文学部シラバス2021
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は国際紛争を解決する最終手段として公認されていた。主権絶対・主権平等が一大原則である国際社会にあって、戦争が公認されている以上、戦争に最低限の規制を加え、一定のルールを課すものこそ戦時国際法であり、戦時国際法を遵守する義務を有するのは軍隊である。この限に於いて、組織化された暴力装置としての軍隊と警察は、その性格を全く異にしており、又その差異にこそ関心が注がれなければならない。国家或は軍隊といったタームで意味される対象は、前近代にあっては多種多様であり、近代とは大きく異なる。この点を確認した上で、近代に成立した主権国家を考察し、国家と軍隊との関係、或は軍隊と警察との違いなどに言及していく。又、我国の歴史にあっては、軍事的要素が近代以前から大きな影響を与えていることから、幕府による武家政治、戦前の統帥権、戦後の自衛隊といったテーマを取上げる予定である。主権国家の成立を画期として、その前後を比較・考察しながら、所謂国家と軍隊との関係が如何なる歴史的変遷を経て、現代の国際社会を形成してきたのかを理解することが、本講義の目標である。授業の到達目標戦前・戦後を通じて著しく稀薄な軍隊にイメージを明確化することを目標とする成績評価方法試験0%レポート100%平常点0%その他0%科目名近現代政治社会思想論帝国主義とジェンダー担当者名熱田敬子構築2単位秋学期木曜日5時限1年以上―合併科目4授業概要現在の日本社会には、歴史修正主義の大衆化、ヘイトスピーチ、反ジェンダー運動、命の選別、新自由主義の進展など、様々な差別拡大の動きがみられる。こうした動きは、近年始まったと思われがちだが、実際は近現代の国家の成り立ち、歴史、構造と深く関係している。本講義では、帝国主義とジェンダーの視点から、日本の国家統治のシステムを支える思想・制度と、その現代的な表れについて批判的に検討する。授業の到達目標1.ジェンダーと帝国主義の視点で、日本の現状を分析できるようになること。2.現在起きている様々な差別行為の歴史的、社会的な背景を理解できるようになること。成績評価方法試験0%レポート50%期末レポートを課す平常点30%コメントシート記入で評価するその他20%小課題および中間課題で評価する備考・関連URL*授業内容は時事問題を取り入れる必要や、受講生の理解度によって変更する可能性がある。*オンデマンド配信を行うが、収録は毎回授業配当時間にzoomを用いて行う。リアルタイムで視聴可能なものはそちらに参加すること。なお、中間課題の相互コメントの会及び、その他数回の小課題については、教場もしくはzoom(感染拡大の状況により決定)で、リアルタイムのディスカッションを行う。科目名経済と国家近現代日本経済史担当者名森田貴子構築2単位春学期無フルOD2年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要近現代の日本経済について、経済と社会の関連に注目しながら検討を行う。時系列的に講義を進めながら、研究史上、何が問われ、何が明らかにされ、何が今後の課題として残されているのか、についても考える。*本授業は、全回フルオンデマンド授業として実施する。授業の到達目標本講義は、日本経済を歴史的にとらえ、研究史上、重要な課題とされてきた問題について理解を深め、広い視野と現代社会を主体的に考察する視角を得ることを目標とする。成績評価方法試験0%―レポート20%学期末のレポート平常点80%毎回の小レポート他その他0%―科目名軍隊と社会軍隊と地域社会からみる近現代日本史担当者名高田雅士構築2単位秋学期水曜日5時限2年以上―合併科目―授業概要沖縄についてはいうまでもなく、軍隊と地域社会の関係は(個々人の間で濃淡の差を含みつつも)現代を生きる私たちにとっ講義―118―

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