教育学部
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地殻運動の巡検(下仁田)理学科  Science地球科学専修●固体地球を中心に地質学・岩石学・鉱物学・火山学・古生物学・惑星科学などの広い分野での教育・研究を行っています。教員と学生が手をとりあって、地球科学の最新研究テーマにチャレンジしています。●地球科学において最も重要である自然観察・フィールド調査を重視した教育・研究体制です。 国内はもとより、海外のフィールドワークも積極的に行っています。●学生相互や教員とのコミュニケーションの機会が非常に多いことも特徴です。地球科学専修では、地球を構成している気圏・水圏・固体地球のうち、固体地球を中心に探求しています。そのほか、隕石や太陽系から遠く離れた天体の探求も2006年度から始まっています。地球が生まれて46億年、この気の遠くなるような長い期間に起こったさまざまな出来事が、大地を作っている岩石のなかにいろいろなかたちで記録されています。地球科学はこの記録を読み取り、記録を残した事件を解明するというロマンに満ちた科学です。その成果は地球環境問題の対策をはじめ資源開発・防災など人間の生活を支える部分の基礎となっています。原子の単位から大陸の規模まで、ありとあらゆる大きさにわたっている記録を読み取る理論と技術がカリキュラムの中心をなしています。地球科学がこのような性格の学問であるため、地球科学専修では講義のほかに、実験・演習それにフィールドにおける見学・実習が特に重視されています。学生は山野をかけめぐって地層や岩石の状態を調査して太古に生起した事件を解明し、採取してきた標本をさまざまな分析にかけて岩石がつくられた環境や条件を推定します。地層中の化石も生物の進化と地球環境を物語る大切な試料として研究されています。卒業生は中・高等学校の理科教員、鉱山・資源・環境・建設などの地球科学関連分野はもちろん、広く出版・製造・コンピュータ・科学機器業界で、身につけた地球規模の視野と悠久の時の流れの感覚を活かして活躍しています。さらに研鑽を積むために、本学大学院創造理工学研究科や他大学の大学院に進学する者も多く、すでに相当数が第一線の研究者として活躍しています。 地球科学実習(北海道巡検)この授業では、貸し切りバスを利用して北海道を7日間かけて旅します。訪れる場所は、洞爺湖、襟裳岬、三笠市、神居古潭などであり、北海道の南部をほぼ縦断する事になります。この授業では、日本列島がどのようにしてできたのか学べるだけでなく、旅の行程を通して、日本列島の生い立ちが「実感・体感」できるのが最大の特徴です。例えば、火山活動を目前で観察したり、化石を自ら採取したり、大陸と大陸が衝突した場合、なにが起きるのかを実際に見ることができます。また、未だ人類未踏の場所であるマントルの物質を実際に手にする機会を得ることができます。参加者はこのような経験から、北海道が形成された歴史をあらゆる角度から自ら検証します。 岩石学実験主に3年生が、岩石学研究のプロセスとテクニックを学びます。学生毎に異なる岩石サンプルを調べます。次年度卒論を行う研究室に合わせて、変成岩・深成岩・火山岩のいずれかを選びます。先ず、希望する学生は、野外での採取からスタートします。さらに全学生が、肉眼観察、薄片作成、偏光顕微鏡での薄片観察・写真撮影、SEM・EPMAによる鉱物の観察・組成分析を、順に行います。そこでは、観察に基づき岩石形成過程の仮説を立て、それを鉱物組成分析により検証するという、プロセスの重要性も学びます。以上と並行して、採取地域や火山の文献調査も進めます。実験の最終回では、パワーポイントを使った一人10分程度の成果発表を行います。担当教員やTAからの質問に答えることで、探求岩石について、さらに理解を深めます。私は理系科目が好きで、それらを総合的に駆使して研究する学問である地球科学を学び、身近な自然に存在する疑問や環境・資源問題などの地球の現状について理解・研究してみたいと考えて入学しました。現在は衛星地球観測学研究室で地球観測衛星のデータを利用し、特に火山活動の監視を主とした地球環境の研究を行っています。将来は地球科学に情報科学の手法を導入することを考えており、専門分野に加えて学びを深めているところです。教育学部では多様な人と出会い、ともに学び、成長することができます。この経験は教員になる人はもちろん、様々な人にとって将来に向けた貴重な財産になるものだと思います。Hayashi Ryo林諒[取得できる学位]  学士(理学)[取得できる教員免許状]理科(中学1種・高校1種)学科・専攻・専修の特色WASEDA UNIVERSITY SCHOOL OF EDUCATION GUIDE 202016学科・専攻・専修紹介

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