鈴木晶
・日本舞踊 花柳 基/解説:尼ヶ崎彬

【振付家プロフィール】
                               
*篠原聖一 Seichi Shinohara
札幌生まれ。3歳より両親(篠原邦幸・沙原聖子)の元でバレエを始める。現在サハラダンス・クニユキバレエ主宰。1973年小林紀子バレエシアター旗揚げ公演に参加、同シアターに入団。
1978年日本バレエ協会公演新人賞受賞。1978〜1979年文化庁芸術家在外派遣研修員としてモナコに留学、マリカ・ペゾブラゾワに師事。その間フランス・ナンシーバレエ団にてゲストダンサーとして活躍し帰国。帰国後は小林紀子バレエシアター公演、日本バレエ協会主催公演の他国内数多くのバレエ団の公演にて主演。1985年フリーとなり、日本を代表とするダンスール・ノーブルとしてクラシックバレエの規範を体現する「王子らしい王子」として活躍しながら、古典バレエの再振付を手掛ける一方、オリジナル作品を発表。1997年再度、文化庁派遣特別在外研修員として、サンフランシスコバレエ団、ネザーランド・ダンスシアターにて振付を研修。東京新聞主催全国舞踊コンクール第二部審査員。2002年第28回橘秋子賞優秀賞受賞。現在、ダンサー、芸術監督、振付家、指導者として全国で幅広く活動中。「DANCE FOR LIFE」代表。
  
*北村明子 Akiko Kitamura
レニ・バッソ アーティスティック・ディレクター/振付家/ダンサー。信州大学非言語コミュニケーション講座専任講師。10代でショービジネスシーンに振付家として登場。早稲田大学入学と同時に自主公演活動を開始、ストリート的な奔放なリズム感とクールなグルーヴメイク、スタイリッシュな振付が注目を集める。また、日本有数のダンサーとしての評価も受けている。1994年レニ・バッソ結成。97年、独自の振付法『グリッド・システム』を用いた作風を確立。99年シアターオリンピック委嘱作品『Cypher』を振付、第一回リトル・アジア・プロジェクト日本代表として台湾、香港で初のソロ短篇『Quite Secant Square』を上演。01年、ベイツダンスフェスティバル(USA)委嘱作品『Face_Mix』は絶賛を受け、その名を北米の関係者に印象づけた。03年、ADF(アメリカン・ダンス・フェスティバル、USA)委嘱作品『EnactOneself』がノース・カロライナ州のThe Independent Weekly紙が選ぶダンス・オブ・ザ・イヤーに選ばれる。演劇、CF、映画からの振付・出演依頼も多い。代表作『Finks』(2001年初演)『Ghostly Round』(2005年初演)は欧米、アジア世界各国にて上演中。

*花柳 基 Motoi Hanayagi
1964年4月7日東京都出身。日本大学芸術学部卒。
1966年より母・花柳 秀師に師事し、1970年より人間国宝、花柳壽楽師に師事。1979年花柳流名取 花柳基幹となる。1982年花柳流専門部師範。1991年花柳 基と改名。花柳流の若手舞踊家として、主宰する「基の会」では花柳流の作品を主とした古典の研鑽を重ね、また創作やこれからの日本舞踊を見つめた新作なども手がける。それぞれに高い評価を受け、1994年舞踊批評家協会新人賞受賞、1996年芸術選奨文部大臣新人賞受賞をはじめとした数々の賞を受けるなどめざましい活躍を続けている。外務省・文化庁や国際交流基金等の派遣による国内外での舞踊活動、平成17年度 NHK「日本の伝統芸能〜日本舞踊入門」 講師をはじめとしたTV出演、他ジャンルの舞踊家・ダンサーとのジョイント、また母校・日本大学芸術学部演劇学科で後進の指導にあたる等、多彩な活動を行っている。

【お問い合わせ】早稲田大学演劇博物館21世紀COE演劇研究センター
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