文化構想学部シラバス2021
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科目名現象学への導入担当者名長坂真澄複合2単位春学期水曜日2時限1年以上―合併科目4授業概要現象学とは何か、それはなぜ、いかにして、誕生したのか。本講義では、現象学が樹立されるにいたる背景となった近代の哲学史的文脈から出発し、哲学史における現象学の革新性を解説する。とりわけ、現象学を理解する上で欠くことのできない、デカルト、ライプニッツ、ヒューム、カント、フレーゲの関連する議論を概観しつつ、フッサールがこれらの哲学から何を学び、何を問題とし、自らの方法論を彫琢していったのかを考察する。(※本講義は、全回に渡り、リアルタイム配信型授業として実施する。ただし、講義内容は可能な限りすべて録画し、全回ともオンデマンドでも視聴できるようにする。双方向的な講義の実現のため、リアルタイム配信への参加が望ましいが、全回ともオンデマンドで視聴した場合でも、成績評価において不利となることはない。)授業の到達目標いかなる哲学的問題に導かれて現象学が要請されるにいたったのかを理解することにより、現象学を哲学史の中に位置づけつつ、その意義を理解することができるようになることを目指す。成績評価方法試験0%-レポート50%レポート平常点50%講義への参加度その他0%-備考・関連URLhttps:researchmap.jpmasumi_nagasakaCourses科目名カント哲学と現代現代における定言命法の展開担当者名田原彰太郎複合2単位春学期無フルOD1年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要本講義では、現代のカント主義的倫理学を取り上げます。具体的には、大きく分けて、二つの主題に取り組みます。一つ目の主題は、クリスティーン・コースガードが義務とアイデンティティの倫理学において提示しているカント主義的倫理学です。コースガードは、現代の代表的なカント主義者の一人です。コースガードの主著のひとつが義務とアイデンティティの倫理学です。この著作でコースガードは、目的自体としての人間性と自律というカントの考えを、独自の仕方で再構築したうえで自説に組み込み、展開しています。本講義では、この義務とアイデンティティの倫理学をカント的着想の現代的展開として読み解きます。この考察の際には、現代哲学においてカント的遺産の一つとして見なされている超越論的論証にも触れることになります。二つ目の主題は、普遍化可能性です。カント倫理学の基礎的原理は定言命法であり、その一つの方式は、大まかに言って、普遍的法則として意欲可能な格率に従ってのみ行為せよという内容を持ちます。この命令内容が、現代において普遍化可能性(universalizability,Universalisierung)と呼ばれ、カント的倫理学を代表するもののひとつとして考えられています。この普遍化可能性論を、オノラ・オニールの行為における一貫性(理性の構成所収)とコースガードのカントの普遍的法則の方式に即して、考察します。本講義では、この普遍化可能性が現代倫理学のどのような文脈の中でどのように解釈されているのかを読み解いていくことになります。カント倫理学についてある程度の知識を持っている人はここまでの記述ですでにお気づきかと思いますが、普遍化可能性(カント自身はこの言葉自体は使ってはいませんが)だけではなく、目的自体も自律も、定言命法に属するものとしてカントが提示した概念です。現在でも出版活動などを行っている現役の哲学者によるこれらの概念の再構築や解釈を扱う本講義は全体として、定言命法の現代的展開について考察するものとなるはずです。本講義では、たんに教員が解説をするだけではなく、受講生各自がテクストを読み、自分の意見をまとめる時間を設ける予定です。授業の到達目標まず、この授業で扱う概念と論証を正確に理解することを目指してください。そのうえで、受講生各自がそれぞれの研究活動の中でこの授業で学んだ概念と論証とを活用できるようになってください。成績評価方法試験0%レポート80%期末レポートを課し、その点数で評価を行います。平常点20%3分の2以上の出席を単位取得の条件とし、期末レポートで評価を行います。その他0%科目名メディア論1歴史から見るメディア担当者名藤本一勇他/岡室美奈子/チェンドミニク/長谷正人表象2単位春学期無フルOD1年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要この講義は、メディア論プログラムへの入門編として、表象・メディア論系の教員4名が交替でそれぞれの専門分野からメディアをめぐる諸問題について概説する。メディアという言葉から、たとえばマス・メディアが連想されるかもしれない。が、メディアとはメッセージや情報の講義―70―

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