文学部シラバス2021
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科目名日本語日本文学演習3B(日本語学)万葉集の訓字主体表記巻を日本語学的によむ担当者名澤崎文日文コース2単位春学期金曜日5時限2年以上―――授業概要上代の日本語資料となる万葉集を用い、そこに表れたことばと文字表現を学ぶ。本授業は、万葉集の中でも訓字を主体として書かれている巻(=訓字主体表記巻)を取り扱う。訓字とは、たとえば"flower"の意味をもつはなという語を表すために用いる花の字のように、漢字本来の意味を用いそれに対応する日本語(訓)でよむ文字のことである。訓字主体表記巻は、上代語における漢字と訓との関係や、文字表現の方法を知る上で特に貴重な資料となる。授業は演習形式でおこなう。まずは担当を割り当てて資料を輪読形式で読み進め、訓字主体表記のよみ方を身につけつつ、日本語学的な問題点を探して問題設定の方法を学ぶ。その後、各自のテーマに基づいた検討結果を発表し、内容について出席者全員で討議する。授業の到達目標・上代日本語の音韻体系や文字表現、語形、語法について理解し、調査・発表することができる。・他の受講者の発表に対し、自らの考えを持ち表現することができる。成績評価方法試験0%レポート70%学期末の課題として、レポートを課します。平常点30%授業内での発表内容と、討議における参加度を評価します。その他0%科目名日本語日本文学演習3C(日本語学)日本語音声を観る方法を養うために担当者名加藤大鶴日文コース2単位春学期月曜日5時限2年以上―――授業概要ほとんどの人が音声としての言葉を持ち、日常的に使用しています。それをおおざっぱに日本語と私たちは認識していますが、方言と呼ばれる地理的変異や、社会的な集団によって異なる社会的変異、さらには歴史的な変遷を通じての時間的変異などが存在しています。この授業ではそのような日本語内に存在している様々な変異がどのように存在しているかということ、どのような学問的視点を持てばそれらが観察可能になるのかといったことを学んでいきます。春学期の3Cでは教科書を用いて、日本語音声を観るための視点を身につけていきます。具体的には教科書を分担してその内容と、その内容に関連した諸現象や研究などを見つけ、発表していく形式を取ります。授業の到達目標日本語の変異を分析するために必要な視点を説明できるようになる。成績評価方法試験0%実施しません。レポート60%発表内容を踏まえた学期末レポートで評価します。平常点40%授業内発表と質疑応答を評価します。その他0%特にありません。科目名日本語日本文学演習3D(日本語学)古今集遠鏡による中古語と近世語の対照担当者名市村太郎日文コース2単位春学期金曜日5時限2年以上―――授業概要本演習では、古今和歌集に対して近世語で対訳を付した本居宣長著古今集遠鏡を読む。担当箇所につき、変体仮名字母を推定し、当該箇所の古今集原文について現代語訳を作成し、同じ内容のテキストの中古語・近世語・現代語を対照して特徴的な語法・用語や言葉の入れ替え等を観察・分析し、報告する形式を取る。報告の際は質疑応答、およびフィードバックを行う。学期末には、その経験・成果を踏まえ、レポートを作成する。現代語・古典語に関する知識や分析手法を、実際の歴史的テキストの分析に応用することで、日本語のテキストの解釈能力や文法的な分析力を身に着け、各時代の日本語の特徴や現代に至る変遷への理解を深める。授業の到達目標1.文献資料に適切な解釈を施すことができる。2.近世の日本語の特色と、古典語から現代語にいたる変化を理解し、適切な材料を基に説明できる。成績評価方法試験0%試験は実施しません。レポート50%用例に即して実証的に日本語の史的考察を行えるかどうかを評価する。平常点10%発表時の質疑における発言・積極性、授業参加状況等。その他40%担当箇所における発表内容。備考・関連URL人数、対面の可否等によって、進度や担当箇所を調整する可能性があります。専門演習―444―

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