文化構想学部シラバス2021
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根拠に対して問い抜くのがこのゼミの内容である。さて、行為規範は日常的には明確に意識されていない。それが意識されるのは、往々にして私たちが自分の生きる社会に道徳的問題(環境問題、医療問題、介護問題など)を見出したときである。この観点から、行為規範への問いは、私たちの社会はどうあるべきかという問いを誘発するだろう。他方、道徳的問題の意識は、そもそも行為規範とは何で、その正当性・妥当性はどうやって保証できるのか、という問いをも生み出す。したがって、このゼミは、一方で、現代社会の固有の性格ならびにその道徳的問題を的確に把握し、その解決の方向性を目がけて考え抜く研究と、他方で、道徳的問題の抽象的な根拠を考え抜いて、哲学的思惟の蓄積に接続する研究の二面をもつことになる。春期は、一冊の著作を輪読するとともに、ゼミ生の要望があれば、いくつかのグループ研究を組織し、グループ発表を準備・実施する。(秋期も同様の作業を行う場合がある。)また、参加者が海外文献・新聞記事から見つけた倫理問題の紹介を紙面で行う。4年生には、授業時間外にゼミ論文指導を行う。全体として、学生相互の討論などを通じて、ゼミ生が自らの研究テーマを確立し、それを追及することを課題とする。授業の到達目標このゼミの到達目標に関しては、3年生は倫理学的問いをしっかり問えるようになること、4年生はそうした問いに基づいたゼミ論文の研究を前進させることである。成績評価方法試験0%試験は行わない。レポート50%三年生は春学期に扱ったテーマから一つを選んでレポートを作成する。四年生以上はゼミ論文を目掛けて、レポートを書く。平常点50%授業回数の三分の二以上の出席を成績評価の条件とする。討議への積極的参加が求められる。また、毎回の討議を経てさらに考えたことを、WasedaMoodleに書き込む。その他0%時事的倫理問題を提出したゼミ生については、それを加点材料とします。備考・関連URL各回90分では時間が不足する。そこで、参加者には6時限の前半程度までの時間延長を許容してもらいたい。また、サブ・ゼミを充実させることを心がけてもらいたい。そのためには、授業の空き時間にグループで集合し、研究を進めることが必要となる。授業の枠外で、関係を生きる人間論プログラムの合同ゼミが開催される。それにも必ず出席すること。この授業は教室で実施される予定です。科目名関係を生きる人間論ゼミ(プラクティカル・エシックス)(秋学期)現代社会問題の倫理的性格を把握する担当者名御子柴善之人間2単位秋学期木曜日5時限3年以上―――授業概要私たちは、ともに生きている。すなわち、他の人間と関係をもち、関係を構成しながら生きている。そこに人間関係(自分自身への関係を含む)を規制する行為規範(きまり)が生まれ機能することになるが、この行為規範に対して問いを向け、その根拠に対して問い抜くのがこのゼミの内容である。さて、行為規範は日常的には明確に意識されていない。それが意識されるのは、往々にして私たちが自分の生きる社会に道徳的問題(環境問題、医療問題、介護問題など)を見出したときである。この観点から、行為規範への問いは、私たちの社会はどうあるべきかという問いを誘発するだろう。他方、道徳的問題の意識は、そもそも行為規範とは何で、その正当性・妥当性はどうやって保証できるのか、という問いをも生み出す。したがって、このゼミは、一方で、現代社会の固有の性格ならびにその道徳的問題を適確に把握し、その解決の方向性を目がけて考え抜く研究と、他方で、道徳的問題の抽象的な根拠を考え抜いて、哲学的思惟の蓄積に接続する研究の二面をもつことになる。また、要望がある場合、いくつかのグループ研究を組織し、グループ発表を準備・実施・発表する。さらに、参加者が海外文献・新聞記事から見つけた倫理問題の紹介を紙面で行う。さらに、4年生に対してはゼミ論文執筆の指導が行われる。全体として、学生相互の討論などを通じて、ゼミ生が自らの研究テーマを確立し、それを追及することを課題とする。授業の到達目標このゼミの到達目標に関しては、3年生は倫理学的問いをしっかり問えるようになること、4年生はそうした問いに基づいたゼミ論文を完成させることである。成績評価方法試験0%試験は行わない。レポート50%3年生のレポートは論文形式を採用します。4年生はゼミ論文をもって代替します。平常点50%授業回数の三分の二以上の出席を成績評価の条件とする。討議への積極的参加が求められる。また、毎回の討議を経てさらに考えたことを、WasedaMoodleに書き込む。その他0%時事的倫理問題を提供したゼミ生については、それを加点材料にします。備考・関連URL各回90分では時間が不足する。そこで、参加者には6時限の半ば程度までの時間延長を許容してもらいたい。また、3年生はサブ・ゼミを充実させることを心がけてもらいたい。そのためには、授業の空き時間にグループで集合し、研究を進めることが必要となる。授業枠の外で、関係を生きる人間論プログラムの合同ゼミが開催される。それにも必ず出席して欲しい。この授業は教室で実施されます。科目名心身を生きる人間論ゼミ(生命と人格)(春学期)こころとからだを生きる人間を考える担当者名村松聡人間2単位春学期金曜日5時限3年以上―――授業概要現代人間論系、心身を生きる人間論プログラムの一つに位置づけられるゼミです。人間の身体、コミュニケーションのあり方など現代の倫理が直面する具体的問題を取り上げながら、論系ゼミ―594―

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