文学部シラバス2021
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授業の到達目標1.論理的に思考するために必要とされる基本概念を理解する。2.レポートや卒論などを書く際に、資料の中で提示されている推論を批判的に検討し、かつ、自ら良い推論を構成することができるようなスキルを向上させる。成績評価方法試験50%第15回の授業内に、筆記試験を実施する。なお、教科書、ノートなど、一切の持ち込み・参照を禁止する。レポート50%不定期で、授業中にテキストの練習問題の解答を書いて、その場で提出してもらう。その後の提出は認めない。5回実施する予定である。平常点0%なしその他0%なし備考・関連URL今年度は対面型授業をおこなう予定であるが、新型コロナウイルスの感染状況によっては、オンライン授業に切り替えざるを得なくなるかもしれない。科目名論理学担当者名齋藤暢人人間2単位秋学期金曜日2時限1年以上―合併科目―授業概要この授業では、現代の論理学(記号論理学)の基礎を学び、論理的思考能力を高めることをめざす。インターネットの普及、AIの活用など、現代社会ではさまざまな局面で情報科学の基礎教養が求められる。そうしたなかにあって、現代論理の基礎的な知識と技術の習得は、人文科学も含む高等教育にとって必須である。現代論理学の二大部門である文論理と述語論理のそれぞれに対して、構文論と意味論の立場からアプローチし、タブローの方法、自然演繹、論理計算などの諸体系を紹介しつつ、例題の解説によって証明の方法を論じ、論理的な思考をいかにして組み立ててゆくのかを明らかにする。授業の到達目標さまざまな証明の技術の基礎を学ぶこと。成績評価方法試験60%レポート20%平常点20%その他0%科目名グローバル化と日常生活グローバル化と日常生活について哲学的・倫理学的に考える担当者名吉田修馬人間2単位春学期水曜日3時限1年以上―合併科目―授業概要人や物やお金、情報やサービスが、従来の境界線を越えて地球規模で行き交うという意味でのグローバル化は、私たちにとって、日常的なことであり、言わば当たり前のことです。他方でグローバル化は、例えば、自由や平等や正義、主権国家体制や民主主義や資本主義といった、私たちの生活と社会が依拠している、当たり前の考え方やしくみに変貌を迫っているようにも思われます。私たちの日常生活はすでにグローバル化していますが、今後のグローバル化の進展によって私たちの社会のしくみが変わるなら、私たちの日常生活もさらにその変化の影響を受けるかもしれません。しかし、私たちはグローバル化についてどのように考えれば良いのか、私たちはこれからどのような社会を作っていけば良いのか、まだ必ずしも議論は尽くされていません。哲学は、当たり前だと思われていることをいったん括弧に入れて、物事を原理的・根本的に考え直す営みであり、そのための概念や理論を組み立てる営みです。そして、人間はどう生きるべきか、社会はどうあるべきかについて、原理的・根本的に考える哲学の一分野が倫理学です。この科目では、私たちはどう生きるべきか、私たちの社会はどうあるべきか、という視座から、グローバル化について原理的・根本的に考えていきたいと思います。つまり、グローバル化と日常生活について哲学的・倫理学的に考えることが、この科目の全体を通したテーマです。グローバル化によって、私たちの日常生活は、一見すると私たちにとって身近とは思えない、遠くの国の政治や経済の状況、グローバル企業の活動などによって、大きく左右されるようになっています。本講義では、政治学や経済学の予備知識は必要ありませんが、必ずしも私たちが制御しきれないグローバルな政治や経済の動きが、私たちの日常生活に大きな影響を与えるようになっているという問題意識に立って、これからの政治や経済のあるべきしくみについて、哲学的に考えていきます。また、グローバル化は現在進行中の現象ですが、そうであるがゆえに、私たちはグローバル化について考察するのに必要な距離を置くことが困難です。そこで本講義は、グローバル化を近代という少し長い時間の幅の文脈に置き直しつつ、現在の私たちの社会のしくみと過去の類似のしくみとの比較検討を試みます。つまり、グローバル化について哲学的に考えるための方法の一つとして、社会のしくみの歴史的な変化を手がかりにします。社会における課題をめぐっては、相手を罵倒したり論破したりするのではなく、様々な立場や考えの人たちが知恵を出し合って、様々な議論の長所や短所を検討し、より良い妥協点を探るといった地道な作業を続ける必要があります。グローバル化は、私たちの日常生活にとって、様々なメリットやデメリットがあります。それを確認した上で、自分たちにとっての直接的なメリットやデメリットはいったんカッコに入れて、グローバル化について、原理的・理論的に検討します。本講義では、予備知識は必要ありませんが、グローバル化をめぐる、答えが簡単には見つからない問題について、考え方や価値観は人それぞれだで終わるのではなく、粘り強く、かつ柔軟に考える受講者を期待します。本講義の全15回の授業うち、前半の7回では、グローバル化とはどのような現象なのか、ということをテーマごとに概観講義―103―

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