文学部シラバス2021
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成績評価方法試験70%点数に応じて評価する。レポート0%なし。平常点30%参加状況を考慮する。その他0%特になし。科目名東洋哲学演習6(インド哲学2)漢文仏典を通してインド唯識を学ぶ担当者名山部能宜東哲コース2単位秋学期月曜日4時限3年以上―――授業概要摂大乗論世親釈の漢訳を手がかりとして、唯識説を学ぶ。無著の摂大乗論に対する世親の註釈は、摂大乗論理解のための重要な手がかりとなるものである。本註釈書はチベット訳および三種の漢訳として伝えられているが、そのなかでしばしば問題となるのが、真諦訳と玄奘訳の相違である。今回は春学期に引き続きアーラヤ識説について体系的に述べる所知依分を玄奘・真諦の両訳を比較しつつ読み、両者の特質を考察したい。第一義的にはインド唯識学への導入となることを意図した授業であるが、中国仏教を学ぶ学生にも参考となるであろう。授業の到達目標唯識説の教理の概要と,基本述語を理解すること.また仏教漢文の扱い方に慣れること。成績評価方法試験70%テキストの内容理解を確認する.レポート0%今回は課さない.平常点30%授業への積極的な参加により評価する.休講課題を課した場合は,平常点に含める.その他0%今回は課さない.備考・関連URL高度な教理を論ずるテキストであるので、十分な予習は必須である。主席が全授業の23に満たない場合、原則として成績評価の対象としない。なお、授業は基本的に対面で行なう予定である。科目名東洋哲学演習7(中国哲学2)荘子(内篇・斉物論篇)を読む(2)担当者名森由利亜東哲コース2単位秋学期木曜日2時限3年以上―――授業概要春学期に行う、東洋哲学演習4(中国哲学1)の荘子を読むの続きとなります。ただし、春学期の荘子を読むを履修していなくても、秋から初めて参加していただいて問題ありません。現在一般に知られている荘子(そうじ)は、老子とともに古代中国の老荘思想、道家思想の中核を成す思想的な作品として知られています。ユニークで味わいのある説話を交えながら、常識で考えられてきた人の認知や存在の構造を疑い、生きることの意味を問う文学です。荘子を読むことを通じて、私たちは古代中国の思想状況を知るための一つの契機を得ることができるだけでなく、やがて仏教を受容するに至る中国知識人の人生観・世界観や、後漢時代以後、宗教的な展開を迎える道家思想の重要な前提を理解するきっかけを得ることができるでしょう。また、荘子はその後の中国およびアジアの文化のなかで咀嚼され、思索や表現のよすがとされてきた作品であり、アジアの様々な思想・芸術を考察する上でその読解は欠かせません。さらに広くは、生きる意味を問う世界哲学の一角を成す作品といえるでしょう。現行の荘子は内篇七篇・外篇十五篇・雑篇十一篇、全三十三篇から成り立っています。この授業では、このうちの内篇・斉物論篇を江戸時代の版本を使いながら原文で読み、漢文訓読と現代語訳を施しながら思想の解読を行います。斉物論篇は荘子の思想を特徴付ける極めて重要な一篇であり、これを詳しく読むことで荘子の思想の理解の基本を構築することができるかと思います。授業の到達目標本授業の到達目標として、以下の三点を掲げたいと思います。(1)東アジアの古典である荘子に触れることで、アジアの思想の源流を理解する糸口を得る。(2)道家思想の原点を知ることで、老荘思想への理解の基礎を作る。(3)漢文を読解することで、漢文読解力の基礎を身につける。成績評価方法試験0%オンライン授業では試験は原則的に行わない。レポート50%学期末に荘子の思想について論じるレポートを提出してもらう。平常点50%担当箇所について、原文訓読語釈現代語訳から成る資料を作成し発表してもらう。また、毎回の授業で活発に発言を行ってもらう。それらに基づいて平常点をつけて評価する。その他0%特になし。科目名東洋哲学演習8(日本宗教2)凝然撰八宗綱要講読担当者名大久保良峻東哲コース2単位秋学期火曜日3時限3年以上―――授業概要鎌倉時代に東大寺(華厳宗)の僧侶として活躍した凝然(1240-1321)が、二十九歳の時に著した八宗綱要の中から、幾つかの宗を選んで講読する。本書は、奈良仏教と平安仏教に関する八宗を論じたものであり、それが仏教の綱要を知るための諸宗となっている。時代的には、鎌倉仏教も展開していたが、それは付録に禅と淨土を加えることで補っている。そこで、先ず、最初の総論を読み、その後、天台宗、真言宗等の日本仏教を形成した主要な宗を読むことにしたい。本書は、名詞の羅列も多く、ただ読むだけでは無味乾燥になってしまう。註釈書や辞書を活用して行きたい。秋学期は真言宗を中心にして進める定。専門演習―408―

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