文学部シラバス2021
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科目名日本史演習8B(近世)幕末期の軍事をめぐる思想―吉田松陰を事例に担当者名谷口眞子日史コース2単位秋学期月曜日5時限3年以上―――授業概要幕末に活躍した思想家はさまざまな考え方、意見を持っていた。この授業では、山鹿流兵学の師範でもあり、安政の大獄で刑死した吉田松陰(1830〜1859)をとりあげる。1回目の発表では、吉田松陰の伝記、思想全般、松下村塾での教育、松陰研究の歴史、の4グループに分ける。グループごとに関連文献をリストアップし、主たる文献について要約・コメントをして疑問点を提示する。2回目の発表は、グループをさらに2つに分けて、個人報告をしてもらう。自らの疑問点を解決するために関連文献を読み、史料を探索し、語句・人名・地名などを調べ、オリジナルな考察を発表する。それを元にレポートを作成し、最終回の授業で提出する。授業の到達目標歴史研究は史料に書かれていることを正確に解釈し、その内容を他の史料と比較検討し、過去の歴史を再構成して現代的課題にも応えていくことを旨としている。本演習の目標は、特定のテーマに関する関連文献の調査や研究史整理の方法を身につけ、史料の読解・解釈力、疑問点や論点を提示して討論する力を養い、卒業論文作成に向けて基礎固めをするところにある。成績評価方法試験0%レポート50%吉田松陰が軍事、防衛、天皇についてどのように考えていたのか、各自テーマを設定し、従来の研究の問題点を指摘した上で、新たな知見を得る史料を提示し、3600字〜4000字でレポートを作成。平常点50%出席点と報告の評点その他0%備考・関連URL出席10回未満の者は特別な理由がない限り、成績にかかわらず単位を与えない。なお、本演習は卒論作成のための文献調査や研究史整理の方法などの演習も兼ねているので、必ず第1回目の授業から欠かさず出席すること。授業の構成や進度は、受講者数によってずれることがある。科目名日本史演習9A(近現代)スポーツからみる近現代の日本担当者名鶴見太郎日史コース2単位春学期木曜日3時限3年以上―――授業概要こと近代日本に限って見た場合、日本の運動競技とは、ヨーロッパのスポーツをいかに受容するかを重要課題としていた。そのことは、単に練習方法だけにとどまらず、身体の作り方、教育プログラム、精神の在り方といった、多岐にわたる尺度がスポーツを媒介にして近代の日本にもたらされることを意味していた。その結果、スポーツとは文明化の指標としても機能することとなったほか、対外意識、ナショナリズムにも連なる可能性を秘めていた。演習ではこれらのことを前提としながら、履修者の人たちが個々に持っているスポーツへの興味、経験に即して、近代日本におけるスポーツの機能、意味について考察していく。今夏の東京オリンピック開催の有無は別として、そこで展開される(予定の)運動競技の歴史的な意味について、これを機会に考えることは、まさに時宜を得たものといえる。なお、本授業は対面式で行うことを予定としている。授業の到達目標近代日本の運動競技がどのように成立し、展開をとげたのか、一定の視座を持つ。成績評価方法試験0%特に行わない。レポート60%レポートに平常点を加味する。平常点40%レポートに平常点を加味する。その他0%特に行わない。科目名日本史演習9B(近現代)災害時の歴史学担当者名鶴見太郎日史コース2単位秋学期木曜日3時限3年以上―――授業概要災害が起こった時、人は何に価値を置き、何を恐れ、そしてどのように行動するのか。1923(大正12)年9月の関東大震災は多くの事例と教訓を示す素材である。この演習では、当時の資料として、日記、書簡、覚書などを基礎に、同時代の日本人が示した思想像、行動形態を探っていく。授業の構成としては、まず、1)活字として翻刻された同時代の記録を読むことから入って、2)次に未公刊の日記(簡単なくずし字)を輪読しながら震災時の東京及びその周辺地域の実情を史料的に把握し、3)最終的に関東大震災をめぐる任意のテーマで各自のレポートを提出、という予定である。なお、本授業は対面式のものを予定している。授業の到達目標関東大震災時の資料を吟味して、広く災害が起こった時、人はどんな情報の取捨選択を行い、行動の際、どんな判断基準を設けるのか、考察を深める。成績評価方法試験0%特に行わない。レポート60%レポートに平常点を加味する。平常点40%レポートに平常点を加味する。その他0%特に行わない。専門演習―497―

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