文学部シラバス2021
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聖典クルアーンの言語であるアラビア語とともに,イランの公用語であるペルシア語が前近代から広く使用され,独自の文化を展開してきました。講義では,イラン地域の歴史と文化を,特にイスラーム文化とペルシア語文化に着目しながら概観し,中東史・アジア史の流れのなかに位置づけて捉えることを目指します。※この授業は,全回オンデマンド配信方式で実施します。授業の到達目標(1)イラン地域の歴史・文化に関する基礎的知識を習得すること。(2)イスラームという宗教とその文化の多様性・共通性を理解すること。(3)イラン地域の歴史を中東史・アジア史の流れのなかに位置づけて把握すること。成績評価方法試験0%レポート60%・期末レポートを提出してもらいます。・評価は,授業内容の理解度に加えて,授業で学んだことを応用して自分なりの考察を展開・深化させている度合いを重視して行います。平常点40%・各回の授業について,WasedaMoodle上で課題を出します。授業テーマに関する疑問・質問・感想・見解・理解度などを書いてもらいます。教員が提示した問いに回答してもらうこともあります。・評価は,回答内容の正誤より,授業への積極性を重視して行います。その他0%備考・関連URL・各回の講義はWasedaMoodleを使用によるオンデマンド配信で実施します。・授業内容に関する質問は課題に書き添えてください。教員に対する相談は,WasedaMoodleのメッセージ機能を利用して行ってください。・教員は授業の双方向性を高めるためにも,質問や相談・コメント等を積極的に行っていただければと思います。・課題に対するフィードバックは,基本的に授業内で実施します。個人的な質問・相談についてはメッセージやコメント欄で回答する場合もあります。・期末レポートに対するフィードバックは,必要に応じてWasedaMoodle上で行います。科目名アジア・日本文化概論2前近代の日本文化担当者名河野貴美子多元2単位秋学期木曜日2時限1年以上―合併科目―授業概要現在に至る日本文化の基底はいかにして形成されてきたのか。古代から近世まで、前近代における日本文化の諸相を概観する。言語、思想、宗教、文学、芸術など、各方面における事象を通時的に見ていくとともに、それら相互の関連性にも目を配りながら、分野横断的、総合的に日本文化のありようを捉えていく。また、中国など、日本以外の地域との文化交流、影響関係も視野に入れつつ、日本文化の特質について見ていく。なお授業では、歴史史料や文学作品などの文献資料や、美術品、遺物などを幅広く扱い紹介していきたい。授業の到達目標前近代における日本文化についての理解を深める。また、さまざまな資料や文物に触れ、それらに内包されている文化遺産としての意義を多角的に読み取っていくことができるようにする。成績評価方法試験50%理解度の確認レポート0%行わない平常点50%授業への参加状況その他0%なし備考・関連URL※2012年度からこの科目は名称を変更しています。2011年度まで日本文化概論1において単位取得をしている場合、この科目を履修できません。科目名日本の伝統文化悔過keka――新出版経金光明最勝王経から日本の伝統文化を思考する担当者名小島裕子多元2単位秋学期金曜日3時限1年以上―合併科目―授業概要疫禍は人類が歴史のなかで向き合い続けてきた課題である。本講義は、歴史のなかに埋もれた思想・文化を宗教文献資料学の見地から掘り起こし、それを分析、未来へ向けた普遍的な真理として思考することを主眼とする。本年度は疫禍に向き合う人間と社会をテーマに思考してみたい。具体的には、世界的に蔓延するCOVID-19の危機に遭遇するなか、新たに見いだした江戸時代(正徳三年[1713]刊行)の版経金光明最勝王経に端を発し、問題を定義してゆく。同版経は、元禄という時代に熟成され、度重なる大地震、飢饉、浅間山噴火、富士山宝永大噴火、疫病などの災禍を経て、徳川綱吉時代の大老井伊直治(直興)の請願によって刊行された。最勝王経といえば、天竺に見いだされ、中国の則天武后のもとで漢訳された義浄訳が、訳経から時を経ず奈良時代にわが国へ請来されて、東大寺を中心とする国分寺制度によって全国に流布されたことが広く知られる。それは公的転読や、年頭に施行される宮中御斎会や薬師寺最勝講などで講讃され、除災招福を祈る護国経としての真髄と政治が深く絡み合う。ところで、その真髄には悔過の精神があった。悔過とは、罪過を懺悔する意であるが、それは洋の東西を問わず、人類の宗教的営みのなかで儀礼とともに重んじられてきた歴史がある。その所以は何か、悔過の可能性と限界を含めて、今に考えてみたい。文化構想学という開かれた講義の場で、豊饒な世界観を内包する最勝王経をテキストとし、時にはそれを細かく読み込み、時にはその背後に広く目を転じ、宗教・歴史・言語・文学・思想・芸術への様々なアプローチを各回の授業に鏤めてみることを講義―37―

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