文学部シラバス2021
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平常点30%出席状況および受講態度によるその他0%特になし備考・関連URL本講義はリアルタイム配信で実施いたします。WasedaMoodleのCollaborateから御覧ください。科目名理論考古学担当者名山本典幸考古コース2単位春学期金曜日3時限3年以上―合併科目―授業概要日本における理論考古学への関心とその動向を、米英の考古学思想史と比較しながら講義する。理論考古学とは、簡単にいえば考古学研究の中で特に理論・方法論について議論する狭義の分野を指している。狭義の意味での理論考古学は、考古資料の分析によって時間的・空間的な差異や変化などを追究する記述考古学との間で、人類史の再構成といった論理構造にとって双方向的な役割を担うことになる。本講義でいう理論考古学は狭義の理論考古学に加えて、記述考古学と狭義の理論考古学との間で双方向性をもつ思考の枠組み(思考の過程)も意味している。狭義の理論考古学と思考の枠組みとしての理論考古学の両方を学ぶということは、考古資料に関する専門的な知識を身につけるだけでなく、その資料はどのような過程で生み出されたのか、なぜ変化や維持が起きるのか、変化は他の技術や社会、観念などにどういった影響を与えるのか、そもそも取り扱う考古資料は文化の中でどのように位置付けられる存在なのかなどを評価する論理力の会得にもつながる。尚、本講義は対面授業を基本に進めますが、フリートークやグループディスカッションに多くの時間を割く回の場合はCollaborateを使ったリアルタイム配信型の授業形態に変更するかもしれません。その場合、WasedaMoodle内のアナウンスメントやメッセージ送信機能を使って事前に告知します。授業の到達目標1.1960年代から米英を中心に本格的に議論されてきた理論考古学の歴史を、欧文書籍を通して知ることができる。2.理論考古学の世界的な針路と比較しながら、編年の精緻さと充実した記述考古学に依拠する旧石器/縄文/弥生/古墳時代研究において日本型の理論考古学の形成が可能か否かを判断することができる。3.理論考古学の世界的な水準を理解し、研究対象の時代や地域に関係なく考古資料の分析と理論・方法論との間の双方向性を自ら実践できるようになる。成績評価方法期末に提出する課題レポートの内容40%、出席40%、授業時のコメント20%備考・関連URL講義の中では、理論考古学に関する欧文書籍を紹介したり、それらの文献に対して学生からのコメントを随時求めていくので、積極的な参加を望みます。また、理論考古学に対する学生の理解度を深める意味から、第7回頃に理論考古学の論点の共有化と整理を目的に、教員と学生の間でフリートークを催します。科目名考古学と関連科学A理化学的分析から先史時代の生活と社会にせまる担当者名米田穣考古コース2単位春学期無フルOD2年以上オープン科目合併科目フルオンデマンド授業概要遺跡から出土する遺物や堆積に残された遺構から過去の人々の生活や社会を研究する考古学は、ヒトの歴史を最も古くまでさかのぼることができる研究分野である。とくに文字記録がない先史時代については、考古学的な方法で研究することが必要であるが、限られた資料から最大限の情報をひきだすために、様々な理化学的な分析手法が用いられている。本講義では、主に先史時代の考古学を対象に、理化学的な分析法を応用することを目的に、(1)科学的な視点から歴史を復元、記述するための考え方、(2)理化学的な分析法によってえら得たデータと、考古学的な手法で得られたデータの性質の違いと、その統合の方法について理解することを目的とする。具体的には、講師が専門とする古人骨の化学分析による食生活の復元法と、様々な有機物における放射性炭素年代測定を素材として、手法の原理と歴史、考古学的な応用例とその問題点、今後の展開などを概説する。授業の到達目標考古学において理化科学的手法を応用するための基礎を学習する成績評価方法試験50%学期末試験レポート0%平常点50%出席と小テストなどその他0%科目名考古学と関連科学B担当者名樋泉岳二他/小林謙一/佐々木由香/早田勉考古コース2単位春学期土曜日3時限2年以上―合併科目―授業概要遺跡の発掘調査で出土する様々な自然遺物は、動植物遺体から石材、炭化物など多様なものからなっており、それらは年代や文化、社会を探る上で重要な情報源となる。自然遺物をどのように扱い、そこからどのような情報を引き出すかは専門的な知識と技術を必要とする。講義では、年代、植物遺体、動物遺体、火山灰編年学等について、それぞれの専門研究者が実際の資料をもとに、方法論、分析法、解釈の仕方などについて講義する。授業の到達目標考古学研究における関連科学の知識・技術の必要性び関連科学を援用した研究方法・成果を理解できるようになる。講義―250―

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