文化構想学部シラバス2021
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科目名現代人間論系演習(環境問題の論理と倫理)環境倫理学の現在担当者名御子柴善之人間2単位秋学期月曜日5時限2年以上―――授業概要地球環境問題は時代のキーワードであり、環境問題対策は、一般に総論賛成という性格をもちます。しかし、いったん具体的な場面、さらに言えば、各人自身が環境問題対策として推奨されることを実行する段階となると、各論反対とも言える困難が姿を表します。そうした状況に対して向かい合い、言葉を紡ごうと努力するのが環境倫理学です。この分野ではさらに、人間と動植物との関係、現在世代と未来世代との関係、地球環境問題と南北経済格差との関係などがテーマとなります。これらも併せて学ぶことで、環境問題が哲学的な問題でもあることを知ることができるでしょう。授業の到達目標この演習の到達目標は、環境問題を引き起こした人間、環境問題対策への懐疑を語る人間など、さまざまな人間像に対峙することで、そもそも人間とは何か、という問いを自分のものにして、それを自分のことばで語れるようになることです。成績評価方法試験0%試験は行いません。レポート50%環境倫理学にかんするレポートを作成してもらいます。平常点50%討論に積極的に参加したかどうかを評価の対象とします。その他0%授業回数の三分の二以上の出席を成績評価の条件とします。備考・関連URLこの授業は、教室で実施される予定です。科目名現代人間論系演習(企業行動の論理と倫理)担当者名太田哲人間2単位秋学期木曜日6時限3年以上―――授業概要本授業は社会人類学を中心に学際的な視点から、現代社会においてグローバルに活動する企業の行動とその背景を分析し、企業論理と企業倫理の在り方を再検討する。また、企業倫理の考察を更に拡大し、GAFAなどの巨大企業の躍進と国民国家という現在の世界システムに関しても考えていく。それに加え、本コースは日本の若者が働くということに対しどう向き合っていくか受講者一人一人が考察し、今後の学生生活や進路について考えていく。それにあたって、日本の産業構造、労働環境、経済状況、日本社会におけるジェンダーギャップなどを理解する。アカデミックな文献や日本の様々な産業について書かれた書物などを参照し、現代の日本経済、雇用システム、労働関係の発展を概観し、人間関係、人間関係力学、性別による役割の違いなど、職場のシステムと構造について検討する。本コースはマクロ的な現状把握のみならず、受講者一人一人の生活経験と照らし合わせながら、現在日本で起こっている現象が自分にどのように影響しているのかを考え、それにあたって今後の進路を考える上での参考となることを目指したい。授業は教室にて対面で行うが、感染事情等の理由により週によってはオンラインで行う場合もある。授業の到達目標1.現代社会における企業の企業論理と企業倫理の在り方を考察する。2.現在の日本における若者の就労状態を理解する。3.日本の社会構造を理論的に分析し、現在起こっている様々な事象に対し理解する力を養う。4.労働環境の変化が日本においてどのように語られてきたかを時系列的に理解する。5.女性の労働環境の変化を理解し、それに伴う女性の生き方の変化について目を向ける。6.日本における労働者階級の若者に目を向け、社会階層と趣向の関係についての意識を高める。成績評価方法試験0%期末試験は行わない。レポート60%授業で扱われたテーマについて各自ピックアップし、それについて4000字程度のレポートを提出する。提出期限は授業授業日とする。平常点40%ディスカッションにおける参加やプレゼンテーション等を評価する。その他0%特になし備考・関連URL本講座は基本的に学生が課題図書を事前に講読し、それを基にディスカッションを行う。学生には事前講読の資料、文献をまとめ、プレゼンテーションを行ってもらうことを想定している。ディスカッションは教員も交え積極的に行い、その際に学生の理解度に対しフィードバックを行う。授業は教室にて対面で行うが、感染事情等の理由により週によってはオンラインで行う場合もある。科目名現代人間論系演習(科学技術の論理と倫理)現代科学技術の現状と、そこに包含される倫理的諸問題を考える担当者名大橋容一郎人間2単位秋学期水曜日3時限2年以上―――授業概要21世紀の産業社会は、20世紀末までの右肩上がりの高度科学技術時代とは異なる様相を示しています。現代の社会認識論、情報論、生命論、情動論、身体論、ケア論などの考え方には、従来の科学技術倫理とは異なった倫理観が要求されるようになりました。その倫理観も、従来の徳倫理、義務倫理、功利主義倫理などの単純な適用では対処できない状況が生じています。たとえばビッグサイエンスや人工知能における善悪、平等を前提しないケア論の倫理観などは、どのように考えればよいのか。哲学倫理が応答しなければならない現代の問題が山積しています。この演習では、諸科学の先端の現状を知るとともに、そこに含まれる倫理的課題について再検討します。専門演習―491―

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