文学部シラバス2021
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平常点30%出席状況を見る。その他0%0科目名メディア論2メディアの現代的展開担当者名長谷正人他/岡室美奈子/チェンドミニク/藤本一勇表象2単位秋学期無フルOD1年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要この講義は、メディア論プログラムへの入門編として、表象・メディア論系の教員4名が交替でそれぞれの専門分野からメディアをめぐる諸問題について概説する。メディアという言葉から、たとえばマス・メディアが連想されるかもしれない。が、メディアとはメッセージや情報の伝達媒体であるとともに、知識や感情を共有する手段でもあリ、その意味では、書物、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、映画、マンガ、インターネット、携帯電話、iPod等はもちろん、人間の身体もまたメディアであると言える。(実際、メディアの単数形メディウムには、死者の言葉を伝達する霊媒という意味もある。)したがって、メディア論の研究対象はきわめて広く多種多様である。この講義では、身体、テクノロジー、オカルティズムなど多角的な視点から、私たちを取り巻くさまざまなメディアのありようについて考察する。対象とするのは、テレビ、映画、演劇、文学、音楽、アニメ、メディアアート、CG、ロボット、ヴァーチャル・リアリティ、人工知能、写真、地図、広告、落書きなど、私たちを取り巻くさまざまなメディアとその周辺の事象である。講義の内容は、当然、表象・メディア論系の身体論プログラム、イメージ論プログラムと密接な関わりを持つことになるだろう。メディア論2では、メディアのリアルとは何か、メディアのポリティックスおよびメディアの現在と、それを取り巻く社会などについて考察する。授業の到達目標メディアの現代的展開を理解すること成績評価方法試験70%授業の理解度を問うレポート0%0平常点30%出席点その他0%0科目名メディアの思想と倫理1メディアのエロスとホラー担当者名藤本一勇表象2単位春学期木曜日2時限2年以上―合併科目―授業概要新しいメディアが登場すると、いつの時代もエロスとホラーに結びつけて批判されてきた。写真を撮られると魂が吸い取られるとか、電話は不純異性交遊を助長するとかいった具体に。なぜ人々は新メディアに恐れを抱き、また萌えるのか。メディアのどのような本質がエロスやホラーと結びつくのか。本講義では、メディアにまつわるエロティシズムとホラーの問題を、歴史や現代における多種多様な文化現象(作品)・社会現象を題材にして考察・分析し、メディアとエロス・ホラーとの本質的な関係性を明らかにする。*対面方式での講義を予定していますが、Covid-19の状況によってはオンラインもしくはオンライン併用になります。授業の到達目標メディアの根本構造を理解し、メディアと欲望や恐怖との関係について領域横断的な知識を身につける。成績評価方法登録者数によって変わる。40名以内ならばレポート、それ以上なら理解度の確認の試験(Covid-19の状況によっては試験ができないので、その場合はレポート)。出席点は参考程度。詳しくは最初の回で説明する。科目名メディアの思想と倫理2ヴァーチャル・リアリティの哲学担当者名藤本一勇表象2単位秋学期木曜日2時限2年以上―合併科目―授業概要ヴァーチャル・リアリティとは、コンピューターが生成するいわゆる仮想現実だけではない!言語や社会、国家や貨幣、さらに言えば心でさえヴァーチャル・リアリティとみなすことができる。それらはいわば伝統的なヴァーチャル・リアリティであり、それらはフィクションでありながらも歴史的に人間を大きく拘束してきた。今日コンピューターが生成する仮想現実が問題になるとすれば、それはこうした伝統的なヴァーチャル・リアリティに電脳的なヴァーチャル・リアリティが加わってきて、その布置を変えようとしているからである。今日生じているのはヴァーチャル・リアリティの再編なのだ。本講義では、人間とはヴァーチャル・リアリティによって生きる動物である(アリストテレスのロゴスを持った動物という人間定義をもじって言えば)という見立てにもとづいて、人間と機械と宇宙のネットワークが織りなすヴァーチャル・リアリティの世界の根源性と奥深さを探究する。そのとき、生命や社会、人間や個は、物理法則に抵抗する特異点として、その価値を主張することになるだろう。ヴァーチャル・リアリティの言葉と概念を拡張することによって、物理宇宙から生命、心から社会・文化までをも貫く巨大なパースペクティブを構築することを目指す。*対面での講義を予定していますが、Covid-19の状況によってはオンラインもしくはオンライン併用になります。授業の到達目標ヴァーチャル存在としての人間の可能性を、政治や経済、心や社会、文化や思想といった多層的な水準で理解すること。講義―67―

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