文化構想学部シラバス2021
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いて考えることができる能力を身につけていく。学問の領域ということで言えば、社会経済学の基礎知識と、経済社会学の考え方についてその基本を学ぶ。この分野は、日本では社会学者がほとんど専門にしている人がおらず、私がその第一人者である。私と学ぶことは、日本の経済社会を、十分に見通せる力を身につけ、さらに貨幣が持っている、さまざまな機能の中から、実は、社会を変えていくこともできることを理解できるはずである。社会学者や、たいていの場合、お金が実は好きなくせに、貨幣については研究をしていない。むしろ、社会は、人のつながりだと言うのが常だが、つながりをつける最たるものは、実はお金である。これを悪いものだと言うことは簡単であるが、社会学者のみならず、政治家、大学教授、実はみんなお金が大好きなのに、それがいったい何なのかについては言わない。このこともなぜか、みなさんと考えていきたい。授業の到達目標社会経済学の基礎知識と、経済社会学の基本発想について学びながら、貨幣とはいったいどのような機能を持つものであるのかを、正確に理解する。成績評価方法試験0%.レポート20%最終レポートの得点平常点80%各回の演習での報告、参加状況その他0%.備考・関連URL森元孝のウェブページhttp:www.f.waseda.jpwienmoto社会構築論系森ゼミのウェブページhttp:www.f.waseda.jpwienmo-toJapaneseLessonKouchikuMorisemiMC05.html教科書案内大学生協http:www.honyaclub.comshopgg12397642科目名社会構築論系演習(人権論1)インターセクショナリティとフェミニズム担当者名熱田敬子構築2単位春学期水曜日4時限2年以上―――授業概要すでに知られているように、フェミニズムにはこれまでいくつかの波があった。第一波フェミニズムは女性参政権運動など、主として法的・政治的権利平等を求めたとされ、第二波フェミニズムは個人的なことは政治的なことというスローガンに代表されるように公/私の分離自体を問い直し、女性の全人格的な解放を目指したとされる。そして、現在フェミニズムの第三、第四の波についても語られることがあるが、この際日本に第三、第四の波が本当に訪れているのかは、議論がわかれる。波というのは、単なる時代区分や世代区分ではないことに注意する必要がある。第一波と第二波のフェミニズムの関係を見れば、連続したものがありつつも、第二波は第一の波の前提自体を問い直し、新たな社会変革の視座をもたらした。第三、第四の波もまた、第二波フェミニズムがもたらした豊かな視点と成果を受け継ぐと同時に、その枠組みを新たにするものでなければならない。フェミニズムはジェンダー差別構造の中で生きる女性たちの経験をもとに成立し、社会のジェンダー構造を問い直してきた運動であり、そこから生まれた学問である。その女性には誰が含まれるのか、女性の経験を読み解くためにはジェンダー以外に何が必要なのかということ、女性の間の差異や格差については、実は第二波フェミニズムの中でもさかんに語られてきた。女性たちが直面するジェンダー差別は、ジェンダーとセクシュアリティ、エスニシティやディスアビリティなど、他の差別構造との交差により、多様な姿を見せるからだ。しかし、そうした多様さは、多くの場合単なるバリエーションとしてのみとらえられ、社会のジェンダー構造全体に関する認識の変化を引き起こすものにはならなかった。経験的に語られる差異をたんなるカテゴリーの付け足しに終わらせないためには、新たな視点が不可欠である。本演習では、この点を鑑み、フェミニズムの変化を引き起こす概念のひとつとされるインターセクショナリティの視座が、どのような認識と社会構造の変化をもたらすのかを、具体的な事例と、フェミニズム運動の経験から考える。演習の進行としては、上記の視点から、いくつかの具体的なテーマに沿って、フェミニズム運動及びジェンダーとインターセクショナリティに関する、文献リーディング、フィールドワーク、報告・討論を行う。授業の到達目標・フェミニズムの歴史と現在を理解する。・多様な女性、ジェンダー・マイノリティの経験を学び、これからのわたしのフェミニズムを構想する。・フェミニズムは学問であると同時に運動である。司法システムを持たない法学が机上の空論になりかねないように、フェミニズムも哲学やジェンダー分析にとどまらず、実践されて初めて変革の力を持つ。知と実践はフェミニズムの両輪なのだ。したがって、参加者は学んだことをどのように実践するか考えることを求められる。成績評価方法試験0%レポート50%学期末にレポートを課す平常点30%レビューシート記入で評価するその他20%発表やグループワークにより評価する備考・関連URL具体的な内容・進行は、参加者の人数などによって変化する可能性がある。専門演習―523―

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