理工学術院
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13ではの力を生かせる化粧品メーカーに入社しました。関根 入社してからは、主に基礎研究を行う部署で、水と油を乳化させる技術を研究してきました。これはコロイド・界面科学が関係する分野です。最初に商品化できた研究は、「マルチプルエマルション」という新しい乳化技術で、肌に塗っている間に急にのびが軽くなり、しばらく塗っていると今度はのびが重くなりこくが出る、という2段階の感触変化が感じられるマッサージクリームとして発売されました。基礎研究からスムーズに商品化されることはまれで、せっかく研究したのに日の目を見ないこともある一方で、15年も前の研究が一気に商品化に向けて動き出したりもします。研究する時は「絶対これを商品にするんだ」と考えていますが、その思いが形になるまでは根気がいる仕事です。田中 そんなに長い間、研究を続けられるモチベーションは何でしょうか。関根 やっぱり、学生時代と同じように研究が楽しいからですね。もちろん失敗も多いし、大変な仕事ではあるけれど、楽しいから頑張ろうと思えるんです。皆さんは今、頑張っていることはありますか?住田 関根さんの学生時代と同じで、私は今、研究室での学びに集中しています。研究室に入ると専門性が一気に高まるので、自分の知識が足りないと痛感して勉強しているところです。鈴木 私はこれまで勉強に一生懸命になっていた反面、早稲田大学らしい課外活動をあまりしていなかったことに気づきました。そこで野球部やラグビー部の試合の観戦や、アルバイトにも挑戦しています。もちろん勉強は大切ですが、早稲田だから、大学生だからこそできる経験が、このキャンパス内外にはたくさんあると思っています。田中 私は、大学の直営寮の寮長として寮運営を頑張っています。近年、外国人留学生の寮生が増えてきたので、日本人学生との交流を図るためのイベントも理工学術院のここがいいところ本当の仲間ができる住田 「理工の学生は実験や研究が多くて大変そう」とよく言われますが、その分、繰り返し会う仲間とはすぐに仲良くなれます。私はそこが理工のいいところだと思います。関根 研究室のメンバーとは、当時家族よりはるかに長い時間を一緒に過ごしていますよね。研究室にはほぼ毎日来ていたので、食事も勉強も、月一の研究報告会の打ち上げも一緒で、本当に苦楽を共にしました。落ち着いた雰囲気田中 授業や研究で毎日を過ごすせいか、西早稲田キャンパスがホームなんだと感じますね。雰囲気が落ち着いているので、キャンパスに来ると「帰ってきた」という気がします。関根 その落ち着いた雰囲気は、昔から変わりませんね。一方で、今は授業のためにノートPCを持ち歩く学生が多いと聞いて、時代が違うなと感じます。私の学生時代には、デスクトップ型PCを担いでいる学生もいましたから(笑)。キャンパスの進化関根 地下鉄西早稲田駅ができてアクセスが良くなったり、中庭がすごくきれいになったりと、キャンパスはどんどん進化していますね。女子学生の増加に対応して、建物の各階に女子トイレがあるのにも驚きました。鈴木 多様な学生が集まるのに合わせて、今のキャンパスが出来上がっているんだと思います。さまざまな設備を目的に合わせて自由に利用し、のびのびと過ごせる環境も強みだと思います。楽しいからこそ一生懸命になれるProfile埼玉県出身。社会現象を数理モデル化する応用数理を研究する。数理の考え方を生かして、企業で活躍するのが目標。田中 大地さん

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