文学部シラバス2021
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て、複雑多様なこの時代特有の人間像と社会を映していると言える。この演習では、シェイクスピアの悲劇を取り上げ、悲劇とは何か(ジャンルとして)、どのような状態で観客・読み手は悲劇と感じるのか(当時の観客と現代の我々の違いは何かも含め)をさまざまな角度から考えてみたい。扱う作品は、シェイクスピアの悲劇の中でもよく知られたロミオとジュリエットハムレットオセローリア王マクベスを考えており、授業は個人発表を中心にする予定だが(人数によりグループ発表も考える)、受講生それぞれの関心により作品を選んでもらうことにしたい。さらに最初の数回は私の講義とする予定だが、その際にはテクストとの比較として映像も毎回見てゆきたいと思っている。文学的な意味でも、社会的な意味でも、シェイクスピアの悲劇を考えることは、今を生きている我々の時代を別の視点から再考することへと通じるのではないかと思う。自分自身の悲しみを考える上でも、社会・世界全体の悲劇的状況を考える上でも、思考・判断の一つの大きな指針になるのではないだろうか。授業の到達目標・シェイクスピアの代表的な劇のいくつかを深く知り、自分で探求する力をつける。・ルネサンスという時代の時代精神(哲学、思想、文化など)の基本を修得する。成績評価方法試験0%なしレポート70%最後の授業の際に提出するレポートの内容による。平常点30%出席(3分の2)と授業時の発表(視点・解釈の独自性など)による。その他0%特になし備考・関連URL・これまでシェイクスピアや演劇に触れたことのない人も歓迎。現代という時代に、深く悲劇を考えてみたいという意欲(と感性)、求む。・<原文のテキスト>Web上のオンラインから無料で読める原文テキスト(以下のどちらでも大丈夫です)・OpenSourceShakespeare(場面別に分かれている)https:www.opensourceshakespeare.org・Miteducationのホームページよりhttp:shakespeare.mit.edu<翻訳>白水Uブックスの翻訳(小田島雄志訳)に関しては、すべて早稲田の図書館のオンラインから読めます(丸善eBooksより)科目名英文学演習6B(英語教育理論の検証)担当者名平埜雅久英文コース2単位春学期火曜日4時限3年以上――4授業概要日本の英語教育を考えるうえで必要と思われる諸問題について、受講生諸君と共に深く考察していこうと思います。日本は、今、国を挙げて英語化を推進しようとしています。中でも、コミュニケーション能力の育成を第1に考えているところがありますが、そうした在り方が日本の現状と将来を考えた時に果たして最善の策と言えるのかどうか。これに関連して、大学の入試のあり方、伝統的な英語教授法としての文法訳読方式の是非、母語の習得と英語の習得・学習は違った形をとることが自明の理なのか。早期英語教育は是か非か。この他、テスティングとその波及効果の問題、語彙の獲得の問題など、考察すべき問題が山積しています。一つ一つ受講生諸君と議論してみたいと思います。授業の到達目標日本の英語教育問題の捉え方を学ぶ成績評価方法レポートの成績を重視します。加えて、授業に臨む姿勢をも考慮に入れて成績判定は行われます。備考・関連URL1.授業を対面授業とするか、zoomを利用したリアルタイムオンライン授業とするか検討中2.私に連絡するときは、以下のメールアドレスでお願いします。[email protected]科目名英文学演習6C(文学の中の文化/文化の中の文学)現代イギリス戯曲を読む担当者名小田島恒志英文コース2単位春学期火曜日4時限3年以上―――授業概要英国の劇作家TomStoppardの戯曲Arcadiaを読む。これは、1993年4月にLondonのNationalTheatreで初演された際、劇場の売店で戯曲の売り上げ部数記録を塗り替えたほど、観客の知的好奇心を刺激した作品である。その内容は、文学、歴史、ロマン主義と古典主義、数学、カオス理論など多岐にわたり、さまざまな角度からイギリス文化を学びたい人に向いていると思う。個人個人のテキスト解釈が大切だが、授業ではグループによる発表形式も考えている。授業の到達目標戯曲という形式のテキストから文化を読み取れるようにする。成績評価方法試験60%14回目の授業で試験を行い、理解度を確認する。レポート0%なし平常点40%グループ発表など、授業中のactivityを総合的に評価する。その他0%なし備考・関連URL2016年4月日本初演の案内http:www.siscompany.comarcadia専門演習―464―

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