文学部シラバス2021
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科目名西洋史研究1(西洋近現代史)近現代ドイツの歴史担当者名小原淳西史コース2単位春学期無フルOD2年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要本授業は、近現代ドイツの歴史を概観する。ドイツ地域は19〜20世紀に分裂と統合を繰り返し、また度重なる政治体制の変化を経験しつつも、世界強国へと変貌していった。その影響力は、EUの中心を占めるこんにちのドイツのように、ヨーロッパの統合と安定に寄与する方向に発揮される場合もあるが、反対に二度の世界大戦の時代のように、独裁と暴力をもたらす過去もあった。そして、こうしたドイツ史の複雑さと両義性は、同国をモデルの一つとして進められた日本の近代化とも無縁ではない。本授業では、現在のドイツ国家・社会の姿を過去に投影するのではく、むしろ歴史のなかでのドイツの領域的な伸縮、国家体制や社会制度の変化、地域や宗派に起因する多様性を重視し、また、政治史・事件史のみならず人々の生活文化や意識、行動様式をも視野に入れ、さらには日本とのつながりや比較を意識して、講義を行う。なお、毎回の授業ではナショナリズム、国民国家、市民社会、産業革命、帝国主義、ユダヤ人、民族、社会主義・共産主義、大衆民主主義、ファシズム、ジェンダー、環境といった、近現代史の理解に欠かせない諸問題も適宜取り上げる。授業の到達目標受講者が、近現代ドイツ史の把握をつうじて、第一に現在のドイツがどのような歴史的過程を経て形成されたのかを理解し、第二に西洋世界、そして日本を含めた世界全体にドイツがいかなる影響を及ぼしたのかを検討し、第三にそこから得られた知見をもとに、現代世界を歴史学的な視点から考える力を養うことを目的とする。成績評価方法試験40%授業の理解度を問う。毎回の授業で配布する資料に記載された事柄のみならず、授業中に板書や口頭で強調した事柄についても、出題の対象とする。レポート30%毎回の授業の度に、理解度を問う簡単なレポートの提出を求める。平常点30%遅刻、授業中の入退出、私語、居眠り、スマートフォン等の使用は出席を認めない。その他0%なし。科目名西洋史研究2(西洋近現代史)フランス革命を考える担当者名森原隆西史コース2単位秋学期無フルOD2年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要18世紀末に勃発したフランス革命の歴史的意義をさまざまな観点から検討してゆきたい。まず、アンシャン・レジーム期から1789年の革命勃発までのフランスの史実を追跡し、とくに政治文化、社会文化の側面から、個々のテーマに基づいた分析を行ないたい。次いで、19世紀から今日までのフランス革命研究の流れを紹介し、従来のブルジョワ革命論から新しいエリート革命論にいたる研究史を整理して考察する。全体を通して、フランス革命とは何だったのかを、近年の研究成果をふまえて、再考してゆきたい。授業の到達目標フランス革命とは何かについて、全般的な知識・情報を修得し、西洋の近現代社会の考察への独自の視点や視野の獲得を目指す。成績評価方法試験0%試験はないレポート70%講義内容に関するレポート作成平常点30%出席状況その他0%その他はない科目名西洋史研究3(西洋中世史)中世ヨーロッパと地中海世界担当者名甚野尚志西史コース2単位春学期木曜日3時限3年以上―合併科目―授業概要初期中世から16世紀頃のヨーロッパ世界は、政治・経済・宗教すべての側面で地中海世界を中心に歴史が動いていた。地中海世界では、教皇権と東西の皇帝権を中心にキリスト教世界の政治的秩序が形成されるとともに、イスラーム世界の異文化とも出会う場であった。また、イタリアの諸都市とコンスタンティノープルとの交易を基軸としてヨーロッパ世界の経済発展を支えた場所でもあり、商人の移動により様々なモノ・人・情報が行きかった。この授業では、ヨーロッパ世界がどのようにして形成されたのかというヨーロッパ史の根幹にかかわる問題について、教皇権と皇帝権、イタリアの諸都市、ビザンツ、シチリアなどの諸国家の動きに注目しつつ、ヨーロッパ史の分岐点となるような重要なテーマを選んで講義をしていきたい。授業の到達目標地中海世界の歴史に視点を据えながら、中世ヨーロッパ世界がどのようにして形成され、発展していったのかを理解する。成績評価方法試験60%授業の内容について理解度を確認する。レポート0%なし平常点40%毎回、出席を取る。その他0%なし講義―238―

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