理工学術院
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 アーリーバードプログラムで博士課程の学生や研究者と横のつながりが持てることはとても有益だと感じています。情報共有や意見交換から新たな発見が得られ、自身の研究に役立てられるほか、それぞれの分野でがんばっている仲間の姿が励みにもなっています。研究活動を支える環境として、理工学術院の良いところは?研究の道に進んだきっかけは?学生生活の学びの中で一番印象に残っていることは?今後の目標は何ですか? 修士1年の秋に、IAEA(国際原子力機関)のインターンシップに2カ月間参加したことです。核データ課という部署で、IAEAが保有する核データベースの改善に携わりました。世界各国の有識者が集まる環境で多くの刺激を受け、自身も同じフィールドに立って活躍したいと感じたことが、博士課程に進むきっかけとなったように感じています。 原子力のフィールドは機械工学を学んできた人が多い中、私は物理学からこの道に進んでいるため、物理現象への直感や、物理現象を扱う経験が強みだと思っています。この知見を武器に、福島第一原発の廃炉問題にとどまらず次世代の原発の設計計画にも携わるなど、原子力分野を通して社会貢献ができる研究者を目指します。 中学2年生の時、日本人研究者3名がノーベル物理学賞を受賞したことに影響を受け、数式を使って自然問題を解明できる物理学に興味を持ちました。物理学科に進んで得た知識を、基礎物理寄りの現象である原子力分野に生かして社会に貢献したいという思いから、原子力の研究を専攻しました。研究テーマ:数値流体解析を用いた燃料デブリのシミュレーション福島第一原子力発電所の廃炉作業において、溶けた燃料と原子炉の構造物が混ざって冷え固まった「燃料デブリ」を安全に取り出すために、格納容器底部に溜まった燃料デブリの状態をコンピュータを用いてシミュレーションしています。福島第一原発の廃炉に少しでも役立てることにやりがいを感じています。培った知見や経験を生かして社会に貢献したい先進理工学研究科共同原子力専攻博士後期課程1年福田 貴斉さん千葉県立船橋高校/先進理工学部物理学科卒業学部生の4年間は学問の基礎を徹底的に学べる最も良質な時間。ぜひ理工学術院の充実した環境を十二分に使って学んでほしいです!未来の学生へのメッセージJ-23

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