文学部シラバス2021
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的境界を固定的に遡らせ、日本の内からのみ外をみる従来の研究のあり方に様々な批判も出されるようになっています。また、国内外の考古学の進展は目覚ましく、朝鮮半島や中国大陸の様々な歴史の主体に目を向けた研究も盛んとなり、そこから東アジアにかわる新たな広域史を模索する動きも活発です。本講義では、列島古代社会を取り巻く国際環境を戦後歴史学がどのように説明してきたかを整理した上で、最新の研究成果から、列島古代社会の多様性と、日本史と世界史を結ぶ多元的・重層的な関係を具体的に追いつつ、日本史における日本の捉え方についてあらためて考えてみたいと思います。授業の到達目標①列島古代の国際交流の多様性について理解する。②日本古代史を世界史と関連づけて理解する。③日本の枠組みを前近代史から相対化する視点を得る。成績評価方法試験0%特になし。レポート0%提出を求めない。平常点100%第2回から第15回の各講義動画中において示した課題を提出する。その合計点で評価する。なお、各授業において、当該授業の動画の視聴が未了のまま課題のみ提出しても0点となるので、必ず授業動画の視聴を完了して課題を提出すること(視聴完了しても視聴完了のマークがつかない場合はWasedaMoodleから連絡して下さい)。また、課題未提出が2回以上の場合、不可となるので提出期限に注意すること。その他0%特になし。備考・関連URL講義2以降の動画の視聴や課題提出には期限があります。各授業の動画の視聴の可能日、課題提出期間はWasedaMoodleの各講義回に示しています。なお、421以降、祝日・休講日に関係なく毎週水曜日を課題の締め切り日としています。期限を過ぎると視聴、回答ができません。また、当該の授業動画の視聴が未了のまま課題のみ提出しても0点となるので、動画は必ず視聴を完了して下さい。また、課題未提出が2回以上になると、不可となるので、提出期限には特に注意し、計画的に受講して下さい。科目名日本史講義2(中世)荘園からみる中世社会担当者名似鳥雄一日史コース2単位秋学期無フルOD2年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要中世とはどんな時代だったのか。何をもって前後の時代と区別するのか。これらの問いに対する答えは決して自明のものではありません。この点を考える上で欠かせない要素となるのが荘園です。荘園制は当時の基本的な社会システムですが、研究史がきわめて重厚なこともあり、初学者には難解な印象があるかもしれません。本講義では豊富な史料を有する京都の東寺領を題材に、荘園とはいかなるもので、そこで実際に何が起こっていたのか、具体的にみていきたいと思います。主にとりあげるのは備中国新見荘です。新見荘は近年大きく研究が進展した荘園で、東寺から派遣された代官の殺害事件、現地の女性が書いたとされる書状など、話題に満ちています。新見荘をメインに、ほかの東寺領荘園も織り交ぜながら、当時の社会について考えます。※本授業は全回オンデマンド授業として実施します。授業の到達目標日本中世の社会システムである荘園制とその実態について理解する。それによって中世という時代をイメージし、その特質について考える能力を身に付ける。成績評価方法試験90%学期末に筆記試験に近い課題を実施(時間制限を設けて、講義内容の理解を確認)レポート0%平常点10%授業の出席状況(動画の視聴状況)その他0%科目名日本史講義3(前近代史料学)担当者名下村周太郎日史コース2単位春学期火曜日5時限2年以上―合併科目―授業概要歴史学の研究は史料に基づいてなされなければならない。特に、現実の体験者がおらず、また、今日まで伝わっている史料の数が限られている前近代史の研究にあたっては、論拠となる史料をいかに収集し読解するかが極めて重要となる。本講義では、前近代の史料にはどのような種類のものがあり、それぞれについてどのように取り扱うべきであるかについて講じる。授業の到達目標史料には様々な種類があり、それぞれに異なる特性を有し、それぞれに取り扱いにあたっての留意点があることを理解する。また、一つの史料に対しても、見方や分析視角を変えることで、多様な情報を引き出すことができることを学び、卒業論文執筆に向けた専門的知見の習得につなげる。成績評価方法試験80%必ず試験を受けなければならない。レポート0%平常点20%随時、リアクションペーパーを配布し、そこに書かれた意見・質問によって、平素における授業への出席状況や理解の度合いを見る。その他0%講義―227―

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