文学部シラバス2021
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何を見たいと欲し、どのようにそれを形にしてきたかについて、いろいろな角度から考えていきます。授業はオンライン(リアルタイム配信)でおこないます。授業の到達目標・仏教美術を鑑賞したり考察したりする上で必要な基礎的な知識を習得する。・仏教美術の歴史的展開について把握する。・仏教美術を通して、“見たいもの”を目に見えるかたちに表現するという美術の本来的な意味やはたらきについて考えを深める。成績評価方法試験0%行わないレポート0%特に課さない。平常点100%毎回、授業の内容に関する簡単な課題やレビューをMoodleに提出してもらい、それを以て出欠と授業への積極的な取り組みを確認するとともに、理解度を確認・評価する。その他0%特に無し。備考・関連URLリアルタイム配信を主とし、回によってオンデマンド配信を交えながら、全回をオンラインでおこないます。詳しくはMoodleのアナウンスで事前にお知らせします。本科目に限らず、美術史を勉強する上で最も大切なことは、実際に作品を見る経験を重ねることです。コロナ禍でそうした機会を持つことが難しい現状ですが、随時、展覧会などの情報を伝えますので、できるだけ自分の目で作品に接して欲しいと思います。科目名中国の美術東アジア美術の規範を再考する担当者名楢山満照美史コース2単位秋学期水曜日2時限2年以上―合併科目―授業概要ダ・ヴィンチ、フェルメール、ゴッホ、ルノワール…と聞けば、多くの人は代表的な作品を頭に思い浮かべることができるではなかろうか。その一方で、顧愷之、閻立本、郭煕、馬遠…と聞いて、同じように作品をあげることができる人はおそらく多くはないように思われる。悠久の歴史を今に伝える中国の美術作品。ここ日本の美術・文化のルーツ、という漠然としたイメージはあっても、その人気と知名度は、西洋や日本の美術と比べると圧倒的に低いといってよい。この違いはなぜ生じたのか。この授業ではこの疑問を出発点として、中国美術の特質と東アジアにおけるその意義を考察するため、次のふたつのテーマを設定する。ひとつは、死を彩ってきた古代の美術の見かたである。人は死んだらどこへ行くのか?この単純にして素朴な疑問は、太古の昔から今に至るまで、様々なかたちの美術作品を生み出す原動力となってきた。誰にでも等しくおとずれる死。だからこそ、せめてそこは華やかで楽しい世界であってほしかったはず。墓の中と聞くと、閉ざされた暗い世界をイメージするかもしれない。しかし、古代中国人の素朴な願いと豊かな発想力、そして手わざを極めたかのような超絶技巧によって生み出された数々の美術作品は、それをあっさりと覆してしまうはずである。そこで、前半はおもに古代中国の墓の中の世界をのぞき見し、そこを華やかに飾っていた壁画や副葬品の内容を学びながら死者の霊魂の行方を視覚的に追っていく。もうひとつのテーマは、中国絵画の見かたである。古代から近世にいたるまで、日本人画家がひとつの規範として追い求め模倣し続けてきた絵画は、中国のものであった。日本では中国から伝来した作品を唐物(からもの)、唐わたりとよび、それらに対して本場中国とは異なる価値づけをおこなわれ、時の権力者たちはそれを鑑賞し、人の手から手へと大事に伝えてきた。そうした作品こそが、日本絵画の母胎となってきたのである。しかし、中国絵画というと、表現や内容が複雑、奇抜過ぎて、鑑賞するには歴史故事に関する豊富な知識が必須、というイメージをもたれることも多い。そこで、後半は南北朝から南宋までの代表的な作品を取りあげ、内容とあわせて表現上の約束事と技法を解説していく。その中では、かつての日本人が中国の伝統文化に何を求め、それをどう理解し、どう利用してきたのか、それを検証しながら、美術と政治の接点についても考えていく。授業の到達目標統一と分裂を絶えず繰り返し、民族問題を抱え続けてきた中国において、美術作品を収集しそれを後世に伝えていくことは、いかなる意味を持っていたのか。単なる作品解説のための知識にとどまらず、作品をつくり、集め、鑑賞し、伝えていく、という営為について理解することを目指す。成績評価方法試験60%最終回に理解度の確認をおこなう。授業の目的は作品鑑賞のための基礎知識の習得にとどまるものではない。作品の観察を通して、アジアを舞台に中国美術が繰り広げてきた異文化の接触の様相に視野を広げ、その歴史的意義について主体的な見解を明確に述べることができているかどうかをみる。レポート0%平常点40%出席および授業への主体的な参加。ここでいう主体的な参加とは、適宜提出してもらうレビューシートのこと。その他0%備考・関連URL授業は教室での対面授業を基本とするが、状況によっては一部オンデマンドによる動画配信を用いて進める可能性もある。オンデマンド配信をおこなう場合は、事前に必ず周知する。また、授業の進捗状況や展覧会開催予定により、美術館・博物館での関連展覧会の見学に振り替える可能性もある。講義―223―

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