社会科学部
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11School of Social Sciences ◆ Waseda University 大学で学ぶことは、教科書や文献から得られる知識だけではありません。『活きた社会科学』を身につけるためには、そのような知識だけではなく、実社会の現場に赴き、様々な問題に直面する人々や、幅広い活動を目の当たりにすることで、客観的ではない事実を知ることも必要です。そのような現場で当事者と一緒に問題解決に向けて考え・行動することで実践的な能力を養うことができます。 社会科学部では、国内外の様々なフィールドで実体験しながら学べる授業を用意しています。フィールドワーク授業 Fieldwork Studies現実社会への実践的なアプローチ…『臨床』紛争解決論実習ゼミナール(都市再生アクションリサーチ)東ティモールでの視察風景田野畑村でのヒアリング調査の様子田野畑村 思惟の大橋紛争解決論実習は、国際関係系ゼミの専攻者だけではなく、紛争後国家や途上国の開発に関心を抱く多様な学生が参加しています。実習先では、原則英語を使い、現地学生との交流、国家建設に関わる様々な機関を訪問します。本実習参加者からは、JOCV、ジャーナリスト、欧米等の大学院進学を経て、開発コンサルタント、UNV、シンクタンク、外務省の専門調査員等、広く現場で活躍している者も多いです。都市や地域では、人口減少、産業やコミュニティの空洞化など多様な問題があります。先端的な地域づくりのプロジェクトに参加し、地域住民、多様なコミュニティ、専門家との交流や提案づくり、その実践を行います。生の声を活かした報告書や小冊子で発信したり、論文を作成したりします。履修者は卒業後、地域開発、住宅、まちづくりの専門家、プランナーやコーディネーターとして、行政、企業、コンサルタント等で活躍しています。参加学生の声 「東ティモールの持続可能な発展」というテーマで、現地の大学の学生や教授とディスカッションを行うために、今でも平和構築過程にある東ティモールを訪れました。 はじめに、東ティモールの現状を学習し、参加学生それぞれが自分の意見をもったうえで、議論を深めるための準備をしました。従前の学習において、必修である英語を活かせることはもちろん、社会科学部の特徴である「問題に対して多角的な視点から考察する姿勢」は、ディスカッションを深めていくうえで非常に役立ちました。 東ティモールでは、大学でのディスカッション以外にも、魚の養殖場やコミュニティ、孤児院など、現地の人々のくらしを見学させていただき、聞き取り調査や視察を通じて、持続可能な産業を育成するためにはそれを支える当事者である地域の人々が抱いている地域の健康やジェンダーなどに対する意識を改革する必要性を感じました。また、そこに暮らす人々の「想い」を感じ、今後何に対して最大限のモチベーションを発揮しそれがどのような形で国の発展に繋がっていくのかという道筋(=東ティモールの未来)を想像できたと思います。(4年 上田 ちひろ)参加学生の声 岩手県下閉伊郡田野畑村という人口3,000人ほどの村に行きました。東日本大震災から5年が経った村の未来について真剣に考えていらっしゃる方々の話を聞くのはとても貴重な経験でした。 まず事前に、田野畑村について調べ、村の抱える真の問題を見つけるためのアンケートを作成しました。どのようなヒアリングの項目を設ければ聞きたいことが引き出せるかをゼミ内のチームで話し合いました。 実際に社会問題を抱えて困っている方にヒアリングをするので、わずかな言葉のニュアンスの違いで不快感を与えてしまいかねず発言にはかなり気を遣いました。質問するにあたってしっかりと事前に知識を頭に入れておかないと相手の抱えている問題に対して浅い理解しかできないので、事前の学習が大事だと思います。 また、市販の書物では編纂する過程で省略されてしまうであろう当事者の語る言葉の細かいニュアンスまで知ることができたのは貴重であったと思います。 村の未来のために何ができるのかを各世代の考えを伺って、それぞれの悩みをどうすり合わせていくのかなども今後大事になるのではないかと思いました。(4年 藤田 塁)教授 早田 宰教授 山田 満国際現場へのゲートウェイ課題を抱えた地域と伴走しながら問題を解決する

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