教育学部
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科目紹介 19 専任教員一覧 23 教職課程 24 資格取得 25 進路 26 卒業生インタビュー 27 2018年度 入学試験概要 28 2018年度 自己推薦入学試験のご案内 302018年度から社会科社会科学専修は「公共市民学専修」に変わります。A dialogue対談 複雑化する社会を「公共」と「市民」の視点から読み解く松本直樹教育学部長(以下 松本):今、私たちを取り巻く社会は様々な価値観を持った人々で構成され、自明のように考えられていた国民国家も揺らぎを見せています。社会科学専修は公共市民学専修へと再編されますが、「公共」と「市民」は現代の社会でとても重要な概念ですね。遠藤美奈教授(以下 遠藤):そうですね、「公共」も「市民」も、内容を一義的には説明できない言葉です。しかし公共市民学専修では、あえてこの2つの概念を手がかりに、社会のあり方をより根底的に捉え直すことを目指しました。広く「公共」とは、必ずしも国や政府などの公権力に関する事柄に限定されず、価値や利害をめぐる関係性のまとまりごとに形作られてゆくものです。社会に存在する何らかの現象について考察するならば、社会において「公共的なもの」と私的なものとの境界線が歴史的に変化していることに留意する必要があります。そして誰がその線を引いているのかということも含め、境界線の引き方そのものも見直されるべき場面があることに意識的でなければなりません。社会科学の諸学問分野から社会を「問う」ことはこれまでと変わりませんが、新専修は、社会科学専修で築かれた教育・研究上の経験を土台にしながら、より学問横断的に、また、社会における「公共」とは何か、その「公共」に参画する「市民」とはどのような存在なのかという、より根源的な問いからそれぞれの関心に沿って思索を重ねてゆけるよう、カリキュラムの発展的再編を行いました。 理解し、判断し、実践する“本物の力”を養うカリキュラム遠藤:1年次の必修科目「公共市民学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(合計12単位)」では、専修の基幹的学問分野である社会学、メディア・コミュニケーション学、法学、政治学、経済学を横断して「公共」と「市民」をめぐる議論が展開されます。それをつうじて複眼的に社会をとらえる能力を養うとともに、加えて1・2年次必修の5つの概論科目で、学問的な基礎体力も身につけてゆきます。そして2年次の秋以降には対話型・実践型の少人数授業も用意し、さらに思索を深めて自らアウトプットできるようにする体制を整えています。松本:公共市民学専修のもう一つの目玉は、教員免許に関する変革です。教員免許取得に必要な科目を必修概論科目に組み込むとともに、卒業単位に算入できる教職課程科目の単位数を大きく増やしたのは、免許取得を目指す学生を専修全体でサポートするためです。2022年度から高校公民科に必修科目として「公共」が導入される予定ですが、この科目をしっかり指導できる教員の養成も、やはり早稲田大学教育学部の果たすべき大切な役割の一つです。その意味でも、科目の内容を先取りして深められる公共市民学専修への期待は大きいでしょう。 早稲田大学教育学部、そして公共市民学専修を目指す人へのメッセージ遠藤:大学は「探究するべき問い」を4年間をかけて探す場所でもあります。その問いへの答えが卒業までに見つからなくても、たゆまず問いかけ、試し、考えた経験は、やがて社会で生きていく上でかけがえのない、大きな糧となるでしょう。そのような経験をぜひ公共市民学専修で積んでください。この社会は私たちの社会です。より良い社会を構想し、それぞれの持ち場でその実現にかかわってゆきたいと考える一期生を待っています。松本:早稲田大学教育学部は、文学から数学・地学・生物学まで、文理を問わず幅広い学科・専攻・専修を用意しています。一つの学部でこれだけ幅広い学びのフィールドを持っているのは非常に稀だと思います。自分の専門とは違う分野の教員や仲間と触れ合える機会が多くあり、これは教師を目指すにせよ、学校以外の社会で働くことを目指すにせよ、大きな財産になるでしょう。ぜひ早稲田大学教育学部で力をつけてください。教育学部長松本 直樹教育学部教務主任社会科社会科学専修 教授遠藤 美奈学部長挨拶・対談WASEDA UNIVERSITY SCHOOL OF EDUCATION GUIDE 20183

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