文化構想学部シラバス2021
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備考・関連URL本授業は対面の回とオンラインの回を併用する予定だけれども、状況によりオンラインに全面的に移行する場合がある。授業に出席し積極的に参加する者のみが履修のこと。科目名社会構築論系演習(地域社会と国家)地域社会のレジリエンスを災害復興の現場から考える担当者名野坂真構築2単位春学期木曜日2時限2年以上―――授業概要発災から10年となる東日本大震災の津波被災地域を中心に、災害復興の現場にて実際に起こってきたあるいは起こっている出来事を学ぶことを通じ、様々な危機や失敗へ柔軟かつ効果的に対応し回復するための地域社会が本来持つ潜在能力であり、世界的に議論されているレジリエンス(resilience)概念への理解を深めます。震災前の東北地方の様子も知るために、国家による地域政策の歴史的経緯やそれを地域がどのように受け止めてきたかも学びます。災害によって大きな人生の変動を経験した方々から現在までの生活再建過程や心の復興過程を学ぶことで、常に変動し続ける現代社会の中でも自己を保ちながら周囲と協力し、過去に学び、現在を知り、未来を拓くためのヒントを学生の皆さんが得る機会にもしたいと考えています。授業は、レジリエンス、災害社会学や地域社会学に関する文献、災害復興の現場に関するドキュメントや映像等の資料の読解を、学生を主体に発表とディスカッションを行うことで進めていきます。資料には講師が実施するインタビュー調査へのオンラインツールを用いた参加も含みます。各回の文献や資料の読解では、報告者とコメンテータの担当を決めます。具体的には次の4段階(ないし5段階)を経ます。①災害社会学の文献を読解することで、人文科学が災害を研究する意義やレジリエンス概念の重要性などを学び、②以降の事例研究を行うための分析枠組みを各自構築します。②地域社会学の文献や、東日本大震災の被災地域である東北地方に関するドキュメントや映像等の資料を読解したりすることで、日本における地方都市およびその周辺集落を含む地方がどのような歴史的文脈を持つ社会なのかを理解します。③東日本大震災津波に関する文献、ドキュメントや映像等の資料を読解することで、東日本大震災で被害が拡大したのはなぜか、発災後どのようなことが復興上の課題となってきたのかを検討します。④①〜③で学んだ概念や事例への理解を深めつつその再検討を行います。検討の結果は、レポートにまとめてもらいます。(⑤【自由参加】授業期間終了後、講師は東日本大震災の津波被災地について現地調査を行う予定です。現地を見てみたいと思った人は第15回までに講師に相談してください。詳細を打ち合わせましょう。)授業の到達目標・文献や資料を深く読み解き、その内容を他人にも理解可能なように説明できる力を養う。・他人の発表を偏りなく聴いた上で、主体的にコメントやディスカッションができる力を養う。・複眼的に社会の仕組みを捉え、既存の自分の価値観の再検討を行える力を養う。成績評価方法試験0%特に実施しない。レポート50%授業の進捗状況に応じてレポート課題を出します。詳細は授業期間後半に説明します。平常点50%23以上出席することは前提として、感想文の内容や発表・ディスカッションでの発言内容、授業参加の主体性などを総合的に評価します。※感想文や発言では、自身の意図とその根拠が明確で説得力や実証性があるか、着眼点が鋭いかどうか、授業内容から気づきを得ているかなどに特に注目します。その他0%特になし。備考・関連URL対面授業で行う予定です(2021年1月12日時点)。科目名社会構築論系演習(国家の交流と対立1)アジア社会の近代的再編担当者名柳澤明構築2単位秋学期木曜日3時限2年以上―――授業概要近代とは何かという問題は、さまざまな角度から論ずることができるが、この演習では、主として国際関係と地域社会の相互作用という面から、アジアにおける前近代から近代への移行のダイナミズムと、そこに見られる諸特徴を探る。今年度は、1860〜80年代に生起した、新疆(東トルキスタン)のムスリム反乱からイリ(サンクトペテルブルク)条約締結に至る一連の事件を取り上げる。この問題は、清という帝国の大きな構造変動の契機となったばかりでなく、当時琉球・台湾をめぐって進行していた日本と清の交渉にも影響を及ぼしたといわれている。そこで、一連の事件をいくつかの局面に分け、それぞれに関係するテキスト(史料)を手がかりに、受講者各人にテーマを設定して発表してもらい、質疑応答・討論を行う。テキストについては、教科書の項を参照。本科目は、ディプロマポリシーおよびカリキュラムポリシーにいう専門演習に該当する。授業の到達目標アジアにおいて現代につながる近代的な国家・社会の枠組みが成立してきた過程を、現在の視点・価値基準から描いた物語としてではなく、同時代のテキストを通じて理解することを目標とする。成績評価方法試験0%実施しない。レポート50%授業時の発表内容を基礎としたレポートを期末に提出してもらう。テーマ設定の明確さ、テキスト・先行研究の読み込みの程度、論理構成、オリジナリティを総合的に評価する。平常点50%授業時の発表内容、討論への参加度等による。その他0%特になし。備考・関連URL※日程や発表のトピックスは、受講者数や各人の希望などに応じて適宜調整していきます。専門演習―513―

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