文学部シラバス2021
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授業の到達目標時代を通じ、幾多の論者が築き上げてきた映画理論の成果に親しむことによって、映像を理解し、探究するための基盤を築くことがこの授業の目的である。成績評価方法試験45%講義内容を正しく理解していることレポート0%平常点45%出席状況が良好であることその他10%授業で紹介した映画上映や催しなどについて積極的に参加していること備考・関連URL映画理論を学ぶことは、映画を見て楽しむこと自体に比べれば、直ちに快楽や感動に結びつくいとなみではないかもしれない。しかし、いかなる対象であれ、それをよりよく愛するためには、その対象の特性について真摯に考察をめぐらせてみることが不可欠である。自らの映画体験をより豊かなものにするため、そうした努力を惜しまない受講者を期待する。科目名映画理論2担当者名藤井仁子演映コース2単位秋学期無フルOD2年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要※本授業は全回オンデマンド授業として実施します。サイレント映画時代の理論を扱う映画理論1を引き継ぎ、トーキー化以降の映画理論について概説します。新たに獲得した音声を、あたかも初めからそうであったかのように自然なものとして摂り込んだ映画の諸実践と、理論はどう切り結んできたのでしょうか?そのもっともコアな流れを、人と諸概念の変遷の両方に着目してたどります。時期としては、第二次世界大戦後から現代に至るまでが中心となります。学部ディプロマポリシーに謳われるとおり、伝統的な学問分野を体系的に深く学び、時代の波に翻弄されることなく、確かな視点から人間の本質にアプローチするために必要な学力の会得を目指します。授業の到達目標世界的に映画理論の衰退が叫ばれていますが、映像のテクノロジーとそれをめぐる状況とが激変し、映画の定義が根本から揺らいでいる今日のような時代においてこそ、一時の流行に惑わされることなく、問題の本質を精緻に見極めることがこれまで以上に求められています。一般に、われわれが何か新しいことを考えついた気になっているときでも、そうした考えは過去においてすでに十分吟味されている場合がほとんどです。古臭く見えるかもしれない先人たちの思考の歴史に学ぶことの最大の意義はここにあります。目まぐるしく移り変わる現代のメディア環境に腰を据えて向きあうための理論的背骨を鍛えることが本講義の最終的なねらいです。成績評価方法試験80%授業最終回に理解度の確認として論述式の試験を行ないます。レポート0%平常点20%3分の2以上の出席を義務づけます(講義動画の視聴と簡単な小テストの受験をもって出席と見なします)。その他0%備考・関連URLできるだけ映画理論1から続けて受講するようにしてください。いきなり本講義から受講することを妨げるものではありませんが、そのために生じる不利益は各人の努力によって補うこと。科目名映画作家論作家主義の歴史と現在担当者名藤井仁子演映コース2単位秋学期無フルOD2年以上オープン科目合併科目フルオンデマンド授業概要※本授業は全回オンデマンド授業として実施します。集団で製作され、しかも複製されて広まることが前提となっている映画において、誰が作家であるかを特定することは本来不可能です。しかし、批評上の目的からあえて特定の作り手(通常は監督)をそのフィルムの作家(auteur)と見なすことがあります。このような批評方針は作家主義と呼ばれますが、世界映画史の決定的な転換点であるヌーヴェル・ヴァーグの実践とも切り離すことができない作家主義とは、いったいどのような意義を持つものだったのでしょうか?本講義では、作家主義の歴史的意義を、その限界までも露呈させるようなクリティカルな事例を通して考察し、現時点での一定の総括を行ないます。作家概念が新たなかたちで強化されつつある現状についても視野に入れます。学部ディプロマポリシーに謳われるとおり、伝統的な学問分野を体系的に深く学び、時代の波に翻弄されることなく、確かな視点から人間の本質にアプローチするために必要な学力の会得を目指します。授業の到達目標映画における作家主義の問題を、その限界まで見定めたうえで、それでもなお何が可能なのか、実践的に探究してもらいます。成績評価方法試験0%レポート80%講義内容をふまえ、まとまった分量の作家論の執筆に受講生自ら挑戦してもらいます。平常点20%3分の2以上の出席を義務づけます(講義動画の視聴と簡単な小テストの受験をもって出席と見なします)。その他0%講義―217―

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