文学部シラバス2021
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科目名演劇映像演習7(西洋演劇・テクスト研究)現代イギリス演劇担当者名關智子演映コース2単位秋学期水曜日4時限2年以上―――授業概要現在、ロンドンで注目を集める作家アリス・バーチ(AliceBirch)による戯曲[空白]([BLANK],2018)を原著で読む。戯曲という文学形式の特異性について考察し、戯曲と上演に対する理解を深めることを目的とする。台詞に用いられている英文法や単語それ自体は難しいものではないが、極めて日常的な対話であるためにスラングが散見され、加えて指示代名詞が意味するものが明確でないなど、翻訳が難しいケースが散見される。その点を含め、テキストについてディスカッションを行う。割り当てられたページを担当者が翻訳し、解説を行う形式を採る。授業の到達目標・英語の戯曲を原著で読むことに慣れ、また日本語の劇的言語に置き換えた際にどのような言葉が適切かを考察できるようになる。・戯曲という文学形式についての理解を深める。・現代演劇における戯曲と上演の関係性について考察する。成績評価方法課題60%、授業内評価40%で評価します。課題、授業内評価の基準については初回授業で詳細に説明するため、必ず初回授業に出席してください。備考・関連URLオンライン授業への移行に伴い、本授業は原則Zoomでのリアルタイム形式の授業へと変更する。参加方法についてはMoodleでの告知となるため、毎週授業前に確認すること。科目名演劇映像演習8(映像とメディア)映像メディアを読み解く〜メディア・リテラシーのアプローチから担当者名高橋恭子演映コース2単位秋学期木曜日2時限2年以上―――授業概要権力を掌握する人物が根拠のない発言をする、自己の主張に合わない意見を退ける、多様な価値観を認めないなど閉塞的な状況が世界中で見られ、真実が犠牲になるポスト真実の時代といわれている。かつて、権威あるメディアがニュースのゲート・キーパー(門番)として、出来事を発見し、解釈し、発信していたが、テクノロジ―の発達により情報発信が加速化し、錯綜する現代においては、何が真実で何が真実でないかの判断は私たちひとりひとりが判断し、ゲートキーパー役を担う必要がある。真偽を見定めるだけでなく、なぜ、そのように主張され、構成されているか見えない部分を考察するメディア・リテラシーは今、再び、複雑化した社会を生き抜く力として求められている。本演習では、クリティカル(批判的)に読み解くメディア・リテラシーのアプローチによってドキュメンタリー映画を中心に映像メディアを考察する。授業は講義とワークショップを組み合わせる。ワークショップでは、グループによる分析、討論、発表という一連の活動をする。授業の到達目標1.映像メディアの分析を通して、メディアが提示する現実と私たちのものの見方との関係を意識化し、メディア・コンテンツを批判的に評価するスキルを身に付ける。2.自己表現としてオルタナティブな視点からメディアを作り出すクリエィティブな力を身に付ける。3.民主社会におけるメディアの役割と機能を理解する成績評価方法50%出席と授業の参加状況20%プレゼンテーション30%課題①ドキュメンタリー作品研究、②ドキュメンタリーの企画備考・関連URL授業形式はリアルタイムによるオンライン配信となります。科目名演劇映像演習9(日本演劇・能・浄瑠璃)平家・能・浄瑠璃―物語はいかにして演劇になるか担当者名原田真澄演映コース2単位春学期火曜日3時限3年以上―――授業概要人形浄瑠璃(文楽)は語り物の系譜につらなる古典芸能であり、語り物と演劇の両方の側面を持っている。地の文があり、叙事詩の体裁をもつ戯曲であるが、その内には親子の情愛や夫婦間の嫉妬とプライド、政治と人間性の問題など、現在にも通じるテーマが豊かな音楽性をもって綴られている。題材の面では、先行する平家や能などの芸能で語られた物語を貪欲に吸収し、そこに新たな葛藤を織り込んで鮮やかに演劇化しているのである。古典芸能は難解で敷居が高いと思うかもしれないが、演劇や日本文学に興味があれば、是非、一度は能や人形浄瑠璃の作品に触れ、演劇とは何か・日本文化にとっての劇文学とはなどについて思いをめぐらせてみてほしい。本演習では、物語はいかにして演劇になるかを副題とし、同題材を扱う能と人形浄瑠璃作品の比較を行うことで、能などの先行芸能で語られた物語を人形浄瑠璃がどのように演劇としているかについて考えて行きたい。まず、教員が人形浄瑠璃の歴史と課題作品について概観を述べた後、見本として発表を行う。その後、履修生(個人もしくはグループ)には教員が提示した課題作品、もしくは履修生が個人的に希望する作品・テーマについての発表を行ってもらい、全体でディスカッションを行う。基本的に源平物の能と人形浄瑠璃作品をメインに取り上げているが、扱う作品は講義期間中の劇場での上演演目や履修生の希望などで変更する場合がある。専門演習―482―

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