スポーツ科学部
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 スポーツ科学学術院は、スポーツ科学部(2003年設置)、大学院スポーツ科学研究科、スポーツ科学研究センター(ともに2006年設置)から構成されています。早稲田大学の中では歴史の浅い学術院ですが、その源流は、第18回夏季オリンピック東京大会の開催年である1964年に設置された教育学部教育学科体育学専修にあります。そして体育学専修を発展させ、1987年に設置された人間科学部スポーツ科学科を経て今日に至ります。 早稲田大学はその創立以来、絶えず日本のスポーツ界をリードしてきました。1903年には早くも野球の早慶戦が開催されています。1928年、日本人として初めてオリンピックで金メダルを獲得したのは当時早稲田大学の学生であった陸上競技三段跳の織田幹雄選手でした。また、テニス界では知らない人がいないともいわれる「この一球」の名文は、早稲田大学庭球部OBの福田雅之助氏によるものです。このように、わが国のスポーツ史において、重要な役割を早稲田大学とその関係者が担った例は、枚挙にいとまがありません。近年においても、様々なスポーツ種目において、国内はもちろん、オリンピック・パラリンピックや世界選手権、ワールドカップといった世界的な競技会で早稲田大学の学生や校友が活躍しています。 こうした豊かなスポーツ文化をもつ早稲田大学において、スポーツ科学学術院はわが国の、あるいは国際的にもスポーツとスポーツ科学の教育・研究をこれまで以上にリードしていかなければなりません。 スポーツ科学学術院は、スポーツ科学部で7つのコースを、また大学院スポーツ科学研究科で5つの研究領域を設定し、スポーツそれ自体や、それによって生じる様々な事象に関する教育と研究を実践する場です。そして、こうした教育・研究活動を通して、「スポーツの価値を高め、広める」ことをミッションとしています。 スポーツは、エリートアスリートが集うオリンピック・パラリンピックやワールドカップにみられるような熱狂を生み出すことはもちろん、人々の健康に大きく寄与する存在としても今や私たちの生活になくてはならないものとなっています。2019年のラグビーワールドカップ東京大会、2021年のワールドマスターズゲームズ関西大会、そしてオリンピック・パラリンピック東京大会は、スポーツに対する日本人の意識をさらに変化させる大きな機会となるでしょう。今まさにスポーツの価値をより高め、広めることが私たちに求められているのです。 スポーツ科学学術院は、スポーツの実践とスポーツ科学の探究に没頭し、国内外に「スポーツの価値を高め、広める」一翼を担おうという強い意思をもった皆さんを待っています。Jun Tsuchiya土屋 純スポーツ科学部長スポーツ科学学術院長3つのニーズ社会的ニーズSocial NeedsスポーツニーズSport NeedsアカデミックニーズAcademic Needs高齢化・少子化など社会構造の変化が進む中、スポーツ科学のニーズは高まっています。健康増進の観点からの中高年齢者のスポーツ振興やスポーツ関連ビジネスをマネジメントできる人材、スポーツ教育カリキュラムの開発を担う高度な知識と実践力を有した教員を養成していきます。トップレベルの選手を育成できる人材は、国際競技向上のために必須です。また、競技スポーツや生涯スポーツなどのさまざまな場面で、障がいの管理やコンディショニングなどのハイレベルな知識をもった指導者やトレーナーが求められています。スポーツ科学の可能性が広がる昨今、スポーツのあり方を適切に提言できる研究者が求められています。そのために、スポーツというテーマを通して、生理学、生化学、栄養学といった自然科学系の学問から社会学、歴史学、教育学などの人文・社会科学系の方法など幅広い学問領域を総合的・学際的に学んだ人材を輩出していきます。02健康スポーツコース健康づくりを通じて豊かな社会を実現する能力を身につけるスポーツ教育コース教員を含め多彩な場面でのスポーツ指導者としての能力を身につけるスポーツ医科学コーススポーツでの自然科学領域の知識を深め身体運動の意義を探るスポーツコーチングコーススポーツスキルを向上させるための技術的・理論的背景を学ぶスポーツ文化コース現代社会におけるスポーツのあり方について学ぶスポーツビジネスコース多彩なスポーツビジネスの場で活躍する能力を身につけるトレーナーコース競技者のみならずあらゆる年齢層の健康体力づくりのサポートについて学ぶスポーツ科学部選べる7つのコーススポーツの実践とスポーツ科学の探究に没頭し、「スポーツの価値を高め、広める」本ガイドブックに登場する人物の学年、所属、職位などは、特に注記がない限り2019年度取材当時のものです。

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