文学部シラバス2021
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科目名美術史演習4B(日本美術)絵巻研究の論点と方法担当者名山本聡美美史コース2単位春学期月曜日4時限3年以上―――授業概要絵巻研究を通じて、日本美術史の方法や論点を学ぶ。まず、絵巻読解の基本的技能としてくずし字(変体がな)の基本を学ぶ。その上で、中世を通じたやまと絵様式の継承という論点に焦点をあて、関連する論文を講読する。先行研究を精読することで、絵画様式の分析、図像の読解、制作背景に関する文献的考察など、美術史研究の基盤となる方法論への理解を深める。以上の内容を踏まえて学期の途中でレポートを提出し、レポート内容を踏まえて、数人の発表者による口頭発表を行う。タイトなスケジュールで、絵巻読解・学術論文の講読・自らのテーマに基づく発表、という次元の異なる作業に取り組むことになるので、集中力を持って取り組むことが不可欠である。授業の到達目標くずし字の構造を理解し、基本的な文字が読めるようになる。絵巻研究の基礎文献を読解し、美術史研究の基盤となる方法論を理解する。自らのテーマに基づく研究に着手し、レポートを完成できる。成績評価方法試験30%試験内容はガイダンス時に指示する、60点以上を合格の目安とする。レポート30%第8回講義にて提出。平常点10%毎回コメントを提出する。その他30%翻刻課題、第5〜7回の講義で提出(合計3回)。科目名美術史演習5A(東洋美術)東洋美術史料の講読と理解−七大寺日記を中心にして−担当者名川瀬由照美史コース2単位春学期月曜日2時限3年以上―――授業概要七大寺日記とは平安時代後期、嘉承元年(1106)の秋に大江親通なる学生(がくしょう)が奈良の七つの寺院を巡礼したときの記録とされる。当時の寺院の仏像や建築などを書きとどめており、作品の伝来や安置状況を知ることができ、かつ現在残る建築や美術工芸品と比較しうる重要な史料である。仏像等の形状や材質、由来など記録しているのでそこから制作当初や、この頃の状況を復元的に検討することもできる。現在も存続する奈良の主要寺院の当時と現在、さらにはさかのぼって創立当初を考察する上にも本史料は基本文献である。本史料を読み込み、美術史にとって文献の理解を深めるために、各自事前に授業範囲の課題を作成、提出して授業に臨むもらう。授業では当該箇所を解説、検討していく。[遠隔授業実施の場合は、オンデマンド型(WebClass)でおこなう]授業の到達目標・美術史料の読解を通して古代美術の作品の制作事情を理解する。また当時の状況や人々が美術工芸品をどのように見ていたか考えられるようになる。・原典講読を通して、古文書や古記録の読解方法を習得し、実践的な美術史の見方を身につける。・研究資料を分析するための基礎知識や学術情報を身につける。成績評価方法試験30%最終日に行う理解度の確認における評価。七大寺日記全文の中から問題を設定し、解答する。レポート0%行わない。平常点70%各回の課題提出の評価(40%)と、授業参加(30%)によって評価する。出席重視。課題の内容によって評価の高低をつける。その他0%行わない。備考・関連URL美術史研究の基本は作品を実際に観て記述し、考察することです。美術史コースでは毎年3年生になると6月に奈良研修旅行の行事があります。参加するしないは評価に関わりませんが研修旅行で見学する場所を優先して演習内容を配分します。できるだけ研修に参加して実際の作品と文献史料の内容を対照して当時の状況を想像して下さい。漢文講読は慣れない作業かと思いますが徒労に終わらぬよう配慮しながら進めます。[遠隔授業になった場合、教員との連絡・相談方法は初回の授業でお知らせいたします]科目名美術史演習5B(東洋美術)東洋美術史料の講読と理解−七大寺日記を中心にして−担当者名川瀬由照美史コース2単位秋学期月曜日2時限3年以上―――授業概要七大寺日記とは平安時代後期、嘉承元年(1106)の秋に大江親通なる学生(がくしょう)が奈良の七つの寺院を巡礼したときの記録とされる。当時の寺院の仏像や建築などを書きとどめており、作品の伝来や安置状況を知ることができ、かつ現在残る建築や美術工芸品と比較しうる重要な史料である。仏像等の形状や材質、由来など記録しているのでそこから制作当初や、この頃の状況を復元的に検討することもできる。現在も存続する奈良の主要寺院の当時と現在、さらにはさかのぼって創立当初を考察する上にも本史料は基本文献である。本史料を読み込み、美術史にとって文献の理解を深めるために、各自事前に授業範囲の課題を作成、提出して授業に臨むもらう。授業では当該箇所を解説、検討していく。[遠隔授業実施の場合は、オンデマンド型(WebClass)でおこなう]専門演習―489―

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