文化構想学部シラバス2021
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そこで本講義は、19世紀に発明されたこの技術の、さまざまな応用例を歴史的に概観しながら、写真とは何かという問いに対する答えを見つけだすことを試みていく。それはすなわち、写真と呼ばれるものを通して、私たちが何を見てきたのかを問うことでもある。デジタル写真が隆盛を極める現代は、写真技術の歴史にとって決定的な変化がもたらされている時代である。この変化は、私たちが写真を通して見るものをも、これまでとは別の何かに変えてしまうのだろうか。写真の歴史を学ぶことで、本講が最終的に問い直すことを目指すのは、このような現代的な問いかけである。授業の到達目標写真史の大まかな流れを理解し、写真という言葉で名指されるイメージの多様性について考察を深め、その考察に基づいたレポートや写真作品を制作する。成績評価方法試験0%レポート80%レポートを提出してもらいます。課題や締切は授業内で指示します。平常点20%コメントシート等によるフィードバックを総合的に評価します。その他0%備考・関連URL2020年度はフルオンデマンド形式で実施します。毎週金曜日に講義動画をMoodle上で公開しますので、翌週の水曜までに視聴を終えてください。科目名テレビ文化論担当者名長谷正人表象2単位秋学期火曜日5時限2年以上―合併科目4授業概要テレビとは何かを、具体的な番組のありようを通して考える。たとえば音楽を聴くのに、それを歌っている人間の姿を見ながらというのは、邪魔ではないか。しかしテレビを通してだからこそ表現される歌のありようが、沢田研二や山口百恵を通して実践されてきた。あるいはテレビは演芸場とは異なったお笑いを主要なジャンルとして確立させてきた。このようにいま私たちが自明のものとしてみなしているテレビ文化を自明でないものとして見なすことを目的としながら、テレビの多様な表現を見渡していく。取り上げるのは、スポーツ中継番組、歌番組、クイズ番組、旅番組などである。授業の到達目標現在のテレビ文化を自明の文化とは見ないようになること。成績評価方法試験80%授業の理解度を問うレポート0%なし平常点20%出席点その他0%なし備考・関連URL授業はzoomによるライブ生配信で行う予定です。通信トラブルや受信環境を考慮して授業は録画してオンデマンドで見られるようにします。科目名サブカルチャー論1担当者名宮沢章夫表象2単位春学期無フルOD2年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要意外だと思うでしょう。講義名から想像する内容への期待に反して、これは歴史の授業です。サブカルチャーを歴史的にとらえその本質を考えます。サブカルチャーはしばしば、サブカルと略されて言葉にされる。けれど、そうした話法で単純に語られるのは正しいだろうか。たしかに正しいという価値や基準で、〈もの〉や〈こと〉を規定することが,そもそも、非サブカルチャー的だ。サブカルチャーとサブカルはまったく異なる概念だ。言葉の概念を歴史的にとらえなければいけない。その具体的な、つまりサブカルチャーを構成する音楽や美術、コミックや映画をはじめとする多くの〈もの〉や〈こと〉に対し、イメージだけの視点でそれらを否定する、いわばハイカルチャーしか認めない者らがいる一方、肯定し、むしろその内側にこもる者(しばしばオタクと呼ばれる人たち)からも距離を置きサブカルチャーをあらためて考える。それが講義の全体を包括するテーマになるでしょう。授業の到達目標いま現在ここにあるものは、突然、生まれたのではなく、ある系譜によって生まれたことを理解する。そのことによって、ものの見方、新しいものだけが、すぐれているのではないといった考え方を提示する。成績評価方法試験0%試験はありません。レポート50%授業の理解がどれほどだったか、そして、個々の関心領域について、どれだけ言語化できるか。平常点50%出席はチェックします。その他0%レポートと、平常点で評価します。科目名サブカルチャー論2担当者名宮沢章夫表象2単位秋学期無フルOD2年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要先にサブカルチャー論1のシラバスに書いたように、これは文化を時間軸で追う歴史の授業です。講義―74―

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