文化構想学部シラバス2021
59/620

科目名文化人類学の最前線1文化人類学的研究の広がりを学ぶ担当者名酒井貴広他/大澤誠/三浦恵子/箕曲在弘/山本まゆみ複合2単位春学期無フルOD1年以上オープン科目合併科目フルオンデマンド授業概要文化人類学は、人間の営みを総合的に扱う学問として知られる。文化人類学の発達の過程で従来研究の対象とされてきたのは、比較的規模の小さい地域社会が大部分であり、周辺の地域や親族関係などの中で閉じた文化を想定していた。しかし、世界システムが急速に拡大し、グローバリゼーションがいたるところで唱えられている今、文化の境界が極めて不明確となってきている。こうした状況の中で、文化人類学的研究には二つの大きな潮流が見られる。一つは文化人類学の限界と終焉を唱える悲観的な見方であり、他方はこれまで文化人類学が培ってきた知識と研究方法を、積極的に現代の文化現象の分析と解釈へ応用しようとする挑戦的な試みである。本講義では、後者に重点を置きながら、文化人類学という学問がいかなる現況に置かれているのかを示し、それぞれの細分野における最新の研究成果をわかりやすく解説する。その上で、文化人類学が人間の営みを考え続ける上で在るべき方向性について、どのような問題提起を行っているのか、それに対して自らどのような答えを導き出そうとしているのかを明らかにする。授業では、文化人類学が現代世界をどのように見ているのか、どのような点に着目しなければならないのか、そしてそうした問題群を分析する際にどのようなアプローチが実現し得るのかを、様々なトピックから多角的に検討する。授業の到達目標文化人類学における最新の研究課題について、理解を深める。成績評価方法試験0%試験は行わない。レポート80%授業内容の理解度を評価の対象とする。平常点20%出席状況を評価の対象とする。その他0%特記事項なし。備考・関連URL本講義を受講する前、あるいは授業と並行して、文化人類学の基礎的な講義を受講しておくことが望ましい。また、この講義は、秋学期に開講する文化人類学の最前線2の授業と対になっているため、文化人類学の最前線1・2両講義とも受講することを推奨する。科目名文化人類学の最前線2文化人類学の多様なアプローチを学ぶ担当者名酒井貴広他/牛山美穂/大坪聖子/黒崎岳大/三浦恵子複合2単位秋学期無フルOD1年以上オープン科目合併科目フルオンデマンド授業概要文化人類学は、人間の営みを総合的に扱う学問として知られる。文化人類学の発達の過程で従来研究の対象とされてきたのは、比較的規模の小さい地域社会が大部分であり、周辺の地域や親族関係などの中で閉じた文化を想定していた。しかし、世界システムが急速に拡大し、グローバリゼーションがいたるところで唱えられている今、文化の境界が極めて不明確となってきている。こうした状況の中で、文化人類学的研究には二つの大きな潮流が見られる。一つは文化人類学の限界と終焉を唱える悲観的な見方であり、他方はこれまで文化人類学が培ってきた知識と研究方法を、積極的に現代の文化現象の分析と解釈へ応用しようとする挑戦的な試みである。本講義では、後者に重点を置きながら、文化人類学という学問がいかなる現況に置かれているのかを示し、それぞれの細分野における最新の研究成果をわかりやすく解説する。その上で、文化人類学が人間の営みを考え続ける上で在るべき方向性について、どのような問題提起を行っているのか、それに対して自らどのような答えを導き出そうとしているのかを明らかにする。授業では、文化人類学が現代世界をどのように見ているのか、どのような点に着目しなければならないのか、そしてそうした問題群を分析する際にどのようなアプローチが実現し得るのかを、様々なトピックから多角的に検討する。授業の到達目標文化人類学における最新の研究課題について、理解を深める。成績評価方法試験0%試験は行わない。レポート80%授業内容の理解度を評価の対象とする。平常点20%出席状況を評価の対象とする。その他0%特記事項なし。備考・関連URL本講義を受講する前、あるいは授業と並行して、文化人類学の基礎的な講義を受講しておくことが望ましい。また、この講義は、春学期に開講する文化人類学の最前線1の授業と対になっているため、文化人類学の最前線1・2両講義とも受講することを推奨する。科目名文化人類学1文化人類学の基礎を学ぶ担当者名國弘暁子複合2単位春学期火曜日4時限1年以上オープン科目合併科目―授業概要人類学(Anthropology)とは、anthropos(ギリシャ語で人間を意味する)について研究する学問(logy)である。アメリカの文化人類学(CulturalAnthropology)、イギリスの社会人類学(SocialAnthropology)、フランスの民族学(Ethnology)など、名称は地域によって異なり、また学史的な違いもあるが、今日では研究の射程における違いは然程見られなくなっている。文化人類学1の授業では、西洋で誕生した人類学の発展に貢献してきた先駆者たちの業績を紹介しながら、それらが現代社会に生きる私たちにとってどのような意義があるのかについて考える。異文化に生きる人々の生活に関する人類学的研究の蓄積を通じて、私たちの身近にある出来事のなかに彼らとの共通項をどのようにして見出すことができるのか。諸文化の多様性のなかに普講義―62―

元のページ  ../index.html#59

このブックを見る