文学部シラバス2021
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揶揄的な言葉まで生み出されている。だがしかし、こうした多様な市民像は、市民というこのとらえどころのない言葉のもつ、核となるイメージを逆照射してもいる。それは、主体的になんらかの行為をなそうとする意思を持った個人というイメージである。本講義では、この主体的になんらかの行為をなそうとする意思を持った個人としての市民の、現代社会における意義、果たしうる役割等について理論的、実証的に考察していく。授業の到達目標・市民社会をめぐる様々な理論枠組みや市民社会を左右する諸要因について理解し、自らの言葉で市民社会について論じることができるようになる。・自分自身も市民社会の担い手であることを自覚し、市民社会の構築に貢献できるようになる。成績評価方法試験0%レポート80%日本社会と市民意識について考察したレポートを提出してもらいます。平常点20%授業の感想や授業内容に対する意見をMoodleのレビューシートに入力してもらいます(100字以上)。その回数を元に評価します。その他0%科目名地域・都市の歴史近代都市形成の諸相担当者名森田貴子構築2単位秋学期無フルOD2年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要明治初年から第二次世界大戦までの日本の都市を取り上げ、近代都市がいかに形成されてきたのか、前近代から近代への移行について、都市計画、都市財政、都市行政、都市と社会問題、インフラストラクチャーなど、近代都市形成について多角的な観点から取り上げる。*本授業は、全回フルオンデマンド授業として実施する。授業の到達目標本講義は、近代日本において、都市がいかに形成されてきたのか、歴史的事実に基づき考察することを目標とする。成績評価方法試験0%―レポート20%学期末のレポート平常点80%毎回の小レポート他その他0%―科目名地域・都市論担当者名下村恭広構築2単位春学期金曜日5時限2年以上―合併科目―授業概要都市空間は建物や人々が単に雑然と集まっているだけに見えるが、そうした建造物群やそれらを生み出す人々の分布を丁寧に観察すると、実はある種のパターンが存在することがわかる。このパターンを都市の空間構造と呼ぼう。このような空間構造の成り立ちには、どのような要因が働いているのだろうか?様々な都市を比較したり、ひとつの都市の過去と現在とを比較すると、社会変動に伴って空間構造も変化していくことが分かる。この授業では、現代の東京を中心的な考察の対象に据え、以上のような都市の空間構造の社会的側面を理解するための手だてについて、都市社会学および隣接する諸分野(地理学や都市史など)の知見を紹介しながら解説する。授業の到達目標東京の社会-空間構造の特徴について、社会学的概念を用いて説明できるようになる。現代都市の社会-空間構造の変容過程について、社会学的概念を用いて説明できるようになる。成績評価方法試験70%学期末に実施するレポート30%授業期間中に複数のレポートを課す平常点0%その他0%科目名アジアの地域・都市の歴史開拓・入植・開発からアジア社会の地域史を編む担当者名清水美里構築2単位秋学期無フルOD2年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要この授業では、アジアの社会・文化が歴史的交流あるいは衝突、断絶を経ながら多様性をもって形成されたことを学ぶことを目的とします。地域は台湾を中心に東アジア・東南アジアを対象とし、開拓・入植・開発、地域間交流の事例を見ていきます。また、国家のレベルではない民間交流の可能性を考えていきます。アジア世界は多様性をもつ一方でそれぞれの社会が歴史的に重層的なかかわりをもちながら形成されてきました。それぞれの文化の相違は国家の形態や民族の捉え方、土地不動産の所有、金融などの近代システムの受容においても見て取ることができますが、それが現在の状況にあるのは、歴史的な交流、衝突や断絶の結果でもあります。この授業では、アジアとは何かということを問いながら、アジアの各地域・都市の歴史を考察していきます。授業の到達目標国際関係の変化が国家間のパワーバランスのみならず、地域社会や個人のレベルにまで影響してきた歴史への想像力を身につけ養うこと。そして、歴史的思考を元に自己の文化を自明とせず異文化と向き合い、建設的な多文化共生社会の実現や持講義―123―

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