文化構想学部シラバス2021
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この授業ではジャーナリズムの視点から近代ロシアの社会史・文化史を概観します。ロシアで最初の新聞の発行が始まった18世紀初頭から帝政末期(20世紀初頭)までの定期刊行物(新聞・雑誌)を取り上げ、その中で繰り広げられる時評的な言説を通して、ロシアに持ち込まれた西欧近代の諸制度を当時の文脈から考察していきます。授業の到達目標ロシアの近代化の流れを知り、西欧近代的な価値観を同時代の文脈で理解すること。成績評価方法試験0%レポート70%学期末にレポートを課します。平常点30%毎回のレビューシートの内容から評価します。その他0%備考・関連URL授業の進度や取り上げるトピックは受講生の習熟度および関心に応じて変更する可能性があります。科目名ヨーロッパ・地中海・イスラーム文化概論2映画戦争と平和から見るヨーロッパの近代担当者名源貴志多元2単位秋学期金曜日3時限2年以上オープン科目合併科目―授業概要現代のEUの統合・拡大・動揺の状況を視野に、現代ヨーロッパの枠組みの根底をなす近代国家の成立の問題を、歴史・思想・文化の観点から再確認するため、とくに18世紀末から19世紀前半のヨーロッパ(ならびに日本)の近代国家の成立、とくに近代の国語や文学の成立の構図を検討する。具体的には《ナポレオン戦争》に焦点をあてる。その歴史的・思想的な背景はもちろん、ヨーロッパ各地域の、その前後の時代における国民のことばや小説(国民の文学)の時代の成立を、《ナポレオン戦争》をめぐる事件としてとらえ、いわゆる近代国家、近代国語、近代文学の成立の過程を政治・経済から衛生学まで、さまざまな観点から追う。また、その延長の問題として、日本の明治期におけるナポレオン崇拝から、東アジアにおける近代国語、近代文学の成立の問題についても触れたい。なお、講義の手がかりとして、トルストイの長篇小説の映画化超大作、戦争と平和(1965-1967年モスフィルム制作作品)にコメントを加えながら鑑賞する。授業の到達目標暗記的な世界史の知識・理解を脱して、歴史・文学・思想の問題を人間の問題として、履修者が個性的かつ柔軟な発想でとらえることができる援けとなることを目標とする。成績評価方法レポート:95%講義の内容を参考に各自考察したところをレポートにまとめてもらい(2000字以上。WasedaMoodleによる提出を予定)、出席状況を勘案して、総合的に評価します。平常点評価:5%科目名ヨーロッパ・地中海・イスラーム文化研究1中東歴史人類学入門担当者名大稔哲也多元2単位春学期火曜日4時限1年以上オープン科目合併科目―授業概要この講義では、中東やイスラームについて、これから本格的に学ぼうとする学生を対象とします(ヨーロッパ研究の講義ではありませんので、ご注意ください)。そのための基本的な知識を得るとともに、さまざまな角度から、総体的に中東の社会について考えます。そこでは、イスラームとは何かについて生活経験をもとに省察したうえで、イスラーム教徒(ムスリム)とキリスト教徒など非ムスリムとの共存、中東の生活慣行、聖者崇敬、死をめぐる儀礼と他界観、アラブの春とその後の中東社会、欧米のムスリム社会などのうちからテーマを選択して、具体的に講義します。また、毎回、映像・図像資料や現物資料を活用することによって、より鮮明な理解が得られるよう試みます。授業の到達目標中東やムスリム社会に対するに偏見を払拭し、中東やイスラームに関する基本的な知識を獲得できるように講義します。学生の側からも、毎回、主体的な参加が望まれます。伝えたいことがあって講義しているため、出席は必須です。成績評価方法試験70%、平常点30%を加味して評価することを予定している。備考・関連URL・1〜2年生を念頭に、この講義を設定しています。・初回のガイダンスには、必ず参加すること。・アラビア語をはじめとする中東の言語を、他の授業で学習することが望ましい。・なお、この授業は、基本的に大学教室での対面による授業形式を予定しています。そして、一部にオンデマンド式オンライン授業も加味することを予定しています。科目名ヨーロッパ・地中海・イスラーム文化研究2ヨーロッパ世界の形成を歴史的に把握する担当者名中澤達哉多元2単位春学期無フルOD1年以上オープン科目合併科目フルオンデマンド授業概要ヨーロッパ諸国は現在、17世紀以来慣れ親しんできた国家システムから脱皮して、グローバル化時代に対応した新しい形態の国家へと変貌しようとしている。EUという超国家システムの出現は、まさに、そうしたヨーロッパ人の歴史的挑戦を端的に表している。ではなぜ、ヨーロッパ世界は従来の国家の枠組みを超える動きを展開しているのか。その理由はなにか。この講義講義―49―

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