文学部シラバス2021
53/516

授業の到達目標・言語の探求を通じて、科学とは何かを理解すること・言語学の目指しているものについて理解できること・言語の記述の様々なあり方を知ること・人間と言語の関係を自分のものとして考えることができること・言語学の諸理論のあらましについて理解できること・構造あるいは体系について理解できること・言語学の発展を通して、ある探求分野がどのように生まれ、発展してきたかを知ること成績評価方法試験100%理解度の確認。講義の内容の範囲で、言語学のなしてきたことを整理し、言語学の目指すものを理解できているかどうか。一般の定期試験と同じ準備と態度で臨むこと。レポート0%備考参照平常点0%備考参照その他0%特になし。備考・関連URL[本科目は早稲田キャンパスで実施する可能性があります]履修者の数が20人を切った場合には、ゼミ形式に近い形で行います。それ以上の場合は、講義形式になります。ゼミ形式の場合は、評価の方法も変ります。また、教科書を指定するかもしれません。どの形式で講座を行うかは、初回の講義で履修者の状況を見、調整を行います。ゼミ形式、講義形式ともに、学生諸君の積極的な関わりを期待します。講義形式の場合も出席をとりますが、それは単位を保証するものではなく、主たる目的は諸君の自己管理のためなので、過大に考えないように。ただし、欠席超過者には、単位は与えられません。これも、試験、レポート等の評価方法とともに第1回講義で解説します。本講座は、基本的に対面で行われますが、新型コロナウィルスの感染状況への対応に関しては、大学また担当者からの指示を注視していてください。科目名ヨーロッパのことばと文化担当者名酒井智宏複合2単位秋学期火曜日5時限1年以上―合併科目―授業概要印欧比較言語学の方法論に基づき、さまざまな時代のさまざまな言語のデータを丁寧に分析することを通じて、今日の日本人の思考が無意識のうちに時間的にも地理的にも遠く隔たったヨーロッパのことばと文化の影響を受けていることを論じます。たとえば、英語はラテン語から派生した言語であるという定番の誤解が生じるのはなぜでしょうか。toothteethの形容詞形がdentalで元の名詞と似ていないのはなぜでしょうか。名詞にsをつけると複数形になる気がするのはなぜでしょうか。チャイルドの複数形がチャイルドレンではなくチルドレンであるのはなぜでしょうか。フランス語のマンション名が洗練されている感じがするのはなぜでしょうか。こうしたことを理解するためには、印欧比較言語学の厳密な思考法をふまえつつ、ノルマン征服以降の仏語圏と英語圏の関係、絶対王政期以降のフランスの国際的地位、言語政策など、言語(学)の外にある要因をも理解する必要があります。このように、現在の日本との見えないつながりという観点からヨーロッパのことばと文化を捉えなおしていきます。授業の到達目標1.ヨーロッパの言語のあいだの系統的な関係を理解する。2.ヨーロッパの言語のあいだの文化的な関係を理解する。3.ヨーロッパのことばと文化を現在の日本との関係で捉えられるようになる。成績評価方法試験70%第15回の授業時間中に理解度の確認を行います。レポート0%平常点30%毎回、課題の解答をWasedaMoodleのレビューシートに記入していただきます。その他0%備考・関連URL1.この講義で扱う言語は時代的にも地理的にも広範囲にわたりますが、受講にあたって(大学受験程度の)現代英語以外の知識は必要ありません。この講義で扱われる言語の例:ヒッタイト語、トカラ語A・B、古ノルド語、現代アイスランド語、スウェーデン語、ノルウェー語、ドイツ語、古英語、中英語、古教会スラヴ語、ロシア語、ポーランド語、ラテン語、スペイン語、イタリア語、フランス語。これらの言語のデータと丹念に向き合い、各言語がたどった変化を追跡します。2.この講義では、言語文化の歴史的(通時的)考察に重点を置き、理論言語学的(共時的)考察は最小限にとどめます。理論言語学的(共時的)考察に関心のある方は、春学期開講フランス語学概論などをあわせて履修するとよいでしょう。3.言語学は突き詰めて考えることにより少しずつ面白さがわかってくる学問分野です。結論を急がず、粘り強く、論理的に一歩一歩思考を進める楽しさ、思考の途中式を丁寧に書き出すことの重要性をこの講義で身につけていただきたいと思います。科目名世界の言語と日本語言語類型論からみた日本語担当者名吉田健二複合2単位春学期木曜日3時限1年以上―合併科目4授業概要言語類型論(LinguisticTypology)は,世界の言語の特徴をできるかぎりひろくしらべ、ヒトの言語にとって普遍的な要素は何か(あるいはそもそも,普遍的な要素はあるのか)、逆に、言語はどこまで多様にことなりうるのかなどの問題を探求する研究分野です。この授業では、タイトルが示すとおり、世界の言語の類型論的な傾向にてらしたときの日本語の位置・特徴を考察し、ひるがえって、日本語研究によってえられる知見が、世界言語の類型論的研究にどのような洞察をもたらすかも検討します。授業で利用するテキストは、ドイツのMax-Planck研究所が開発・管理するWorldAtlasofLanguageStructure(WALS)講義―56―

元のページ  ../index.html#53

このブックを見る