文学部シラバス2021
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科目名英文学演習8C(モダニズム)原文読解を通じてアメリカのモダニズム詩の世界を探る担当者名山内功一郎英文コース2単位秋学期木曜日3時限3年以上―――授業概要この授業では、モダニズムの詩的革新を推進したアメリカの詩人たちの代表作を原文で精読する。授業内で取り上げる詩人は、EzraPound,T.S.Eliot,WallaceStevens,WilliamCarlosWilliams,HartCrane等。この中でも特にPoundを分析対象の中心に据え、他のモダニズム詩人たちとの距離を測りながらモダニズム詩の展望を試みる。講義終盤ではPoundの次世代の詩人たちにも触れる。受講者の方々には丹念に英文を読解してもらうことになる。なお、この授業は演習科目でもあるので、受講者による文字通りの積極的な演習を促したい。受講者には、音読や和訳の披露などにも積極的に取り組んでもらう予定である。一方向的な授業というよりは、双方向的なディスカッションの機会も設けたいと考えている。授業の到達目標・作品と批評文の精読を通して、モダニズムとそれに影響を与えた古典の特徴について理解すること。・英語の原典を正確に読解する能力を身に着けること。・英文の批評を原文で読み解き、作品解釈に役立てる力を習得すること。・オリジナルな解釈を確立し、それを効果的に表現する文章能力を身に着けること。成績評価方法平常点50%、レポート50%。平常点は授業時に行う小テスト、レビューシートを含む。出席3分の2を必須とする。備考・関連URL*この授業は実施時間帯が固定されるので注意してください。履修者の皆さんには、毎週所定の時間帯に授業に参加してもらいます。*対面授業とオンライン授業(Zoom等)の併用によって授業を行う予定です[ただし状況に応じて変更の可能性あり]。*基本的に英文資料を原文で読解する授業です。日本語訳や要約などにも取り組んでもらいます。科目名英文学演習9A(ポストモダン)現代アメリカ文学の短編を読む担当者名都甲幸治英文コース2単位秋学期金曜日4時限3年以上―――授業概要現代のアメリカ文学は映画、テレビなどポップカルチャーとの混交や国境を越えて移動を続ける作家の急増など、新しい動きが出てきている。RichardFord,ed.TheNewGrantaBookoftheAmericanShortStory.GrantaBooks,2007.から選んだ作品を読みながら、同時代の文学を読むとはどういうことかを考えていきたい。授業の到達目標同時代のアメリカ文学を英語で味わい、国際的に共通するテーマについて考えられるようになる。成績評価方法レポート70%平常点30%科目名英文学演習9B(地域とネイション)ColmTóibínの長編小説Brooklynを読む担当者名栩木伸明英文コース2単位秋学期金曜日4時限3年以上―――授業概要小説家コルム・トビーン(1955-)は今、アイルランドで最も注目されている書き手のひとりである。短編もこなすが、出身地の田舎町エニスコーシーを舞台にした長編小説に特徴がある。この授業ではトビーンの長編第六作Brooklyn(2009年刊、映画化もされ、アカデミー賞にノミネートされた)をていねいに読み解いていきたい。この小説の主人公は、1950年代にエニスコーシーからブルックリンへ移民し、デパートに勤めながら夜学に通い、恋もする若い娘である。彼女の物語は個人の物語であるとともに、移民という経験を集約した物語としても読めるだろう。また、アイルランドとアメリカの文化的差異や戦後の時代背景などもこまやかに書き込まれているので、調べ甲斐もある。授業は受講者による発表形式でおこなう。担当者はプリントを用意し、全員に配布すること。プリントには、当たった部分のあらすじ紹介と抄訳(訳本を参考にしてもよいが、そのばあいでも、必ず自力訳をつけること)にくわえて、社会的・歴史的事情に関する解説(歴史や宗教事情、風潮や風俗などについて調べ、小説本文の解釈に結びつける努力が必要とされる)を載せること。なお、担当者以外の受講者も毎回きちんとテクストを読んできて、積極的に議論に参加することが期待される。授業の到達目標トビーンの英語は語彙や文法は平明である。とはいえ表現はニュアンスに富んでいて、行間の意味を読み取りながら進まないと深い理解にはたどりつけない。時代や社会的背景をふまえながら、小説本文の意味内容を理解する喜びを知ってもらいたい。さらに、原文にふさわしいスタイルと正確さをもつ日本語に移すことにも習熟してもらいたい。そうした読みの積み重ねは、日本語の文学作品を読むさいのスキル向上にも結びつくはずである。以上がこの授業の到達目標である。成績評価方法試験0%なしレポート50%オリジナルなリサーチペーパーとして内容、形式ともに整っているかどうかを評価する。平常点50%出席回数と授業への貢献度(口頭発表の内容や議論への参加度)を評価する。その他0%なし専門演習―467―

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