トも行うため、できればmoodleにアクセスできる端末(PC、スマートフォン、タブレット等)を持参してください。科目名編集論2文学・メディア・社会にあらわれる無数のエディット担当者名市川真人文ジャ2単位秋学期金曜日5時限1年以上―合併科目―授業概要私たちの思考は、それが言葉によってなされる限り(そしてそのようなものを思考とふだん私たちは呼ぶわけですが)、逃れようもなく他者の言葉の再構成です。かつてフランスの哲学者ロラン・バルトたちも口にしたように、あらゆるテキストは引用の織物であり、私の文章私だけの思考などといったものは、仮にそれが存在するとしても、引用の集積でしかないというギリギリの認識の先に、はじめてかそけくあるにすぎません。しかし近代の社会では、それ以前の社会と比較して、個人の主体を強調することが選ばれました。その結果、画一的な回答を求める一方で個性を重視するという教育の矛盾をはじめ、さまざまな場所で社会のゆがみが生じています。しかし同時に、そうした矛盾こそが、近代の社会を安定させるとともに多様で豊かなものにしてきたことも、事実です。そうした複雑さは、コンテンツにおいても、象徴的に現れてきました。ひとつの作品を多数の人間が鑑賞する非対称な構造と、その価値や評価がメディアによって一定の流れとしてかたちづくられつつ、個人がそれぞれの感想や感情を抱くという、近代以降を生きた私たちにとっていわば自明のコンテンツ消費は、この作品とそれを鑑賞する私のあいだにある同一性と矛盾とを際立たせます。さらには、同じ作品を違う角度、違う解像度、違うレイヤーで見たときに、私たち自身に生じる感情や印象の変化にも、そうした特徴を見いだすことができます。この授業では、それら複数のレイヤーについて、個々に様々な表象の実例を見てゆきます。文学・コミック・映像と複数のカテゴリーにまたがったいくつかの作品を対象に、思考をエディットする者としての感覚を(自覚の有無とは別に)伴って書かれた作品とそうでない作品、それぞれの特質や魅力、退屈さなどについてみてゆくほか、それらが作品として形成されてゆく過程、さらにはメディア化されてゆくさまと、その背景にどのようなメディアの進化や社会構造があるかなど、その一連の流れと、それらがどのようにひとつの世界を構築してゆくかについて追ってゆきます。※本授業は教室授業を基本とし、一部オンライン授業で7回まで実施します。授業の到達目標エディットという視座が作品あるいはその周辺にどのように存在するか、あるいはどのような影響を相互に与えているかについて、いくつかの実例とともに理解する。成績評価方法試験0%レポート70%講義の理解度と、それを応用しての思考・論述力、オリジナリティなど。平常点30%主にオンライン回での出席(視聴履歴)と、教室での出席カード等によります。その他0%備考・関連URL【オンライン回の実施方法について】2020年度のオンライン授業での学生のみなさんの反応を踏まえて、講義授業のおよそ2回に1回の割合で、コメント・チャット機能を活用した質疑やレスポンスを行うためのリアルタイムでのオンライン授業と、反転形式の授業を行うためのオンデマンド授業を予定しています。詳細は教場およびmoodleのアナウンスメントで随時お伝えします。初回は教室授業で行う予定ですが、参加できないひとのためのリアルタイム配信と、主に1年生のためのチャット機能のテストも行うため、できればmoodleにアクセスできる端末(PC、スマートフォン、タブレット等)を持参してください。科目名出版文化論日本の近代出版史担当者名澤直哉文ジャ2単位秋学期水曜日5時限1年以上―合併科目―授業概要あらゆる文化同様、出版もまた、他の文化領域のみならず、政治・経済・社会と強く結びつき、歴史のなかでみずからを形成していきます。したがって、今日における出版文化について考えようとするならば、必然的にその歴史に学び、現在を見据える視座を獲得せねばなりません。本講義では、円本・豪華本・文庫本という三本の柱を据えて、日本のいわゆるマスプロ出版の出発点である関東大震災以降、主として戦前の出版史を追っていきます。その功罪を学びつつ、歴史のなかにアクチュアルな問題を見出していきましょう。授業の到達目標政治・経済・社会と結びついた事象として出版文化を理解する。成績評価方法試験0%なしレポート50%授業で学んだことを生かしつつ、出版文化について論じてもらいます(分量は1000〜1500字ほどを予定)。提出日・内容・分量・体裁等については、教場にて改めて詳細に指示します。平常点50%出席カードを配布します。その他0%なし備考・関連URL*授業計画は、受講者数やその興味と理解度に応じて変更となる場合があります。講義―101―
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