文化構想学部シラバス2021
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のミシェル・ウエルベック、チリ出身のロベルト・ボラーニョ、そして日本出身の村上春樹の作品を読み、それぞれの作品に見える世界文学的な要素について一緒に考えていきたい。授業の到達目標21世紀の日本に住んでいる我々の立場を念頭に置きながら、世界各地域の作品を読むにつれてそれぞれの地域の理解に必要な基礎知識を得ながら、現代の世界文学に頻繁に扱われている諸テーマ(戦争と亡命、国家とアイデンティティ、歴史と記憶等々)について考察してほしい。こうした世界文学ツアーを経験した学期末には、受講生各自にグローバル時代における世界文学の概念を理解し、広く知れ渡っている現代文学作品の基礎知識を身につけていただきたい。成績評価方法試験0%レポート40%中間レポートと期末レポートがあります。中間エッセイでは、読んできた作家たちから一人を選び、自分の感想を述べる。期末エッセイでは読んできた作家たちから二人を選んで比較し、自分の感想を述べる。平常点30%授業参加や、受講生のプレゼン内容確認の質問への応答。その他30%プレゼンテーション:本授業で扱う作家たちやそれらの作品について、指定されるテーマに沿って発表する。(5-6分程度、1学期に1回)備考・関連URL授業で読む短編作品、小説からの抜粋はどれも基本的に邦訳で読みますが、原文が英語とフランス語、スペイン語の作品に限って希望があれば原文のPDFも提供可能。科目名文芸・ジャーナリズム論系演習(比較翻訳論)文芸翻訳を精読する。担当者名小野正嗣文ジャ2単位春学期金曜日5時限2年以上―――授業概要※基本的に対面授業です。新型コロナの感染拡大など、状況によりオンライン授業に切り替えることもあります。すぐれた文芸翻訳を精読し、原文と付き合わせながら、どのような点に工夫が凝らされているかを分析する。毎回、担当者(あるいは担当グループ)が、文芸翻訳書の指定された部分について発表を行なう。その発表を受けて、全員で議論を行なう。発表担当者以外の者は、毎回、指定された部分について、1,200字程度の文章課題を提出する。この文章課題は、指定された部分を扱う授業日の3日前の18時までに、Moodleを通じて提出すること。対面授業の場合、この文章課題は、毎回、各自プリントアウトして授業に持参すること(スマートフォンやノートパソコンでは閲覧しないこと)学期末までに、各自が少なくとも12,000字程度の分量の文章を書くことになる。授業の到達目標翻訳者の技術的な工夫を理解できるようになる。みずからが理解したことを、話し言葉でも書き言葉でも明確に表現できるようになる。他の履修者の発表について建設的なフィードバックを行なえるようになる。成績評価方法試験0%レポート0%平常点100%出席、発表、発言、コメント課題を総合的に判断する。自分が出席・発表するのはもちろんのこと、他履修者の発表に対するアドバイスができているかどうかも重視する。その他0%備考・関連URL以下の点は注意してください。授業の性質上、履修者は毎回必ず出席し、必ず文章課題を提出し、必ず発表し、授業に積極的に参加することが求められます。1)正当な理由があって欠席する場合、正当な理由があってコメントを期限内に提出できない場合は、すぐに授業担当者に連絡をして代替の課題などについて尋ねること。(正当な理由とは、病気や忌引きなどであって、就職活動は含まれません。)2)文章課題の提出が期限内でないことが複数回続いた場合、C以下の成績となります。3)20分以上の遅刻は、欠席とみなします。4)授業時間内のスマートフォンとノートパソコンの使用は禁止します。使用した場合は、その回を欠席したものとみなします。科目名現代人間論系演習(宗教と共同体)イスラム教と共同体担当者名井上貴恵人間2単位春学期木曜日5時限2年以上―――授業概要本授業はイスラム教を事例に宗教と共同体の関係を考察する。イスラムにおいてはウンマと呼ばれる単一の宗教共同体が重視されてきたが、現代においては単一の宗教共同体という理念は国民国家の登場により、それに取って代わられた。他方草の根的なスーフィー教団やイスラム主義組織など、特定の信条に基づきネットワークを構築する共同体は現在においてもイスラム圏において重要な役割を果たしている。本講義ではイスラム世界における共同体の在り方を概観し、宗教と共同体の在り方について検討したい。とりわけイラン(ペルシア語文化圏)域におけるスーフィズムを信条とする共同体や、イスラム教の中でも特定の信条を有する共同体を考察対象とし、イスラム教の揺籃期から現代までの変遷を追う。授業の到達目標宗教と共同体の関係性についてテクスト講読を通し理解し、自ら発展的に考察するための基礎的な方法論を身につける。専門演習―485―

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