文学部シラバス2021
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ですが、だからこそ、デジタルテクノロジーとネットワーク化を軸とした20世紀末以降の社会構造の変化は、アクセスポイントとしての書店の存在にもさまざまな影響を及ぼしています。近景では産業としてのその存立要素や経済構造の変質、遠景においては存在の本質の問い直しや未来について、現在の書店文化はそれぞれを捉え直す契機に直面していると言えます。“書店・本屋、さらには本を旧来の情報伝達メディアと位置づけるとき、そこにはどのような変化が求められるのか”“人々の知識や情報への態度の変化は書店の店頭風景をどのように変えてきたのか”等々。この講義では、たんなる一産業としてにとどまらず、強い影響を近代に与えた書店文化を、俯瞰とクローズアップ、過去から未来へ、など複数の視点で立体的に観察してゆくことを目的としています。抗議は、業界新聞のジャーナリストとして同時代の書店および周辺産業を観察してきた星野渉(文化通信編集長)、80〜90年代の書店文化を築いた大手書店を出発点に、現在は象徴的な小規模書店を運営しつつ書店の枠にとらわれない取り組みをつづける生粋の書店人・笈入建志(往来堂書店)、ブック・ディレクターという職業を開拓して人と本との関係を考え続ける幅允孝(BACH代表)、以上3名が連続して、また、コーディネイターの市川が初回オリエンテーションと最終回のまとめおよび途中1回、分担して行います。※原則として教室で授業を行いますが、最大で5回程度、オンライン授業を併用する場合があります。オンラインで行う回については、講義内およびアナウンスメント等で告知します。授業の到達目標大きな過渡期にある本と書店の状況を様々な角度から学び、そのなかでも行われている新たな試みや過去の書店文化の歴史などから、現在の状況を把握するとともに今後の展望を考えてゆく。成績評価方法レポートと出席で評価をおこないます。学期末に4名の講師の出題するレポートのいずれかを選択して提出してください。備考・関連URL※原則として教室で授業を行いますが、最大で5回程度、オンラインを併用する場合があります。レポートの提出方法、テーマ等については、教場やmoodleで伝達します。科目名現代人間論系総合講座1担当者名宮田裕光他/阿比留久美/石田光規/大久保孝治/岡部耕典/小塩真司/草野慶子/小村優太/酒井貴広/清水由紀/御子柴善之/村松聡人間2単位秋学期無フルOD1年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要文化構想学部現代人間論系は、人間に対する多面的なアプローチを通じて、現代社会の諸問題に立ち向かうたくましい叡知を備えた人材を育てることを目的としている。現代人間論系総合講座1では、現代を生きる人間を対象として多彩な学問を探求している各教員が、それぞれの問題関心をもとに講義を行う。現代人間論系は、多様性を生きる人間論プログラム、関係を生きる人間論プログラム、発達を生きる人間論プログラム、心身を生きる人間論プログラムの4プログラムで構成されている。これらのプログラムに所属する各教員および講師による講義を各回に行う。本講座は、全回フルオンデマンド授業として実施する。本講座は、主として現代人間論系論系への進級を検討している1年生を対象として、導入的内容とし、論系選択に向けた理解を深める場とすることを意図している。そのため、現代人間論系への進級を考えている1年生はぜひ履修してほしい。また、現代人間論系および他論系に所属する2年生以上の学生の履修も歓迎する。授業の到達目標・現代を生きる人間をテーマとした学問的探究について、多方面から学び理解を深める。・現代人間論系の全体像を把握し、より幅広い観点から人間という存在の理解を深める。成績評価方法試験0%実施しないレポート70%2つのプログラムの教員を選択し、テーマに沿った最終レポートを2つ作成する。各教員の講義に基づいて論題を設定し、論拠・根拠に基づいて適切に論が展開していることを評価の対象とする。平常点30%リアクションペーパーによる小レポートを課す。その他0%なし備考・関連URL本授業は、すべてWasedaMoodle上でフルオンデマンドで実施します。授業形態の詳細は、開講前にWasedaMoodleから履修者の方に周知します。レポート課題や提出期日などの必要事項もすべてWasedaMoodleにより伝達するので、WasedaMoodleの本授業の箇所、およびアナウンスメント内容等の確認を怠らないようにしてください。現代人間論系HP:http:www.waseda.jpgendainingen科目名宗教思想担当者名小村優太人間2単位春学期無フルOD1年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要この講義では、宗教にかんして人間がこれまでおこなってきた思索を全般的に考察する。授業は複数回のテーマで構成されており、それぞれ超越、聖典、人間、社会、科学となっている。講義では特定の宗教に限定することなく、各回のテーマに合った内容を幅広く取り扱い、個々の断片的な事例に留まらない、綜合的な理解を目指す。この講義では、必ずしも世界の様々な哲学・宗教に親しんでいない受講者を想定しているので、事前の教科書的な知識は要求されない。むしろ問いそのものに触れて、それを当時の人たちと同じく考えてみる知的態度のみが要求される。授業の到達目標・現代に生きる我々と宗教の関係を理解する。・宗教の概念を多角的に理解し、それを我々自身の問題として捉えなおす。講義―99―

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