文化構想学部シラバス2021
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授業の到達目標本演習では、古代から現代まで様々な時代に現れたメディアを対象に、多様なイメージの生成と変遷の過程を明らかにすることを目標としています。絵画や彫刻、写真、映画が示すひとつひとつのイメージが、一体何故その時代に生まれ、何故評価を受け、あるいはされないままに現代にまで辿り着いたのか。その過程でどのような改変が加えられてきたのか。こうした情報すべてを多様な方法を用いて見て読みとり分析し語る訓練を行います。表層のイメージを超えて、対象を総合的に認識し、時に隠蔽され忘却されてきた過去や記憶を拾い集め、ひとつの歴史を語る(ディスクリプション)ことができるようになるよう、講義を積み重ねていきます。成績評価方法試験30%14回目の授業の際に、理解度を確認するため、自由論述式の試験を行います。詳細は追って解説します。レポート20%毎回授業終了時に、授業で取り扱った内容を踏まえた上でのコメントや質問を書くミニレポートのための時間を設けます。独自の視点からの鋭い考察を評価します。平常点50%グループワークへの積極的な参加、貢献度を評価します。その他0%備考・関連URL・シラバスの内容は、受講者の人数や関心により変更する場合があります。・出席者全員が発表を担当します。グループ分けやテーマ設定については、授業内で追って説明します。・授業開講日が月曜日にあたるため、美術館見学は補講として別の曜日に行う可能性があります。受講者の関心や都合に鑑みて、詳細は開講後に決定します。科目名表象・メディア論系演習(視覚イメージの読み方2)アーティスト・ユニットとグループ担当者名関直子表象2単位秋学期木曜日5時限2年以上―――授業概要近年、ユニットやグループで活動を展開するアーティストは増えている。かつてのような宣言文をもって始まる強固な運動体というよりも、緩やかな関係を保ちつつ、同時に個人として活動を展開することも多い。ユニットの場合は、コンセプトと実現を対話によって練り上げていく点に特質があり、その過程を作品として開示していいくこともある。本演習では、現代のアーティストの作品を、そのような複数の個人の営為という視点から読んでいく。授業は対面での実施を予定しています。授業の到達目標作品制作のプロセスの多様なあり方を理解する。成績評価方法試験0%試験は実施しませんレポート20%発表の概要をまとめる平常点80%1回目から10回目までの授業でのディスカッションと12回目から15回目の授業内で行う発表その他0%特記事項なし備考・関連URLこの演習は、教室での対面授業を予定しています。科目名表象・メディア論系演習(メディア演劇論)担当者名辻佐保子表象2単位秋学期月曜日4時限2年以上―――授業概要この演習では、劇中でミュージカル場面が重要な役割を担ういくつかの映画を取り上げて、いかに歌い踊る行為がキャラクターや関係性を媒介するものとして機能しているかを、作品を精緻に分析し、考えていきます。ミュージカルにおける歌やダンスを考えるにあたってしばしば、歌詞やメロディによって表現されることと、歌い踊る行為によって表現されることが混同され、両者の間に生じる連携や齟齬がどのように作用しているかという論点は見落とされがちです。その歌や踊りは、誰が誰に(何に)向けたものなのでしょうか。それは誰かとともに行うものでしょうか。途中で誰か加わるでしょうか。はたまた一人きりでしょうか。あるいは、最初から加われないキャラクターはいるでしょうか。歌う人・踊る人は作品のどこに位置づけられているのでしょうか。作品の物語世界の中でしょうか、劇中劇の中でしょうか、それとも別の位相でしょうか。歌い踊る行為はどのようなタイミングで作品に挿入されているでしょうか。歌や踊りの前後で作品に何か変化は生じているでしょうか。歌やダンスという表現をとることは、作品においてどのような意味を持つのでしょうか。本演習では、およそ20年ごとに変化を遂げるミュージカル表現の、各時代の特徴が如実に現れた作品を取り上げて、歌やダンス、音楽、歌い踊る行為の働きを緻密に分析していくことを目指します。取り上げる作品の候補としては、王様と私(1951年初演)、マイ・フェア・レディ(1956年初演)、キャバレー(1966年初演)、カンパニー(1970年初演)、ジーザス・クライスト=スーパースター(1971年初演)、レ・ミゼラブル(1987年初演)、プロデューサーズ(2001年)などを考えていますが、受講生からの提案も聴きながら3作品を決めていきます。授業の到達目標ミュージカルは誕生から現在に至るまで隆盛を誇る演劇ジャンルであるものの、批評的な分析・考察を抜きに好悪で判断がくだされる傾向にあります。本演習を通して、受講生全員がミュージカルを学術的に分析・考察する方法論を獲得することを目標とします。成績評価方法試験0%レポート60%作品の理解度に加えて、独自の視点と分析の緻密さ、論理性を判断する。平常点40%研究発表の質、ディスカッションでの発言の量と質、授業への貢献度、出席日数を総合的に判断する。専門演習―464―

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