文学部シラバス2021
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毎回1週間とする。出席は要旨の提出によって確認する。要旨提出期間は動画視聴期間と同じとする。質問はフォーラムで受け付ける。オンデマンド授業については、出席を要旨提出によって確認し、平常点に加えている都合上、動画の視聴期間が過ぎた後の再公開は行わない。通常の教室授業を受けるつもりでノートを取ることを勧める。科目名哲学演習14(ドイツ哲学/近代哲学)カント純粋理性批判を読む(発展)担当者名御子柴善之哲学コース2単位秋学期木曜日4時限2年以上―――授業概要この演習では、プロイセンの哲学者、イマヌエル・カント(1724-1804)の純粋理性批判の超越論的分析論から純粋悟性概念の超越論的演繹(第二版)に関する部分に関する箇所を読む。カントのこの著作は、哲学研究を志す人であれば必ず何らかのかたちで手にとらなければならないものである。そのときに、自分の限られた知識の範囲内で思いつきに任せて解釈してしまう誤りを犯さないように、カントの文章を可能な限りそれに即して読む訓練が必要となる。これは、古典的な哲学を自分のものにするために不可欠な手続きであり、やがて自分で自在に考えるための前提である。したがって、本演習では、カントが用いる言葉一つひとつに注意を向けながら、ゆっくり読んでいく。ただし、限定した箇所しか読まないのでは、純粋理性批判の全体像がいつまでも見えないままである。そこで、必要に応じて、当該箇所以外の重要箇所にも目を向けるように工夫する。また、この演習では、ドイツ語原文を検討する時間を設ける。まずは邦訳を用いて概略を理解した上で、重要な発言がドイツ語でどのように表現されるかを確認することは、やがてドイツ語原文だけでカント哲学を読むことへの展望を開くだろう。もちろん、ドイツ語を既習でない参加者にも配慮した授業構成を予定しているが、この機会に少しドイツ語を学んでみることもお薦めしたい。これらの学びを通して、哲学史におけるカント批判哲学の位置を体系的に学ぶとともに、人間理性の本質にアプローチする方法を会得して欲しい。授業の到達目標この演習で読めるのは、純粋理性批判の中でも最も読み取りづらいと言われている部分である。だからこそ、多くの参加者の知恵を結集してそれを読解したい。その検討を介して、カント認識論の基本構造を理解することを、この演習の到達目標とする。成績評価方法試験0%試験は行わない。レポート70%レポートは、純粋理性批判で今回読んだ部分に関して、適切な問いと答えをもったものを作成してもらいます。平常点30%授業回数の三分の二以上の出席を成績評価の条件とする。演習への積極的参加を評価に加味する。その他0%特になし。備考・関連URL受講生は、あらかじめ純粋理性批判への序文ならびに緒論を読んでおくと、授業への参加が容易になるでしょう。関連URL:特になし。この授業は教場で実施される予定です。科目名哲学演習12(美学/近代日本哲学)担当者名島村幸忠哲学コース2単位秋学期金曜日4時限2年以上―――授業概要本講義では、明治期の美学/芸術学の思潮を、幾つかの芸術論争に着目しつつ辿っていきます。取り上げる論争は、書ハ美術ナラス論争、裸胡蝶論争、没理想論争、美的生活論争、絵画の約束論争などを予定しています。これらの論争は、当時の美学/芸術学が抱えていた諸々の課題を明らかにしてくれるだけでなく、現代に生きるわたしたちが芸術や美の問題(その倫理的な問題や政治的な問題も含めて)について考える際にも極めて重要な論点を提供してくれるものだからです。講義では一次文献およびその関連資料を精読していくかたちで進めていきます。それゆえ、参加者にはあらかじめ配布した資料に目を通しておいてもらうこととします。そして、それらの資料を理解した上で、現在的な問題に結びつけて、参加者とともに議論を行なって行きたいと思います。授業の到達目標(1)文献を正確に読解する力を身につける。(2)芸術について様々な視点から考える力を身につける。成績評価方法試験0%レポート50%講義内容が理解できているか、自己の見解が適切に提示できているかなどによって評価します。平常点50%出席、議論への参加度などによって評価します。その他0%科目名哲学演習15(現代倫理学/応用倫理学)現代徳倫理学への導入担当者名村松聡哲学コース2単位秋学期火曜日4時限2年以上―――授業概要倫理学には大きく分けて、徳倫理、義務倫理、功利主義の三つの考え方があります。この演習では、現在当文学部でほとんどとりあげられていないが、極めて重要であり、また最も古くから存在する徳倫理を、現代の徳倫理を中心として学んでいきます。その際、応用倫理の分野への貢献の可能性についても触れていきます。専門演習―405―

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