文化構想学部シラバス2021
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科目名メディアの思想と倫理2ヴァーチャル・リアリティの哲学担当者名藤本一勇表象2単位秋学期木曜日2時限2年以上オープン科目合併科目―授業概要ヴァーチャル・リアリティとは、コンピューターが生成するいわゆる仮想現実だけではない!言語や社会、国家や貨幣、さらに言えば心でさえヴァーチャル・リアリティとみなすことができる。それらはいわば伝統的なヴァーチャル・リアリティであり、それらはフィクションでありながらも歴史的に人間を大きく拘束してきた。今日コンピューターが生成する仮想現実が問題になるとすれば、それはこうした伝統的なヴァーチャル・リアリティに電脳的なヴァーチャル・リアリティが加わってきて、その布置を変えようとしているからである。今日生じているのはヴァーチャル・リアリティの再編なのだ。本講義では、人間とはヴァーチャル・リアリティによって生きる動物である(アリストテレスのロゴスを持った動物という人間定義をもじって言えば)という見立てにもとづいて、人間と機械と宇宙のネットワークが織りなすヴァーチャル・リアリティの世界の根源性と奥深さを探究する。そのとき、生命や社会、人間や個は、物理法則に抵抗する特異点として、その価値を主張することになるだろう。ヴァーチャル・リアリティの言葉と概念を拡張することによって、物理宇宙から生命、心から社会・文化までをも貫く巨大なパースペクティブを構築することを目指す。*対面での講義を予定していますが、Covid-19の状況によってはオンラインもしくはオンライン併用になります。授業の到達目標ヴァーチャル存在としての人間の可能性を、政治や経済、心や社会、文化や思想といった多層的な水準で理解すること。成績評価方法登録者数によって変わる。40名以内ならばレポート、それ以上なら理解度の確認の試験(Covid-19の状況により試験ができない場合は、レポート)。出席点は参考程度。科目名映像メディアの社会学担当者名長谷正人表象2単位春学期火曜日5時限2年以上―合併科目4授業概要映像メディア文化はいま大きな変化を遂げようとしています。20世紀を支配したハリウッド映画産業の大量生産式映画の大衆的受容体験やテレビ放送による生中継の国民的視聴体験といったようなマスコミュニケーション形式は、インターネットやデジタル放送やDVDなどのデジタル複製技術の隆盛によって変容しつつあります。大衆文化はいまやパーソナルな文化としてその姿を変えようとしているかのようです。この現代の映像文化の歴史的変容の意味を、過去の歴史的出来事を振り返って考え直してみようというのがこの授業の目的です。まず最初に映画というメディアについて考えます。最初に映画を見た観客がどのような反応を示したかを見ることで私たちの常識とは違った映画受容のありようへの想像力を働かせます。さらにその後の映画がいかにして大衆を熱狂させるメディアとして成長していったかを考えます。次に写真というメディアがいかなる社会的機能を果たしてきたかを、私的な写真と大量複製写真とを比較することによって考えます。最後にテレビについて考えます。テレビというメディア文化がいかに20世紀後半の社会を作り出してきたかを考えます。授業の到達目標映像文化が自明のものではなくなること成績評価方法試験80%授業内容の理解度を問うレポート0%なし平常点20%出席点その他0%なし備考・関連URL授業はZoomによる生配信で行いますが、通信トラブルや受信環境を考慮して、ライブで受講しなくてもよいように授業を録画してmoodleにアップします。科目名現代映画論ハリウッドの現在担当者名藤井仁子表象2単位春学期無フルOD2年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要※本授業は全回オンデマンド授業として実施します。1990年代以降のハリウッド映画は、CG技術の普及、人種的・性的マイノリティからの権利主張を受けての政治的公正さ(PC)の導入などにより、内容面で深刻な変化を強いられました。それに加えて、DVDやケーブルテレビ、インターネット配信等の普及によって受容面においても、また複数の産業が業種・国家の境界を越えて結びつき巨大メディア・コングロマリットを形成したことによって産業面においても、根本的な変化が引き起こされました。本講義では、こうした新しい事態について具体的な作品分析の実践を通して考察します。講義形式によりますが、受講生は授業と並行して各自で教科書を読み進めなければなりません。また、受講生は課題作品を事前に各自で必ず見てから講義に臨むように(自分の眼で見ることなしに出席だけしても学習効果は期待できません)。学部ディプロマポリシーに謳われるとおり、人と情報が地球規模で交流し、文化が複雑に絡まりあい、多面的な様相がみられる時代を生き抜くための幅広い教養をもった人材の育成を目指します。講義―72―

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