文化構想学部シラバス2021
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備考・関連URL本演習は必要に応じてリアルタイム配信となります。そのときにはお知らせします。科目名表象・メディア論系演習(図像学1)図像の言葉担当者名石井香絵表象2単位春学期木曜日3時限2年以上―――授業概要絵に代表される視覚イメージは、各々の感覚で自由に見ればよい、というだけのものではない。自由な視覚は、絵が伝えようとしていることがらの理解を土台にしてはじめて成立する。鳩は何を表わす、と問えば、多くは平和とこたえるだろう。しかし中世やルネサンス期の絵画に描かれた鳩は平和ではなく聖霊の象徴である。日本のアジア・太平洋戦争期の作品に表現された鳩は兵士を意味する。狭い範囲の知識に依りながら図像を目にすることは、そこに託された意味内容の理解の妨げとなる。この演習では、時代や地域によって異なるさまざまな図像を例示しながら、多岐にわたる図像イメージの基本的理解をうながす。授業の到達目標図像による伝達言語の理解をうながし、さまざまな図像の読解の基礎的態度を培うこと。成績評価方法試験0%レポートをもって試験とする。レポート70%授業の理解度と、それにもとづいた展開力による評価。平常点30%発表の内容による評価。その他0%特になし。備考・関連URL毎時間スライドを使用科目名表象・メディア論系演習(ヴィジュアル・カルチャー論1)担当者名坂内太表象2単位春学期火曜日2時限2年以上―――授業概要この演習では、写真家とその作品、或いはグラフ雑誌の時代を象徴したLIFE誌の名高いフォト・エッセイやニュース記事などを手がかりとしながら、人間を取り巻く様々な行為とそれを伝える表象の政治性について考察する。報道の即時性に関して、文字媒体・印刷媒体に対するテレビやインターネットの優位性がいくら喧伝されたとしても、報道の場で文章記事と写真とが手を携えることを止めたわけではない。多種多様なメディアが発達しても、依然として報道写真の重要性を疑うことはできないだろう。身体表象と活字メディアとの重要な結節点としてのフォト・ジャーナリズムも同様である。そして、そうした写真がいま、ここに存在する人間を巡る出来事を、その場に居なかった多くの人に伝える点で、様々な問題が中間項目として介在する。毎回の演習はフォト・エッセイやニュース記事に関するグループ発表とその検討を中心とするが、学期末には、受講生一人一人に簡単なフォトエッセイフォトドキュメンタリーを作成してもらう。これをレポートとして提出してもらうが、これについては授業の際に説明する。カメラを持っていない受講生には、使い捨てカメラ(レンズ付きフィルム)などを自分で用意してもらうことになるが、受講に際して写真の経験の有無はまったく問わない。また、携帯電話やスマートフォンに付属したカメラ機能等を利用して撮影し、プリントした写真を素材としても構わない。授業の到達目標上記の概要に沿って展開される演習の内容を十全に理解した上で、ヴィジュアル・カルチャー論1の対象となりうる様々な作品・事象に関し、独自の観察・批評が出来るようになることを、受講生の各々が目指して欲しい。成績評価方法試験0%実施しないレポート50%演習の内容を十全に理解した上で、ヴィジュアル・カルチャー論1の対象となりうる様々な作品・事象に関し、独自の観察・批評の視点を有しているかどうか。平常点50%グループ発表に積極的に参加しているかどうか、また、出席が全体の3分の2に達しているかどうかで判断する。その他0%備考・関連URL最終授業で包括的にフィードバックを行う。科目名表象・メディア論系演習(イメージ原論2)マンガ・アニメ・映画・文学などの、アダプテーションあるいはメディアミックスについての発表演習担当者名石岡良治表象2単位秋学期火曜日3時限2年以上―――授業概要日本のマンガ・アニメ文化では実写映画化をめぐる議論がしばしば生じる。そこで顕著に見られるのは原作のファンによるメディアミックスに対する否定的な応答であり、メディアミックスが困難である理由がキャラクター文化に帰せられることも多い。メディア横断性を大きな特徴として有するキャラクター文化において、メディアの固有性をめぐる議論が再帰的に生じるという事態は、分析や考察を要するように思われる。その一方で、物語メディアとしての性質を持つ映画産業では文学作品の映画化マンガの実写映画化などのアダプテーションがたえず行われており、映画はメディアミックスにおいて不可欠の構成要素となっている。映画のノベライズのようなアダプテーションも広範にみられるがゆえに、映像メディアにおける物語の役割についての分析と考察もつねに求められるだろう。本演習では、具体的な作品分析を通じて、映像作品におけるメディアミックスについての理解を深め、上記の諸問題につ専門演習―461―

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