文化構想学部シラバス2021
497/620

科目名現代人間論系演習(調査データ収集・分析の手法)量的調査データの収集・分析の基礎を学ぶ担当者名井上公人人間2単位春学期水曜日1時限2年以上―――授業概要本授業の目標は、社会調査に関する基礎的な知識と、社会調査によって収集された量的データの分析・解釈に必要な基礎的な技能の習得である。これらの知識・技能は、実証的な研究を行う上で不可欠なアカデミック・スキルである。この目標を達成するため、本授業では、講義と実習を交えながら、データ分析からレポートの執筆に至る量的調査の過程を実践的に学ぶ。授業の流れは、次の通りである。まず、講義により社会調査の目的や意義・方法を理解した後、量的調査や量的データを用いた研究プロセスを学ぶ。次に、問題設定や仮説構築の方法と、官庁統計の収集方法を学び、自らの問題関心に従ってこれらを実践する。その後、各自の問題関心に従い、量的調査データの二次分析による実習を行う。実習では、統計分析ソフトSPSSを用い、記述統計量のほか、2変数間の関係の分析とエラボレーションの方法を学ぶ。授業全体を通じ、履修者は各自の問題関心に従った分析とレポートの執筆を少しずつ進め、学期末にはレポートとして提出してもらうこととなる。授業の到達目標1.社会調査および量的調査に関する基礎知識の理解2.量的研究を行うための、問題設定・仮説構築能力の習得3.量的データを適切に処理するための情報処理能力の習得4.量的分析の結果を適切に解釈するための科学的思考力の習得5.学術的に適切な文章表現を行うためのアカデミック・ライティング能力の習得成績評価方法試験0%試験は実施しない。レポート40%学期末レポートの成果によって評価する。平常点60%本授業中に課す3回の課題の成果、および授業に対する取り組み状況によって評価する。その他0%特段の理由なく4回以上欠席した者や、大幅な遅刻を繰り返す者は、原則評価の対象としない。備考・関連URL本授業の履修にあたっては、中学校レベルの数学的知識があれば十分である。また、分析手法については、これを数学的に理解したり、計算することより、値の持つ意味や概念を理解・解釈できるようになることを重視するので、数字(数学)を苦手とする者も、本授業で扱う内容に必要性を感じるならば、是非履修して欲しい。遅刻・欠席すると、授業についていけなくなるので、十分注意すること。遅刻・欠席した分については、自分でフォローすること。なお、万が一新型コロナウイルス感染症対策の観点で対面授業が実施できなくなった場合、実習では、MicrosoftExcelを用いて分析を行うこととなる。Excel(およびWord)を含むMicrosoftOfficeは、レポートの執筆や事前・事後学習においても必要となるため、自前でも用意しておくこと。ただし、分析に必要な機能に制約があるiPad版の使用は避けること。科目名現代人間論系演習(近代的人間観の論理と倫理)デカルト方法序説・情念論を読む担当者名御子柴善之人間2単位春学期月曜日5時限2年以上―――授業概要この演習では、近代的人間観の根幹を考えるために、デカルトの方法序説と序念論を読みます。デカルトの哲学は、近代という時代を反省する際につねに参照すべき重要な思想です。有名な書物でも、機会がないと、なかなか一人では読めないものです。しかし、それを読まずにいること自体が、各人の内面にコンプレックスを生みます。この際、思い切って、有名な本と取り組んでみようというのが、この演習の試みです。授業の到達目標近代的人間観を理解するための手掛かりとして、デカルトが提示した暫定的道徳とそこからの到達点を見定めることを目標にします。成績評価方法試験0%試験は行いません。レポート50%学期末に、2,000字程度のレポートを課します。内容は、デカルト哲学にかんするものです。平常点50%演習に参加して、自分の疑問点などを積極的に発言しましょう。その他0%特にありません。備考・関連URL演習においては、同じ翻訳をもっていることが有効ですので、岩波文庫の翻訳を手許においてください。この授業は、教場で実施される予定です。科目名現代人間論系演習(生の詩学/生の解釈)家族と性をめぐる、現代日本の女性作家の作品を読む担当者名草野慶子人間2単位秋学期火曜日1時限2年以上―――授業概要家族そして性。このふたつの、緊密に連関する主題にかかわる、現代日本の女性作家の作品を読みます。比較の対象として、このカテゴリーに収まらない作品や表現も扱います。お父さんが外で働いて、お母さんが家事と育児をする。子どもが幾人かいる長じた子どもは、やがてただひとりの異性を選び、結婚して、子どもができて、父母に倣った家族を再びつくるといった家族観、性愛観からもっとも遠いところにあるのが、もしかしたら、現代の女性作家たちの作品かもしれない、と考えたのが、その動機です。専門演習―505―

元のページ  ../index.html#497

このブックを見る