文学部シラバス2021
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その他0%科目名ジェンダー論担当者名豊田真穂構築2単位春学期金曜日2時限2年以上―合併科目3授業概要本講義は、ジェンダーに関して基礎から学びたいと考える人向けのジェンダー論です。ジェンダー論に関して網羅的に学ぶことはできませんが、ジェンダー論を学ぼうとしている人にとっての導入になることを目指します。ジェンダーやセクシュアリティの視点を用いることは、社会現象や身のまわりの出来事を理解し、見落としがちな差別やそれに伴う暴力について考え、世界を今までとは違う視点で見ることにつながるでしょう。講義では、わたしたちがふだん疑うことのない常識にひそむ矛盾や思いこみに気づき、それらを打ち破っていくことを目指します。みなさんにとって身近な自分の問題としてとらえられるように、できる限りディスカッションを導入したいと思っています。*本講義は、定期配信(毎週金曜日に開講、1週間の受講期間)によって、全回オンデマンド授業として実施します。同時に、授業内容を踏まえたディスカッションを毎週金曜2限の時間帯にオンラインのブレイクアウトセッションで実施します(ディスカッションへの参加は学期中に1度は必須で、参加方法等については、講義初回で説明します)。授業の到達目標ジェンダーやセクシュアリティという分析概念を理解し、駆使できるようになること。成績評価方法試験60%毎回の小テスト(5点×14回)レポート0%なし平常点40%出席10%、ディスカッション(学期中に1度は参加)30%その他0%なし備考・関連URL初回講義時に、ディスカッションへの参加方法等、成績評価に関する説明をしますので、なるべく出席してください。科目名多民族社会アメリカジェンダーからみる多民族社会アメリカ担当者名栗原涼子構築2単位春学期木曜日5時限1年以上―合併科目―授業概要多民族社会アメリカをジェンダーと人種に関わる社会運動の歴史から検討する。とくに19世紀から20世紀にかけての女性参政権運動、平和運動、社会福祉論争などをとおして、アメリカの国民国家形成過程におけるジェンダー、人種、民族の包摂と排除の過程を考える。さらに、20世紀アメリカの西欧優位思想、帝国主義的なジェンダー規範が1960年代以降、いかに多文化的に克服されたのかを検討する。授業の到達目標①アメリカの多民族・多文化とは何かを論争的に理解する。②多民族社会がどのように変遷してきたかを歴史的に理解する。③民族、ジェンダー、人種政策が社会運動に対応して実現していった過程を理解する。成績評価方法試験0%なしレポート70%本講義に関連するテーマを各自自由に決め、引用文献を明記し、学術論文の形式を取ること。平常点30%ディスカッションへの参加その他0%とくになし科目名グローバル時代の戦争とジェンダージェンダーで読み解く戦争担当者名豊田真穂構築2単位秋学期金曜日2時限2年以上―合併科目―授業概要戦争の世紀と呼ばれた20世紀を経た現在、わたしたちは戦争を、人々に人殺しを要求するこの行為を、どのように理解すれば良いのでしょうか。本講義では、ジェンダーの視点から戦争を理解することを目指します。人類史上最大の世界戦争を二度にわたって経験した国際社会は、グローバル時代の名にふさわしく、法や制度あるいは価値観などを世界的に共有できるよう努力を重ねてきました。例えば、現在の国際社会では、戦時/紛争下の性暴力は、人道に対する罪として国際刑事裁判所(ICC)で訴追される犯罪とされています。しかし1945年に初めて人道に対する罪が規定された時には、性暴力やレイプがこの罪にあたるとして訴追されることはありませんでした。20世紀後半になり、世界各地で発生した暴力的事件を通して性暴力やレイプが戦争・紛争時の戦略的な道具とされたことが明らかになり、国連を中心とした国際介入がはじまり2003年のICC設置にいたります。2018年12月にナディア・ムラドさんとデニ・ムクウェゲさんの2人がノーベル平和賞を受賞したのは、こうした国際社会の流れの象徴といえます。現在、高度に政治問題化している、いわゆる日本軍慰安婦問題も、こうした流れのなかで理解する必要があるでしょう。本講義では、しかしながら、女性が常に戦争の被害者であったわけではないこと、戦争あるいは軍隊への参加は女性(またはマイノリティ)にとって一級市民への第一ステップでもあったことにも注意を払いながら、戦争とジェンダーの関係を考えていきます。なお、本講義では対面授業を予定しています(が、状況次第ではオンラインに変更する可能性もあります)授業の到達目標ジェンダーの視点から戦争の問題について歴史的に考察できる成績評価方法試験60%教場で行う到達度の確認講義―128―

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