文学部シラバス2021
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その他0%ありません。科目名仏教漢文の世界担当者名大久保良峻東哲コース2単位春学期金曜日5時限2年以上オープン科目合併科目―授業概要インドで生まれた仏教は、その言語が中国語に翻訳されることで新たな展開を遂げることになった。漢字で表記された仏教語は、日本に伝えられて日本語ともなり、現在でも日常語として多くの語が用いられている。要するに、仏教は中国において漢字の意味を豊かにし、それを日本人は引き継いだのである。そして、その漢字で表された思想は、日本の文化の核心部分となった。本講義はそういった観点から、言語や思想に注目しつつ仏教漢文の世界を探索することを目的とする。幾つかの著名な経典の講義も行う予定であるが、仏教と日常生活との関わり、仏教の人生観、自然観等というような見地から問題点を探ることにしたい。仏教漢文の読み方にも論及することになる。毎回テーマを決め、ほぼ一回で完結するかたちで講義する。授業の到達目標様々な仏教漢文を読むことにより、それらが日本人の思索や文化に与えた影響を考えられるようにする。成績評価方法試験70%点数に応じて評価する。レポート0%なし平常点30%参加状況を考慮する。その他0%特になし備考・関連URL大正新脩大藏經テキストデータベースhttp:21dzk.l.u-tokyo.ac.jpSAT科目名仏教概論禅定を軸とした仏教思想の展開について担当者名山部能宜東哲コース2単位春学期金曜日2時限2年以上オープン科目合併科目―授業概要仏教は釈尊の菩提樹下での禅定(坐禅)による正覚を原点とすると伝えられており,その後の仏教の展開においても禅定は重要な位置を占めている.本講義では,禅定を軸として仏教の展開を実践的観点から論ずる.その際,仏教の実践のもつ身体的・心理的な側面に注意を払いつつ,さらには教理と信仰の両方の側面を視野に入れて,実践的な仏教思想展開史の構築を試みてみたい.古典語の資料は和訳で提示し,特に仏教に関する予備知識を前提とすることなく講義を進めるので,専門外の学生の受講も歓迎する.授業の到達目標仏教に対する先入観を除き,生きた人間の問題解決の道として仏教をとらえなおすこと.抽象的な理論面のみにとどまらず、身心相関的な観点から仏教の実践を再考察し、仏教のもつ現代的意義を提示してみたい。成績評価方法試験100%講義内容を消化して,自らの言葉で説明できているかどうかを基準として評価するレポート0%今回は課さない.平常点0%今回は課さない.ただし,休講課題を課した場合は,平常点として評価に含める.その他0%今回は課さない.備考・関連URL授業は原則として対面で行なう。科目名儒教概論古典中国における論語解釈の展開担当者名渡邉義浩東哲コース2単位春学期無フルOD2年以上オープン科目合併科目フルオンデマンド授業概要論語に載せられている孔子の言動は、すべて孔子本人のものなのか。津田左右吉の研究によれば、そのように考えられる部分は少なく、約五百章ある論語の文章の中で、孔子その人の言葉や行動を伝えるものは、半分にも届かないとされる。論語の章の過半数は、後世の思想を孔子に仮託したものであろう。しかも、全二十篇の後の篇になるほど、一篇の中でも後の章になるほど、孔子に仮託するものが多くなる。しかも、孔子の言動が、孔子の意図どおり伝わっているのかについても疑問は大きい。論語の解釈によって、論語から受ける孔子の言動は異なる。それでは、論語を読むことに意味はないのか。儒教経典に代表される古典は、時代や個人に応じて受け取られ方が異なるからこそ、時代を超えた普遍的な書籍として読み継がれてきた。論語も、それを読む一人ひとりの思いに基づいて生きる。答えが一つに固定されないことに、論語の重要性がある。本講は、古典中国における論語解釈の展開を検討することを通じて、儒教の概論を目指すものである。授業の到達目標論語の諸解釈の展開を知るなかで、それぞれの時代における儒教の特徴を考える。成績評価方法試験0%行わないレポート90%学期末にレポートを課す平常点10%積極的に授業に参加することその他0%なし講義―143―

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