文学部シラバス2021
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科目名英文学演習7A(英語ジャーナリズム読解)文明の衝突と西洋文化の本質担当者名岡田俊之輔英文コース2単位春学期金曜日5時限3年以上―――授業概要昨今の文化論で御題目の如くに唱和される言葉はʻmulticulturalismʼ(多文化主義)、さもなくばその對極とも言へるʻglobal-ismʼ乃至ʻglobalizationʼ(世界規模化)であらうが、後者は歴史的には要するにʻwesternizationʼ(西洋化)、或はʻAmericanizationʼ(アメリカ化)でしかないし、一方、大方の知識人が理念的に稱讚して來た多文化主義とて、現實社會では今や失敗したとイギリスやドイツの首相たち自ら公式に發言せざるを得なくなつてゐるのが現状である。かういふ不毛な觀念論的文化論は閑人どもに任せておけば宜しい。文化の問題をまともに論ずる者は、たとひ西洋人であらうとも、決して西洋=普遍だなどと看做しはしない。西洋文化とは、あくまでも西洋をして西洋たらしむる限定的なものなのであり、世界の近代化に影響を及ぼした事は歴史の派生的な一面に過ぎぬ、大事なのは近代そのものよりも、寧ろ近代を産み出す母胎となつた、近代以前から在る文化的アイデンティティーのはうなのだ、と説くのである。勿論、安直な多元主義になびく事も無い。本演習に於ては、西洋文化を所謂ʻglobalstandardʼとしてではなく、西洋と呼ばれる地域に固有の土着的なものとして見る英米一流知識人の雜誌論文と放送原稿を精讀する。授業の到達目標重厚過ぎる學術論文でもなく、さりとて輕薄極まるマスコミ記事でもない、正にアカデミズムとジャーナリズムとが見事に融合した論説を讀み、主題に對する理解を深めると共に英語の讀解力を高める。成績評価方法試験0%レポート90%WasedaMoodleより提出平常点10%出席點等その他0%備考・関連URLサミュエル・ハンティングトンはアメリカの政治學者。上記の論文は、後にベストセラーとなる文明の衝突のエッセンスをまとめたもの。エリオットの論攷は第二次世界大戰後、ドイツに向けてBBCから放送された3囘に亙る連續講話の原稿。科目名英文学演習7B(児童文学)LittleLordFauntleroyとALittlePrincessを読む担当者名皆本智美英文コース2単位春学期金曜日5時限3年以上―――授業概要FrancesHodgsonBurnettのLittleLordFauntleroyとALittlePrincessを精読し、児童文学批評(入門)を学ぶ。授業で扱う作品は小公子小公女という題で翻訳され、古くから親しまれているが、本授業では英語の原文で読んでもらう。同じ作家による二つの作品を比較することによって、作家のジェンダー観等の問題についても考える。授業は発表形式で行う。担当者は授業中に指定された部分についての発表を準備すること。学期末には全員レポートを提出。授業の到達目標英語の語感を体感しながら、原書を通読し、内容を理解すること。児童文学について考察を深めること。成績評価方法試験0%0%レポート30%授業中にレポート課題を指示し、授業内容の理解度を中心に評価する。平常点70%発表をはじめとする授業への積極的な参加。その他0%0%備考・関連URL対面とリアルタイムのオンライン・ディスカッションを組み合わせる。詳細は授業中にアナウンスする。科目名英文学演習7C(翻訳ワークショップ)短篇や詩を訳してみる担当者名都甲幸治英文コース2単位春学期火曜日3時限3年以上―――授業概要翻訳に興味がある人は多いですが、実際にやってみた人は少ないのではないでしょうか。この翻訳ワークショップでは、マーガレット・アトウッドやリディア・デイヴィスなどによって書かれた英語の非常に短い短編や詩を実際に訳してみます。自分で実践してみることで、翻訳することの楽しみを実感できるでしょう。授業の到達目標英文を正確に読み、日本語訳を検討し、人に伝わる文章で再現できるようになる。成績評価方法レポート70%、平常点30%専門演習―465―

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